“ゲームと共にある人生”格ゲープロ 伝説のオタク選手【後編】

いよいよ12/15(水)20:00より開催!定員に限りがございますので参加申し込みはお早めに!
参加申し込みサイト(こくちーずプロ):https://www.kokuchpro.com/event/chuutate02/

格ゲープレイ時とのギャップが魅力的な伝説のオタク選手。前編では格ゲーのお話以外に、ファッション、ライター時代についてもお話をお伺いしました。後編では格ゲーの魅力、交友関係、そしてちょっと踏み込んで「格ゲー衰退論」にまつわるお話など多岐に渡り伝説のオタク選手の思いをお聞きしました。それではお写真と共にお楽しください。

〇そこにいられるだけで幸せだった、ゲームセンター店員時代

――伝説のオタク選手は以前ゲームセンターに勤めていたとお聞きしました。ゲームセンターで働いていて楽しかったことはありますか?

伝説のオタク「楽しかったことは、その空間にいられることすべてですね。ゲームセンターって自分にとって家と同じような次元にあるものなんですよね。だからそこに行くだけで最高に幸せですし、お客様や友人と話したり対戦したり、レバーを直している瞬間もすべてが完全な幸せでしかないです。それらの時間はかけがえのない、これが自分の人生の居場所、みたいな。」

――逆に苦労したことなどはありますか?

伝説のオタク「しいて言えばたまに来るクレーム対応とかですかね。あと大変だったことですが、大会の管理ですね。公式レベルの大会を自分がまとめていたんですが、人が多く集まるとトラブルが100%起こるので、その日は特に大変でした。ただ1つだけ自慢するなら1回もミスすることなくこなしたことですね。ゲーマー視点で、大会がどうあるべきか、どういうトラブルが起こるかが分かっていたので、事前にスタッフに指示をしていました。」

――プレイヤーであることが仕事にも役に立ったんですね!一見華やかな世界に見えますが、裏側の苦労があってこそのものなんですね。

伝説のオタク「やっぱり仕事ですから大変なことはあります。ゲームが好きなら楽しいのは間違いないです。ただ、ゲームセンターの方針にもよりますが、業務中はゲームをプレイできないことが辛いと感じる人もいるかもしれませんね。」

〇幅広い交友関係の秘密

――伝説のオタク選手のTwitterを拝見していると、格ゲーだけにとどまらない幅広い交友関係をお持ちですよね。どういったきっかけで知り合うことが多いんですか?

伝説のオタク「基本的にはゲームセンターで知り合った友人が多いです。ゲームセンターにはみんなゲームが目的で集まりますが、それぞれにゲーマー以外の顔があります。対戦の休憩に食事に行く機会があり、そこで初めてゲーム以外のことを話したりして、より仲良くなったりするケースが多いです。」

――自分から積極的に話しかけていたのでしょうか?

伝説のオタク「自分から話しかけるということはほとんどないですね。大体は大会などで対戦を見ながら話し合ったり、大会後に声を掛けられたりが多かったです。だから、気づいたら増えていたというか……。」

――大会というと上級者のものという印象で尻込みする人も多いと思いますが、いい出会いのきっかけやコミュニケーションのきっかけになりますよね。

伝説のオタク「大会後に話して仲良くなる、みたいなこともたくさんありましたね。あとはライター時代に関わった人が漫画家さんであったこともありましたし、最近だとSNS関連で仲良くなった人もいますね。やっぱり格ゲー好きの仲間ですから、1つ1つのご縁は大事にしたいですね。」

――格ゲーは1対1のゲームですが、試合のことを話したり対策を話し合ったりとコミュニケーションが大切なゲームという印象を受けます。

伝説のオタク「もちろん1人でやってもいいんですけど、対戦相手がいなかったら寂しいですし、人がいてなんぼなんですよね。コミュニケーションを取ったらそれだけで楽しいでしょうし、お互いを高め合うこともできるので大事だなと思います。」

――個人戦ですが、格ゲーを通して交流が広がることは少なくないですよね。

伝説のオタク「そうですね。ただ僕の世代ではそれがゲームセンターでしたが、今ならSNSがあります。より楽しむならコミュニケーションをとった方が得することが多いと思います。ぶっちゃけ取り得です!」

――やっぱり強い人は交友関係が広かったり、積極的に話したりする人が多いイメージで、格ゲーができる人は自分を律することができるなと感じます。

伝説のオタク「大会で結果を残したり優勝経験があったりする人は、そこに至るまでの努力を量を知っており、惜しまず真剣に取り組める人が多いですね。格ゲーにそれだけ打ち込める人は他のことでも同様にできると思ってます。」

〇実は天然?「シーチキンは鶏肉」

伝説のオタク選手Twitter(@den_ta9)より。

――伝説のオタク選手のTwitterでは、時々驚くような勘違いを告白するツイートが見られます。特にシーチキンを鶏肉だと思っていたというツイートが印象的ですが、なぜこのような勘違いが起きたのでしょうか?

伝説のオタク「逆に聞きたいんですけど、なんでシーチキンをマグロだと思うんでしょうか今は答えを知っているからマグロと言えますけど、海のチキンですよ?そんなのカモメしかいなくないですか?だから100%鶏肉だって思っていましたね。」

――ちなみにおにぎりのシーチキンマヨネーズとツナマヨネーズは違うものとして認識していたのでしょうか?(※)

伝説のオタク「正体を知らずに食べていたのでどちらもなんか美味しい肉だなって感じていただけです。そもそもマグロだったらシーフィッシュとかにしてほしいですよね。」

※ちなみに「シーチキン」は、はごろもフーズ株式会社が製造販売している缶詰の商品名で、「ツナ」はマグロ類を油漬け加工した食品を指します。英語の「tuna」は「マグロ」という意味ですね。

――この話のように周りの人から勘違いを指摘されることはありますか?

伝説のオタク「よく言われますけど、自分の中で常識だったので変なことじゃないし、『ふーん』と思う程度で気にしたことはないですね。例えばですけど人間ってどこかで勘違いしたまま過ごすことってあるじゃないですか。自分にとってはそれの1つにすぎないというか、たまたま知らなかっただけで恥ずべきことではないかなと思っています。」

――「雰囲気(ふんいき)」を「ふいんき」と間違えるような感じですね。

伝説のオタク「そんな感じです。小学生の頃に『ピラルク』という魚を、ピルクルと間違えたのか『ピラクル』と呼んでいましたね。そういう勘違いと変わらないと思うんですよね。」

2020年にも同様の勘違いを再発していらっしゃいます……!

――見間違えてそのまま覚えてしまっていることって誰にでもありますよね。

伝説のオタク「その通りです。たとえ勘違いしていても格ゲーの強さには関係ないですし、機会があれば調べますがそうでなければそのまま自分の中では完結していたので、シーチキンは鶏肉でしたね。」

――格ゲーをプレイしているときとのギャップに驚く人も多そうです。

伝説のオタク「自分にとっては普通なんですけどね。僕が36歳の時に指摘されて知ったんですけど、イルカは魚じゃないみたいですし(笑)。」

〇集団競技とも、将棋やオセロとも違う格ゲーの魅力

――伝説のオタク選手が考える格ゲーの魅力はなんですか?

伝説のオタク「自分の考える格ゲーの魅力は1対1の自己責任競技であることだと思っています。集団競技と違って完全なる1対1であることが気に入っています。誰かに干渉されることなく人間2人が並んでどっちが強いか白黒つけようぜ、と。これ自体は厳しいことなのかもしれませんが、自分は好きなんですよね。」

――1対1で卓上で行うという点だけで見れば将棋やオセロなども同様ですよね。それらとは違う魅力はなんですか?

伝説のオタク「将棋やオセロと違って、格ゲーはキャラクターを選ぶことができるんですよね。それによって自分のプレイスタイルや色などの個性を出しやすいのかなと思います。そういう自分をアピールしやすい点も魅力だと考えています。あとは純粋に操作自由度の広さというか、他のアクションゲームと違って技が何十種類もあったり、細かい仕様があったりという点も魅力だと思いますね。」

伝説のオタク「対戦で取り交わされる情報もはてしなく多いですし、対人戦ではそれがぶつかり合って、起こりうる事象が無限大じゃないですか。だから終わりがなくて、一生楽しめると思います。世界最強になっても続けているとさえ思いますし。RPGとかはいつか終わりが来てしまうんですけど、格ゲーには終わりがないことも魅力なのかなと。」

〇誰も使わないからこそ……「あえて」の道を進む

――自分のプレイスタイルや個性というお話が出ましたが、伝説のオタク選手は格ゲーにおける美学はありますか?

伝説のオタク「強キャラとか流行りの戦術とかはいつでもありますが、自分はあえて誰も使わないキャラを掘り起こすのが好きですね。『誰もこんな勝ち方知らないだろう』というキャラを大会で見せたいと思っています。弱いキャラを選ぶのとは違うんですが、珍しいキャラを使って大会を盛り上げたいというこだわりはあります。」

――『サムライスピリッツ』でアースクェイクを選んでいるのもそういう理由からですか?

伝説のオタク「それもありましたね。あのキャラを選んだ時、他の人からは絶対やめとけと言われましたし、自分自身も『このキャラで勝てる人間なんかいるわけないだろう』と思っていました。でも誰も使わなくても極めたら強いんじゃないかと考えたらそれがモチベーションになったり『大スクリーンで強キャラに勝ったらかっこいいんじゃない?』とこっそり思ったり……。」

――やはり勝てるようになるのに相当時間を費やしましたか?

伝説のオタク「もちろん死ぬほど苦労はしましたけど、初めて優勝できた時は目立てたんじゃないかと。結構気持ちよかったです。大会の上位はプロもいて強キャラばかりで、ベスト8の内6人が同じキャラみたいな。そんな中で変わったキャラがいたら必然的に目立つと思うんですよね。そういうキャラで会場を沸かせられたらどれだけいいことだろうと。プロは魅せてなんぼだと思っているので。」

――確かに大会であまり見かけないようなキャラクターを見つけたら注目しちゃいますね。

伝説のオタク「そもそもプレイヤーである以上このキャラならこの人!という存在に憧れませんか?誰しも一度は目指すんですよ。」

伝説のオタク「『逆に憧れない人間がいたら出てこい!』って思っちゃいますね(笑)。今もそういう存在になることを夢見るし、自分は追いたいですね。ただし、夢を見るだけで負けたら無意味だと思っています。夢を追った上で勝って満足というか、正直勝たなければ見てもらえないと思っているので、こだわりだけもって1回戦で負けてしまうのはやってはいけないと考えています。」

――キャラを言い訳にして上位を目指さない、優勝を目指さないというのは違うということですね。

伝説のオタク「絶対に違います。そんな言い訳するくらいならキャラに謝った方がいいです。」

――決して強いとは言えないキャラを使っていて辛いと思ったことはないですか?

伝説のオタク「ありますよ。ただそれは表に出さずにマネージャーにポエムにして送っています(笑)。それに軽く反応をもらうだけですが。」

〇「これからのことだけ考えていけばいい」格ゲー衰退論へ思うこと

――格ゲープレイヤーの間では不定期にSNSで「格ゲー衰退論」が話題になります。新作がコンスタントに発売されることやプロ選手の増加によって盛り上がっていると感じる人も一方、プレイヤーの減少により衰退していると感じる人もいてなかなか決着がつかない議論です。伝説のオタク選手はこの「格ゲー衰退論」に関してはどうお考えですか?

伝説のオタク「もし目の前の人が格ゲー終わったよなと話していたら、『へぇーそうなんだ。でも俺は好きだけど』っていう感じですね。確かに昔と比べると人口は減っているのかもしれませんが、今でも好きな人はいますし、今あるものを布教して魅力を伝えていければ別に問題はないのかなと思っています。これからのことだけ考えておけばいいんじゃないかと思います。」

――プレイヤー人口を拡大するために必要なことは何だと思いますか?

伝説のオタク「インフルエンサーの存在じゃないですかね。ウメハラさんのようなすごい存在がもっと増えれば一般層に浸透していくんじゃないかなというイメージだけはあります。あと今の若い人はスマホからゲームに入る人が多いと思うんですスマホゲームって基本料金無料が多いじゃないですか。それなので基本料金無料にするとか、いっそのことスマホでできるようにするとかできればもっと広がるんじゃないかなと思います。」

――同じPGWに所属する神園選手に以前取材したときも基本無料というのは1つの糸口になるのではないかと仰っていました。

伝説のオタク「やっぱり若い人の爆発力ってすごいし、基本無料の格ゲーがあったらワンチャンあるんじゃないかなと思います。あと格ゲーは難しくないというイメージが広まればいいですね。現状格ゲーは難しいという印象が流布していますが、やってみないと分からないっていう話ですよね。」

〇目指すは世界最強。プロゲーマーとしての生き様をみせる

――現在の目標を教えてください。

伝説のオタク「世界最強になるという目標は、子どものころから変わっていません。次に狙っているタイトルは『ザ・キング・オブ・ファイターズXV』ですね。それの一番デカい大会で優勝することが今の目標です。」

――世界最強!分かりやすく誰もが憧れたことがあるフレーズですね。では、伝説のオタク選手が目指すプロゲーマー像はありますか?

伝説のオタク「最後までプロゲーマーとして食べて、生き様を魅せることですね。やっぱりそれで食べていけるというのがプロだと思うんですよ。プロゲーマーという職業で生き抜いて、それを次の世代に繋げることが自分の理想のプロゲーマー像ですね。」

――次の世代に繋げるというのはどのようなことでしょうか?

伝説のオタク「『プロって楽しそうじゃん、俺もなってみようかな』みたいな。そういう時代をつくるのを夢見て、それを体現できるようになりたいと思っています。まだ『なりたい!』という段階ですが、必ずなります!」

伝説のオタク選手のインタビューはいかがだったでしょうか?

格闘ゲームをプレイしているときの姿からは想像ができないギャップを見ることができました。ファッションの話や勘違いエピソード、さらには目標など、様々なことには共通する子ども心のようなものがあり、これもまたの伝説のオタク選手の強さの秘訣なのかもしれません。

憧れや目標を持ち、それに向かって突き進んで結果を残している伝説のオタク選手。次の世代に繋げるプロゲーマーとしてのますますの活躍に期待がふくらみます!

伝説のオタク選手がゲスト出演のイベントが開催されます!

12月15日(水)20:00~にはPGWの伝説のオタク選手、はやお選手が出演するイベントをゲーマーゲーマーより開催いたします。トレーナーの桑原さんと、今回もゲームやコンディショニングについてのぶっちゃけトークを繰り広げる予定です。

・選手のことをもっと知りたい!
・プロゲーマーとトレーナーの異業種トークに興味がある
・選手に直接聞いてみたいことがある
・日々のコンディショニングについて興味がある

何か1つでも気になった方はぜひご参加くださいませ!

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