
【還元型PROJECT】もると選手インタビュー 格ゲー界に現れた期待の新星はいかにして強くなったのか【後編】
▼前編はこちら!
https://gamer2.jp/10706/
ゲーマーゲーマー発のeスポーツチーム『還元型PROJECT』(プロジェクト)。選手たちの卒業を支援するために、コンディショニングを通して選手たちをサポートすることがテーマのチームです。
今回は還元型PROJECTのメンバーであるもると選手のインタビュー後編をお届けします。前編ではもると選手が格ゲーを始めたキッカケや学生時代のエピソードなどを聞いちゃいました。そして後編では格ゲーのことやプロライセンス獲得後のことなど、より選手のことが深く分かるインタビュー記事となっています。それではお写真と共に取材内容をお届けします☆(取材日:2022.4.7)
〇もると選手 紹介
JeSU認定『ストリートファイターⅤ』プロライセンスを所持者。2021年に大会に出場し始め「SFL:Pro-JP 2021トライアウト大会#8」で優勝したことをきっかけにその名を轟かせた。反応速度の速さや持前の器用さで、ダンや影ナル者を始めとした様々なキャラクターを使いこなす。特にネタキャラ扱いされることが多いダンで優秀な成績を収めたことで注目を集めている。(https://gamer2.jp/kanpro_member_moruto/)
〇勝っても負けても内容が全て
――もると選手は格ゲーの魅力ってどんなところだと思いますか?
もると選手「試合の内容で喜べるところに魅力を感じています。特にいいプレイをした時は本当に楽しいです。」
――試合の内容で喜べるとはどういうことですか?
もると選手「お互い接戦になるくらいのプレイをして、タイムアップでギリギリ勝つという試合が大好きなんです。なので内容に満足できない試合はたとえ勝っても楽しいとは感じません。」
――お互いが本気を出しあった真剣勝負がしたいのですね!ちなみに格ゲーは1人でプレイするゲームということで結構ストレスが溜まることもあるのではないかと思いますが、もると選手はいかがでしょうか。
もると選手「今は実力もついてきたので大丈夫ですが、始めた当初はなんで勝てないんだろうとずっと思い悩んでいました。特に始めたばかりの時は9割負けるくらいだったので、ストレスは相当なものでしたね。」
――もると選手はどうやって負けのストレスに耐えていたのですか?
もると選手「無理やりにでもプレイして、どうしてもダメだった時は体を動かしていました。」
――すごいゴリ押し法ですね!では長年格ゲーをプレイしていて辞めたくなる時はありましたか?
もると選手「何度かはありました。しかし全然強くなれなくてモチベーションが下がっていた時、たまたま学校の先輩で『ストリートファイターIV』が強い人が現れたんです。近くにこんなに強い人がいるなら負けていられない!と奮起し、モチベーションを保っていましたね。」
――身近に目標となる人がいるって大切なことなんですね。
もると選手「結局『ストリートファイターV』が発売するまでにその先輩を倒すことはできませんでした。その後彼は格ゲーから離れてしまったのですが、いつか対戦をして倒したいですね。」
――いつか対戦できるといいですね!
〇ダンの永久コンボを発見したのはもると選手?!
――次はもると選手が『ストリートファイターⅤ』で使用しているキャラクターとその魅力を教えてください。
もると選手「僕はダンを使っています。”煉獄”(※)と呼ばれる攻撃の多彩さが魅力だと思います。」
(※)煉獄は、ダンの苛烈な攻め連携の通称。連続で攻撃し続けるため、何も知らないといつ反撃のチャンスがあるか分からないほどの激しいラッシュとなる。さらにダン側の出す技により反撃のタイミングが変わるため、知識のある人でも対処は一筋縄ではいかない。
――もると選手はダン以外にも複数キャラを使用していますよね。
もると選手「キャラ愛というよりも『ストリートファイターⅤ』というゲームが大好きなので、全キャラを使いたいと思っています。でも全キャラを使う技量はまだないので、道着キャラを中心に使うようにしています。」
ダンっぽいポーズという無茶ブリに応じるもると選手。ありがとうございます!
―複数キャラを使用する中でも、特にダンを使用するのには何か理由があるのですか?
もると選手「最初は新しい道着キャラが来たということで使ってみたんです。ダンは元々弱いことがコンセプトにあるキャラクターなのであまり期待はしていませんでした。でもいざ触ってみると長めのコンボが出てきたんです。そしてダンの可能性を勘で感じ取り、徹夜でトレーニングモードをしました。そうしたらダンの永久コンボを発見したんです。その後はすぐにTwitterに動画を上げました。」
――もると選手が第一発見者なんですね!
もると選手「ダンの永久コンボを最初に見つけて拡散したのは自分だと思います。またあのコンボを見つけるための副産物として煉獄を見つけました。」
「我道拳をお願いします!」という編集部の要求にも応えてくれました!
〇対戦で感じた壁、大会で感じた壁の違い
――もると選手はオンラインだけで実力を付けてきたとのことですが、どのような練習を積んできたのでしょうか?
もると選手「最初は練習という感覚もなく、楽しいのでひたすらプレイしていました。それ以降はとにかく数をこなしていましたね。特に最初は対戦動画を見て研究するということが多かったです。」
――もると選手が大会に出始めたのはいつ頃からなんですか?
もると選手「去年からですね。ダンと出会ったことがきっかけで勝てると思ったんです。あとは大会出る前にはプロ選手のラウンジ(オンライン対戦部屋)に入ってそこで手応えを感じたので、大会に出場してみようかなと思いました。」
――プロライセンスを取る気で出場したのでしょうか?
もると選手「もちろん取る気でいきました。むしろダンだからこそ取れるくらいまで思っていたのですが(※)、最後にギリギリ滑り込んだって感じです。中々上手くはいかないですね……。」
(※)格闘ゲームは1vs1のため相手キャラクターの対策が非常に重要となるジャンル。ダンは当時追加されたばかりで、さらにシリーズで伝統的に弱く作られていたため、大会でも対策をしていないプレイヤーが多いことが予想されていた。
――格ゲーをやっているとどこかで壁を感じると思うのですが、そういった経験はありましたか?
もると選手「何度もありました。『ストリートファイターⅤ』のシーズン2あたりに1回ダイヤモンドランクまで行って、その時は勝率が50%だったのでギリギリなれたくらいなんです。」
――なんとか到達できたって感じなんですね。
もると選手「それでこれ以上は無理だなと壁を感じてからは、一旦色々なキャラでプレイし始めました。それが結局キャラ対策代わりになっていたらしく、久々にメインキャラでプレイしたら勝率が上がったんです。」
――気分転換に色々なキャラを使用したことが成長に繋がったのですね。
もると選手「色々なキャラクターの使用を通して、様々な技術が手に入ったんです。それで最初の壁は突破しました。」
――ちなみに一般プレイヤーとトッププレイヤーの間にも差はあると思いますが、そこにステップアップするときはどうでしたか
もると選手「最初に壁に当たった後は、ひたすらランクマッチをプレイしていたのですがオンラインだとそれ以降壁を感じることがなかったんですよ。」
――どんどん強くなっていったのですね。
もると選手「それが大会やSFL(ストリートファイターリーグ)に出場してからは、久々に壁を感じました。出場している選手たちがめちゃくちゃ強いなと思いました。特に準備してきたウメハラさんには敵わないと思いましたね。ランクマッチでたまたま遭遇した時はまだ勝てる可能性あるなって思えますが、準備されたときは分厚い壁を感じました。」
――一般プレイヤーとトッププレイヤーはどのように違うのですか?
もると選手「準備してきたときの精度が違うんです。相手への対策に時間をしっかり割いて、そのレベルが高いんです。特にふ~どさんは人読みもすごいんですよ。時間がない中だと見て納得のいくレベルの対策ができないので、そこに差を感じますね。」
〇人生が変わった瞬間
――プロライセンスを獲得したり、SFL選手に抜擢されたりで、自身の中で何か変わったことはありますか?
もると選手「あまりポジティブなことではないですが、発言に気を付けようと思いました。注目してもらえているので、今までの感覚のままでいたら思わぬ方向に捉えられてしまうこともあるかもしれません。特に配信もしているので、より気を付けようと思いましたね。」
――SFLでウメハラ選手のチームである「Mildom Beast」に抜擢された時の気持ちを教えてください。
もると選手「最初は全く選ばれるとは思っていなかったので、『本気か?!』と思いました(笑)。自分が選ぶ立場だったとしてもダンは絶対に取らないからです。」
――もると選手の才能を見抜いたのかもしれません。
もると選手「それに勝つためだったら実績がある人たちから選ぶと思います。たとえば、ネモさんのチームはそういう実績のある人から選びそうだなって思っていました。ウメハラさんのチームはふ~どさんが同じような考えを持っている人なのでチームもそういう方向性だろうなと思ったのですが、どうやらウメハラさんの意見が通ったみたいで、選ばれたことはとても光栄なことです。」
――緊張したりしましたか?
もると選手「とにかく緊張しましたね。チームに入った後にディスコードで集まったのですが、メンバーがレジェンドすぎて最初は恐る恐る入りました。発言することですら緊張しましたね(笑)。」
――もると選手の実績を見ていると、ここ最近で一気に大注目されるようになったことが分かります。
もると選手「去年は激動の年でした。一気に人生が変わったって感じです。」
――ではプロライセンス取得後の周りからの反応はどうでしたか?
もると選手「特に最初は凄かったです。個人配信には大勢の人が見に来てくれました。最初は10人いけばいいくらいだったのですが、トライアウト大会で優勝した直後は500人、『Mildom Beast』に選ばれた直後は1000人を越えました。ウメハラさんの影響力は凄いんだなと思いましたね。」
〇もると選手は一般プレイヤーと変わらない?
――プレイ時のこだわりや美学があれば教えてください。
もると選手「SFLに出てから美学は変わりました。元々はパナシはせずにジリジリとした戦いをして勝ちたかったんです。でもSFLに出たり、ウメハラさんと話したりしてからは、パナシも別に悪いことじゃないという印象を持ちました。なので最近はブレつつありますが、ジリジリとした戦いにしたいと思いますね。」
――ウメハラ選手の意見を聞いて考え方が変わったのですね。ではプレイ以外でのこだわりはありますか?
もると選手「対戦前だとレバーをぐるぐると回すことはあります。あとはコンボの最中に余裕があるので、コンボ中に関係ないボタンを押してリズムをとることもしています。気分を上げるためにやっていますが、さすがに大会中とかはやらないですね(笑)。」
――では上達のために意識していることはありますか
もると選手「実はあまりないんです。数をこなして感覚が鈍らないようにはしています。決まった目標が見つかればやるかもしれないですが、今は大会前に対策をするくらいです。とにかくランクマッチをやっているだけなので、一般のプレイヤーとはほとんど変わらないと思いますよ。」
〇次はプロの舞台で
――もると選手が考えるプロゲーマー像を教えてください。
もると選手「イメージ的にはそのゲーム1本で生活が出来る人です。大会の賞金やスポンサーからのお金で生活している人がプロってイメージです。ウメハラさんとかはプロゲーマーの代表格ですね。」
――ではもると選手はどのようなプレイヤーを目指していきたいですか?
もると選手「優勝をして生活できるくらいまでになれればと思います。会社のこととかもあるので大きな声では言えませんが(笑)。」
――それでは最後にもると選手の目標を教えてください!
もると選手「『CAPCOM Pro Tour』で優勝したいです。せめてトップ8には行きたいですね。以前一度ウィナーズファイナルまで行ってももちさんに負けたりしているので、何としても行きたいです。」
――ありがとうございました!
もると選手のインタビューはいかがでしたでしょうか。オンライン対戦のみ実力を付けて頭角を現した新星プレイヤーの様々な一面を見ることが出来ましたね。練習方法や考え方、経歴などいい意味で一般プレイヤーらしいもると選手には共感するゲーマーの方も多いのではないでしょうか。昨年から大会に出場し始めたもると選手ですが、ウメハラ選手の所属するチームに抜擢されたり、大会で実績を残したりするなど今大注目のもると選手。彼のこれからの活躍から目が離せません!
ゲーマーゲーマーでは『還元型PROJECTのメンバー取材はもちろん、eスポーツで活躍する方たちをこれからも追いかけ続けます。次回もお楽しみに☆
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