eスポーツも学校生活も真面目に取り組む!飛龍高校 eスポーツ部

今回私たちは静岡県沼津市にある飛龍高等学校に取材を行いました。総合スポーツコース・未来クエストコース・フードクリエイターコースの3つからなる普通科と、自動車の整備技術などを学ぶ自動車工業科が存在する高校です。

そして飛龍高校の情報処理部の有志を募って2020年にはeスポーツ部が創部し、現在はAチームとEチームに分かれて活動しているそうです。また、部活にはある厳しいルールもあるそうで……。一体どんなチームなのか気になってきましたね。それでは早速お写真と共に取材内容をお届けします!(取材日2022.1.26)

◆部員紹介

写真前列左から…宮原悠くん(3年)、岩崎直斗くん(3年)
写真後列左から…竹田将由くん(1年)、伊藤龍之助くん(1年)、望月春菜さん(1年)※取材当時(2022年度)の学年で表記しています

部室の壁にある「勝ちに行く」という文字、顧問の先生のデザインだそうです。センスが良い…!

◆厳しいルールの裏には

――本日はよろしくお願いします!まずは皆さんが所属しているeスポーツ部の部員数を教えてください。
「3年生が2人と1年生が6人の、計8人で活動しています。部長は武田と伊藤の2人で、武田がロケットリーグ、伊藤がLoLのリーダーを務めています。」
――部長が2人ということもそうですが、2年生がいないとは珍しいですね。
「最初はもっと部員が多くいたのですが、勉強との両立が難しく断念してしまう人が多かったんです。また、このeスポーツ部には遅刻やテストで30点以下を取ってしまうと、Eチームに移ることになるという規則があります。」

――勉強とeスポーツの両立を図るために規則があるというのはいいことですね。ちなみにこの部活ではAチームとEチームに分かれているとのことですが、一体どんな違いがあるのでしょうか?
「Aチームは大会などに出場するチームで、EチームはEnjoyの頭文字をとって、楽しむことを目的としたチームとなっています。」
――つまり大会に参加するためには学校での活動もきちんとしなければならないのですね。
「もちろんEチームにいる学生でもテストでいい点を取るなどの改善が見られたらAチームに復帰することは出来ますよ。」
――ちなみにテストの対策は何か部活としては行っていますか?
「テスト前にはテスト前メニューというものを行います。この期間はゲームは1時間のみで、残りの時間はみんなでテスト勉強をする時間となっています。」
――こういった規則のおかげで皆さんはきちんとeスポーツに取り組んでいるのですね!

◆先生が指導?!

――現在皆さんはどのゲームをメインで練習されているのですか?
「LoLを中心にプレイしています。」
「僕はロケットリーグがメインです。」
「私はLoLとロケットリーグ両方です。1年生はLoLを中心に練習しています。」
――では『全国高校eスポーツ選手権』での大会出場を目指しているのですね。
「両方のゲームで大会に出ることを目指しています!」
――それではロケットリーグのことを少し教えてください。ロケットリーグは入学前からプレイされていたのでしょうか?
「全くプレイしたことがなかったです。ですが、今はチャンピオンⅠにまで到達しました。今はさらに上のグランドチャンピオンを目指しています。」
――他の部員の方はどのランク帯まで到達しているのでしょうか?
「チャンピオン帯、ダイヤモンド帯、プラチナ帯が多いですね。」

――皆さん結構やり込んでいますね!ちなみに普段チームメンバーとランクマッチで練習をしているとのことですが、部活の活動時間外でも練習することはあるのでしょうか?
「家でもみんなで練習することもあります。」
――皆さんすごいやる気がありますね!あと取材前のアンケートでは伊藤くんの特技欄にロケットリーグのエアドリブルが得意との回答を頂いたのですが(笑)。
「普段練習している時はエアドリブルをしている時が一番楽しいんです。また、他の技と組み合わせることが出来るほか、カッコイイ技でもあるので重点的に練習しています。」
――楽しく練習が出来るのはいいことですね!あと部内ではゲームのリプレイを見てフィードバックを行うとのことですが、フィードバックで心掛けていることはありますか?
「以前間違えてしまったところ、試合中に出来なかったところを中心に確認するよう心掛けています。」
――フィードバック時には監督やコーチに指導してもらうことはあるのでしょうか?
「僕たちの担任である小野先生と斎藤先生が見てくれています。技術面は斎藤先生やたまに外部コーチに見てもらうこともあるのですが、基本は先生方が指導をしてくれます。」

――先生が指導してくれるとは珍しいですね!

小野・齊藤先生「私たちは元々ゲーム未経験者だったのですが、eスポーツ部を立ち上げるということでプレイを始めました。」

――先生たちも熱心ですね!

池田先生「教員が先頭に立って指導することはあまりないと思うので、そこは私たちの部活の強みかなと思います。」

――学生さんも先生もみんなで練習しているのですね!

◆ゲームプレイだけじゃない!

――部活では地域のイベントに参加することもあるとお聞きしたのですが、具体的にはどのような形で参加しているのでしょうか?
「沼津市の青年会議所から招待を受け、ロケットリーグのブースを担当しました。」
――どんな活動をしているのですか?
「ロケットリーグを様々な人にプレイしてもらい、eスポーツの魅力を広げています。」
――それは良い活動ですね!
「他には地元のラジオ局から招待を受けたり、取材を受けたこともありますよ。」

――ラジオではどういったことを行ったのですか?
「生放送で活動内容について話したり、部室で活動の様子を録音してもらったりしました。」
―ラジオ番組に出演するとは滅多にない良い経験でしたね。あと校内では皆さんがスマブラの大会を主催したとお聞きしました。
「そのイベントでは私が実況を担当しました。私自身はスマブラをプレイしたことがなく、何とか声を張り上げて場を盛り上げました(笑)。でも終わったあとは大盛況だったのでとても楽しかったです。」
「僕はステージ裏で選手にコントローラーを渡したり、回収したりという地味な役割を担っていました。特に進行に合わせてコントローラーを渡すタイミングを見計らわなければいけないのでとても大変でした(笑)。」
――ゲームイベントの主催・運営も行っているとは凄いです!

◆仲間・ゲームと共に成長

――eスポーツ活動を通して楽しかったこと・嬉しかったことはありますか?
「チームメイトとの関わりが増えたことや、コミュニケーション能力が上がったことはとても嬉しかったです。」
「「大人数でゲームが出来たことや、家でもみんなと繋がって遊べることはとても楽しいです。」
「中学校ではゲーム仲間が少なかったのですが、高校に入ってからはゲーム好きな仲間がたくさん増えました。さらに大会で勝つという同じ目標に進み、それを達成することはすごく楽しいです。」
「部活に入ってからは新しいゲームにたくさん触れ、どんどん強くなっている実感があって楽しいです。」
「ゲームでフィードバックをしていきながら、自分の成長を感じられることが楽しいです。」
――友達とゲームを通じて成長できるのはeスポーツ部ならではの魅力ですよね。

◆みんなの夢は?

――それでは最後に皆さんの将来の目標を教えてください!
「周りの人の役に立ち、評価される人間になりたいです。」
「僕は介護の資格を取り、介護職で本格的に働きたいと考えています。あとは結婚して子どもが欲しいですね。」
「高校を卒業したらアメリカへ行って英語を学びたいです。」
「スバルに入社して車を自分で作りたいです。」
「動画編集者を目指すために、大学へ進学して学んでいこうと思います。」
――皆さん本日はありがとうございました!

 


以上、飛龍高校 eスポーツ部の取材をお届けしました!ゲームを熱心に取り組む姿勢はもちろん、イベントの参加・運営にも携わるなど、数々の方法でeスポーツ活動を行っている姿は素晴らしいなと感じました。またテスト前メニューや遅刻・テストに関する規則など、学校生活を疎かにしないという思いは全国のeスポーツ部の中でもお手本のようでしたね。
この取材後、3年生は卒業し新たなメンバー構成で練習を積み重ねてきたeスポーツ部の皆さん。6月に行われた高校生大会【Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2022】予選では、 「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」部門で東海ブロックベスト4まで勝ち進みました。さらなる飛躍がとても楽しみですね!

関連記事一覧