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【第7回】17歳でプロeスポーツチームの代表になった僕は人生の軌跡に何を思うのか。「僕が“黒まめ”になったわけ~eスポーツイベント編 其の1~」《全16回》

◆ 永田 大和
宮崎県を拠点に活動するマルチプロゲーミングチーム「Fiveness Esports」の代表。”黒まめ”の愛称で親しまれ、高校3年生だった2020年1月にはレインボーシックスシージのトーナメント大会「Fiveness JapanCUP」を主催し成功を収めた。”現役男子高校生が1人で、400人以上が出場したeスポーツの大会を開いた話。”などnoteでも自身の体験を発信し注目を集めている。

皆さんこんにちは、黒まめこと永田大和です!

さて、長い学生時代の話が終わり、とうとうeスポーツ系の話題がガッツリ出てきます!

先ずは、そう、初めてのイベント開催についてお話ししましょう。

なんの知識もない僕が、多くの人に支えられたが故に成功させられた、私のオリジンです。

1.出会い

さて、私が選手を引退し、副代表になったのと、ほぼ同時期に、宮崎にとある組織が誕生しました。

それが、宮崎県eスポーツ協会。eスポーツイベント編 其の1

きょうび、Fiveness Esportsのスポンサーをしてくれている組織です、今でこそ、日本eスポーツ連合、所謂JeSUの公認組織でしたが、当時はそもそも〇〇県eスポーツ協会というものの存在自体が珍しく、ただの任意団体でした。

たまたまTwitterのTLに流れてきた発足ツイートを見て、すぐにメッセージを送りました。

宮崎県在住であること、既にスポンサーが一社ついているプロeスポーツチームの副代表であること、高校生だから時間がたくさんあること、しかし、ビジネスやeスポーツに関する知識がほとんどないこと。

そして、eスポーツを発展させていく上で、仲間が欲しいこと。

宮崎県eスポーツ協会の発足人、佐藤さんは、快い返事で、私と会ってくれることになりました。

そこから、私の思想をぶつけ、それに伴う現実的なビジョンを教えていただきました。

私は、生まれて初めて、ゲーム、eスポーツに真剣に取り組む大人の姿を見て、興奮していたのを覚えています。

初回の出会いでは、お互いの自己紹介や、eスポーツ発展における課題等を話しあっただけでしたが、きっとお互いにどこか感じていたんだと思います。

ここだ!この繋がりだ!

この出会いを蔑ろにしてしまったら、宮崎でのeスポーツ発展は遅れてしまう!

と。

そうやって、私と佐藤さん、二人が出会い、共に当事者意識を強く持ったことで、様々なお話が進み、様々なことが可能になりました。

まぁ、そういったお話はまたいずれ…

冒頭でも言ったように、今回は、そんな佐藤さんらと初めて企画、運営したイベントについてお話ししていきます。

2.転がりこむチャンス

さて、eスポーツの発展に従事してきて、分かったことがあります。

それは、チャンスは案外転がっているし、時には転がり込んでくるということ。

そのチャンスをいなすのか、受け止めるのか、それは当事者次第だということ。

私は、自分が認識し、掴みうるチャンスは全て掴んできたつもりです。

その一つが、初めて僕が実施したeスポーツイベント、Fiveness ファンコミュニティ in アプライド宮崎店。です!

ことの発端は、佐藤さんから聞かされた一言でした。

曰く、宮崎県内のPCショップがeスポーツ系のイベントをやりたがっているとのこと、内容やらなんやらはお任せするので、Fivenessでやってみないか。

というお話しでした、迷うことなく私は、二つ返事したのを覚えています。

チャンスだと感じたんです、チームは発足したてで、実力はあっても知名度はまだまだ。

また、年齢制限で出ることのできる大会も限られている。

そんな中、効率よく、チームの知名度を上げるにはどうするべきか。

単純な話です、実力以外で知名度を獲得すればいい。

それはつまり、イベントをたくさんするとか、YouTubeを頑張るとか。そういうことでした、私はそう考えていたんです。

県内の、数十人を想定したお世辞にも大きいとは言えないイベント、それでも、私にはとても大きく、有意義で、やりがいのある大仕事だと感じたんです。

私は必死でした、観客が楽しめる内容は?

時間の配分は?

PR方法は?

誰をどこにどう動員する?

宮崎でのFPSタイトルを起用したeスポーツイベント、前例がなさすぎて、人が来るのかすら分からない状態でした。

今まで調べてきた中で、eスポーツイベントと銘打って、閑古鳥が泣きまくってる会場をいくつも知っていましたから、その様子が、自分の開催するイベントと重なることが何度もありました。

しかし、私は考えていました。当時はそれが正しいのかわかりませんでしたが、今ははっきりとわかります。

やることに意味がある。

失敗しようが成功しようが、どっちでもいい、今動いている、考えている、この経験が、きっと役に立つ。

失敗してもいい、観客が0人でもいい。

ただ全力でやり切る。

もしかしたら言い訳だったのかもしれません、恐怖や不安を少しでも和らげるためのものだったのかもしれません、しかし、私は、当時の私は間違っていなかったと、胸を張って言えます。

3.本番

さて、イベントも本番がきました。

今思い返せば、あまりにも知識が無さすぎて、杜撰な企画、運営だったと思いますが、ラッキーパンチとでも言うんでしょうか、特に問題もなく、成功させることができました。

観客も30人くらい来てくださって、私は確かにあの瞬間、eスポーツの可能性を垣間見た気がするのです。

新聞社も来ていました。

取材なんてしばらく無かったので、緊張しましたが、自分たちの行いがメディアに取り上げられるということに、ある種の興奮、達成感を感じていました。

中学時代は落ちこぼれで、学校に行くのもままならず、高校に上がってからも普通で、プロになるものの直ぐに選手生命は終わり。

そんな僕でも、何かを為せる、伝えることができる。何かに貢献できる。

それが堪らなく嬉しかった。

eスポーツは、そういう可能性を秘めているものだと、知識がないからこそ、私はさらにこの世界の魅力に取り込まれたのです。

4.また…

私は完全に調子に乗っていました。

イベントを一回するだけで、予想以上の反響が得られたこと、初めてで大成功を納めてしまったこと。

諸々が拍車を掛けたのでしょう、学校でも色々やっているというのに、私は更にeスポーツで案件を抱えることになってしまいます。

次回は、夏。

再びファンコミュニティを開くことになります。(第7/16 完)

▶︎ note:黒まめ / FVS代表
▶︎ Twitter:永田 大和 / FVS代表
▶︎ HP:Fiveness Esports

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