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バーチャファイター界に現れた新進気鋭の高校生!学生サラ【危険】選手を取材!

1993年、世界初の3D格闘ゲームとして発売され盛り上がりを見せた『バーチャファイター』。

その最新作となる『バーチャファイターesports』が2021年6月にPlayStation 4とアーケードでリリース、そして公式大会である『VIRTUA FIGHTER esports CHALLENGE CUP SEASON 0 FINAL』(以下、チャレンジカップ)が2021年10月10日にU19部門とFREE部門の2部門で開催されました。

今回はそのU19部門で優勝した高校生「学生サラ【危険】」選手を取材しました!高校生ながら長いバーチャファイターのプレイ歴を持つ学生サラ選手に、バーチャファイターを始めたきっかけや【危険】の意味など、様々なお話を伺いました!

〇『バーチャファイターeスポーツ』とは

 

『バーチャファイターeスポーツ』とは1993年に世界初の3D格闘ゲームとしてリリースされた「バーチャファイター」シリーズの最新作。2010年リリースの『バーチャファイター5ファイナルショーダウン』以来の最新作ということで話題になった。

〇スポーツも、eスポーツも!

――本日はよろしくお願いいたします!まずはゲームのお話の前に、学生サラ【危険】選手(以下、学生サラ選手)ご自身について教えてください。学生サラ選手は現在高校生ということですが、高校では部活動に参加しているんですか?

学生サラ選手「バドミントン部に所属しています。昔から運動系の部活に所属しているんですが、水泳を10年間やっていた経験もあります。」

――部活動とeスポーツの活動を両立されているんですね。それではゲームは1日にどれくらい練習されているんですか?

学生サラ選手「トレーニングモードに1時間こもって、そのあとランクマッチも1時間くらいプレイするので、大体2時間ほどですね。」

――全国大会を優勝しているので、もっと長時間の練習をしているのかと想像していました!どのような練習をしているのでしょうか?

学生サラ選手「トレーニングモードはCPUを相手にコンボや技の感覚や性質を忘れないように細かい練習をしています。たまにですが、YouTubeで色々な人が配信していらっしゃるので、そこに参加していますね。」

〇お父さんとの対戦も。強いのはどっち?

――高校生でバーチャファイターのプレイヤーというのは珍しいと思います。学生サラ選手がバーチャファイターを始めたきっかけはなんですか?

学生サラ選手「お父さんがきっかけですね。幼稚園くらいにお父さんがバーチャファイターをプレイしているのを見て、やってみたいと思ったからです。」


ゲームセンターでバーチャファイターをプレイする学生サラ選手【危険】とお父さん。

――お父さん をきっかけに始めたんですね!それではお父さんと対戦を一緒にやったり、練習や話し合いをしたりといった交流は多いんですか?

学生サラ選手「週に2回ほど一緒にプレイしています。」

――一緒にプレイしていて熱くなってしまうことはありますか?

学生サラ選手「一応僕の方が上手いんですが、たまに煽り合いなどはしますね(笑)。そこまで熱くはなりませんが楽しくプレイしています。」

――今でも仲良く親子でプレイしていらっしゃるんですね!それでは幼稚園の時から今までずっと格ゲーをプレイしているんですか?

学生サラ選手「実は格闘ゲームを中心にやっていたわけじゃないんですよね。今回のバーチャファイター eスポーツが出て、数か月ではありますが力を入れてプレイしています。」

――わずか数か月のやり込みで優勝したんですね!ちなみに学生サラ選手の世代だとアーケードで格ゲーをプレイしている人って珍しいのでしょうか?

学生サラ選手「本当に0人といってもいいくらいですね(笑)。」

〇【危険】はあるプレイヤーへのリスペクト

――「学生サラ【危険】」の【危険】にはどういった由来があるんですか?

学生サラ選手「他に学生なんてなかなかいないだろうということで『学生』、サラを使っていたので『サラ』をつけました。【危険】というのは以前ホームステイアキラさんが、『灘琉豪【危険】』とつけていらっしゃったので、それをリスペクトしてつけています。」

――【危険】には強豪プレイヤーへのリスペクトがあったんですね。それでは今Twitterのアカウント名に【ふるしょう】と入っていますが、こちらはどういった由来なのでしょうか?

学生サラ選手「こちらは本名から取っています。友達からも『ふるしょう』というあだ名で呼ばれていて、そのまま使っている感じですね。」

――ちなみにリスペクトしているというホームステイアキラさんと会ったことや対戦したことはありますか?

学生サラ選手「お会いしたことはないんですが、前作のランクマッチでは対戦相手を選べる仕様だったので、ひたすらリストを更新してホームステイアキラさんが出たら対戦する、ということはやりましたね。対戦してもボコボコにされるんですけど(笑)。」

〇モチベーションを保つ秘訣は段位を気にしないこと

学生サラ【危険】選手のご自宅には大会トロフィーやグッズが!d

――学生サラ選手は先日行われたチャレンジカップのU19部門で優勝されましたが、これまで大会に出場した経験はありますか?

学生サラ選手「チャレンジカップにはU19部門だけでなくFREE部門があって、そちらにも参加しました。あとは沖縄県で行われたキタナカグスクeスポーツ選手権のバーチャファイターU19部門で準優勝したことがあります。」

――他の大会でも結果を残しているんですね!チャレンジカップで優勝してから周りの友達から何か反応はありましたか?

学生サラ選手「身近な人には言いましたが、 大きくは言っていないので反応はあまりなかったですね。ただ伝えた人からは『おめでとう!』という言葉をもらいました。」

――同級生で学生サラ選手が「学生サラ」であることを知っている人はどれくらいいるんですか?

学生サラ選手「知っているのは4人だけですね。その4人は公式の配信も見てくれて、終わった後にLINEを送ってくれました。」

――あまり周りには言っていないんですね。大々的に言わないのは理由があるんですか?

学生サラ選手「バーチャファイターがあまり知られていないからですね。バーチャファイターeスポーツが配信された当初はフリープレイだったので周りの人には勧めて、今でもたまに一緒に遊ぶことはあるんですけど……。」

――学生サラ選手は格ゲーのどんなところに魅力を感じていますか?

学生サラ選手「格ゲーって練習しないと勝てないんですよね。1対1なので自分がトレーニングをして経験を積まないと強くなれないんです。そういう時にちゃんと練習して以前勝てなかった相手に勝てるようになると本当に嬉しいですね。」

――ストイックに練習して、強くなっていくゲームなんですね。ただそうなるとモチベーションが大切だと思うんですが、学生サラ選手はどういう風に保っているんですか?

学生サラ選手「周りを見ると段位(ランク) を気にしすぎて落ちちゃってやめるという人が多いんですよね。ただ段位は結局自分が強くなれば勝手に上がっていくので、段位を気にせず自分で『今日はこのコンボを決める』みたいな目標を立てるようにしています。」

――段位を気にしないで、自分で目標を持つことが大切なんですね。

〇大会を通して同世代との交流も

――格ゲーはプレイヤーの年齢層が高く、学生サラ選手は対戦相手が年上のことが多いと思うんですが、同世代のバーチャファイター仲間みたいな人はいますか?

学生サラ選手「U19部門に出場した人が集まるDiscordがあるんですよ。7人ほどではありますがそこで楽しく交流しています。」

――U19部門出場者で交流しているんですね。学生サラ選手は若い世代の格闘ゲーマーが増えるにはどういうことが必要だと思いますか?

学生サラ選手「バーチャファイターを始めるには敷居が高いんですが、強い人が練習方法などを共有できたらいいのかなと思います。あとはU19の大会を見てもらって、自分でもできるんじゃないかと思ってもらえるといいですね。自分はYouTubeをやっているのですが、それも若い人たちに見てもらいたくて始めました。」

――初心者への知識の共有などが必要ということですね。ちなみにYouTubeにアップロードする動画を作る上で意識していることはありますか?

学生サラ選手「一応学生なので、高校生がやっていることをアピールするために声を出したり、サムネイルは明るめのものを作ったりしています。」

――学生サラ選手の動画からバーチャファイターが若い世代にも広まっていくといいですね!YouTubeチャンネルではどのようなことをやっているのでしょうか?

学生サラ選手「低い段位の人って大会に慣れていないんですよね。そういう人向けに大会の開催をしています。最近それを見て協賛してくださる方がいて、本格的な大会に近づいています。」

〇世代を超えてより一層盛り上がるバーチャファイター

――学生サラ選手が一番尊敬しているプレイヤーはホームステイアキラさんなんですか?

学生サラ選手「ずっと尊敬しているのはホームステイアキラさんです。他にも何人かいるんですが、そのうちの1人はサラ使いのジュリエッタ紗羅さんというプレイヤーですね。大会前にマンツーマンで教えていただいて、すごく感謝しています。」

――何人かいるとのことですが、他にも尊敬している方はいますか?

学生サラ選手「実は小学校後半から中学校の途中までバーチャファイターをやっていなかったんですよ。中3の頃にホームステイアキラさんの配信を初めて見て、久しぶりにやってみようとアーケードをプレイするためにゲーセンに行ったんです。そこで会ったムックさんというプレイヤーにも色々教えていただきました。今挙げた3人の方を尊敬していますね。」

――学生サラ選手は岐阜県にお住まいですよね。岐阜県は1990年代には「岐阜コンボ」というものが生まれるなど、バーチャファイターが盛り上がっている地域でしたが、今はどうなんですか?

学生サラ選手「結構バーチャファイターeスポーツで復帰した方が多くて、ムックさんがTwitterで『復帰した人を集めてアーケードやろうよ』と言ってくださったので、また盛り上がるんじゃないかなと思っています。」

〇学生サラ選手が考えるアケコンを使うメリットとは?

――学生サラ選手はアケコン(アーケードコントローラー)でプレイしていると思うのですが、パッドに比べて使いやすいですか?

学生サラ選手「以前はパッドでプレイしていましたが、バーチャファイターeスポーツが出るなら本格的にやるためにアケコンを購入しました。やっぱりアーケードでプレイしていたこともあって使いやすいですね。」

――チャレンジカップ決勝戦の対戦相手はパッドでプレイされていたと思うのですが、若い世代だとパッドでプレイしている人が多いんでしょうか?

学生サラ選手「そうですね。決勝の相手や他の方もパッドを使っていらっしゃって、やっぱりeスポーツになってパッドで強い人は増えていくんじゃないかなと思います。」

――以前Twitterでお父さんからアケコンをプレゼントしてもらったとツイートしていましたよね。どういったものか教えてもらえますか?

学生サラ選手「Obsidianですね。バーチャファイターをプレイしている人は皆『Obsidianが一番いい』って言いますね。」

――最近はパッドでも格ゲーで戦えることは証明されつつありますよね。その中で学生サラ選手が考えるアケコンを使う利点は何かありますか?

学生サラ選手「バーチャファイターは使うボタンが3つだけなんですよ。なので指を3本とレバーを動かす手だけで操作ができるんですね。一方パッドでは恐らくレバーの代わりに十字キーを使うことになると思うので、操作性はアケコンの方が勝ると思います。」

――それを聞くとアケコンの方が操作しやすそうですね。格ゲーは反射神経が大切な要素だと思いますが、学生サラ選手はその面で他のプレイヤーより若く有利だと感じることはありますか?

学生サラ選手「捜下崩捶(そうかほうすい)という技をアキラが使うんですね。上段から下段にパンチを出してくる技なんですが、それを見てからガードすることができます。上手い人は当たり前のようにガードするんですが、反射神経で言えばそういったことができますね。」

〇若い世代をけん引する!

――格ゲーにおけるこだわりや美学はありますか?

学生サラ選手「対戦相手からすると、サラっていうキャラクターは対策しないと勝つのが難しいんですよね。逆にサラはそういう相手が理解していない所を突っついていく厄介なキャラクターで、自分も元々嫌いだったから使っているんです(笑)。ジュリエッタ紗羅さんが『ハメサラ』とよく言うんですが、そういうハメで華麗に倒せたらめちゃくちゃいいですね。」

――今後も大会に出場すると思うのですが、学生サラ選手はプロを目指しているのでしょうか?

学生サラ選手「自分自身そこまでは目標にしていなくて、楽しくできればいいなと思っているんです。ただ以前他のところで取材を受けたときは、プロになった方がいいよ!と言われました(笑)。」

――周りからの期待は大きいですね(笑)。それでは今後の大会で目標はありますか?

学生サラ選手「SEASON 0 [2nd]がチャレンジカップ後 に発表されたんです。さらに来年3月以降にはSEASON 1になって、YOUNG AGE部門 を行うことが発表されました。そうなると自分よりも上の年代から強い相手が出てくるので、そこでもう一度優勝したいですね。」

―― それでは、最後に目指しているゲーマー像を教えてください!

学生サラ選手「バーチャファイターは年齢層が高いので、その中で自分が若い年齢層を取り込めるようになっていければいいなと思います!」

ということで、学生サラ【危険】選手の取材はいかがでしたでしょうか。バーチャファイターはこれからも公式大会が行われるというアナウンスもありましたので、大人と同じ舞台で活躍する姿が見られるかもしれませんね。今後も若い世代をけん引してシーンを盛り上げていく学生サラ【危険】選手の活躍に注目です!

今後もゲーマーゲーマーはプロゲーマーの方々やeスポーツプレイヤーなど、様々なゲーマーを取材していきます!次回もお楽しみに!

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