プロゲーマー塾って!?福岡第一高等学校eスポーツ部「D1GT」を取材!


今回は、全国経験のある部活動を擁する福岡第一高等学校(以下、福岡第一高校)eスポーツ部『D1GT』のオンライン取材の模様をお届けします!

福岡第一高校独自の「パラマ塾」という 塾形式の授業が行われており、eスポーツ部はその中の“プロゲーマー塾”から派生して発足。全国規模の高校生大会『STAGE:0』『全国高校スポーツ選手権』をはじめ、コミュニティ大会にも積極的に参加している活動が活発な部活なんです。

生徒の皆さんそれぞれが好きなゲームタイトルをプレイしており、LoLやスマブラ、ストリートファイターをプレイしている方もいるんですよ!

そんな皆さんが「eスポーツ部へ入部した理由」や、福岡にあるeスポーツ施設「esports CHALLENGER’S PARK」 (以下、チャレパ)を利用したお話などを伺いました。

福岡第一高校の前回の取材はコチラhttps://gamer2.jp/4686/

◇ ゲーム大好きなチームメンバー☆

画像左から…藤安くん、竹之内くん、鈴木くん、栗屋くん

・鈴木潤くん (2年生:LoL)
・竹之内涼介くん (1年生:LoL)
・藤安理琥くん (1年生:LoL,スマブラ,スプラトゥーン)
・栗屋魁人くん (1年生:ストリートファイター)

福岡第一高等学校eスポーツ部 D1GT
発足:2019年4月
部員:50名
活動時間:月~金曜日16:00~18:00
取扱タイトル:LoL、スマブラ、ストリートファイターなど
◇2021年 活動実績
・九州学生eスポーツ選手権 4位
・STAGE:0 LOL部門 九州ベスト8
・全国高校第一回ティーモ杯 8位
・全国高校第二回ティーモ杯 4位

◇ 「eスポーツ部があるから学校を選んだ」という入学動機も

――本日はよろしくお願いいたします!皆さんはなぜeスポーツ部に入部しようと思ったんですか?
「自分はそもそもゲームに興味があって、eスポーツがどんなものなのかが気になって入部しました。」
――元々はLoLをプレイしていなかったんですね。高校入学前、どんなゲームをプレイしていましたか?
「入学前は一人でやるようなゲーム、例えばマインクラフトやRPGなどをプレイしていました。」
――無心で没入できるゲームって面白いですよね!いわゆるeスポーツで競技になるようなタイトルはeスポーツ部に入部してからやり始めた…ということでしょうか。他の方の入部動機も聞いて良いですか?
「自分は一度でも良いから大会に出てみたかったので、eスポーツ部に入部しました。」
――ちなみにそれは大会に出ることができれば他の部活でもよかったんですか?
「いえ!ゲームが好きなので、できればゲームの大会に出たかったです。」
――ゲームの大会がよかったんですね。藤安くんはなぜeスポーツ部に入部したんですか?
「中学3年生の時、体験入学に参加したことをきっかけにeスポーツ部があることを知って、入ろうかなと思ったのがきっかけです。」
――ということはeスポーツ部があることを理由に高校を選んだんですか?
「そうですね。それがすべての理由というわけではないですが、eスポーツ部があることも高校を選んだ理由の1つです。」

◇ 格ゲーができる友達を探して!

――栗谷くんはなぜeスポーツ部を選んだんですか?
「僕は中学生のころから格ゲーをやっていたのですが、一緒にプレイする友達がいなくて、eスポーツ部に入れば同じゲームをしている人が見つかるんじゃないかと思って入部しました。」
――一緒にプレイする友達は見つかりましたか?
「見つかったんですが、もう卒業している人でした。PARAMA祭(※)で知り合ったのですが、既に卒業してしまっていました。」

※PARAMA祭とは福岡第一高校の文化祭のこと。

――学校に在籍する期間が被らなかったんですね。中学から格ゲーをプレイしているとのことでしたが、どのようなきっかけで格ゲーをプレイし始めたのですか?
「新しいゲームをプレイしたいなと探していた時にちょうどストリートファイターを見つけました。」
――探していたらストリートファイターを見つけて、遊んでみたら楽しかったから今も続けているんですね。栗谷くんはどのようにストリートファイターの練習をしていますか?
「一緒に練習する友達がいないので、家や部室でオンラインでプレイしたり、動画を見てコンボや立ち回りを勉強したりしています。」
――他の友達を勧誘しようとはしなかったんですか?
「やっぱり格ゲーは敷居が高いので、誘うのもどうかなと。ただ何人かにやらせてみたんですが、皆辞めていきましたね。」
――じゃあ来年新入生が入ってきたら引き込むしかないですね。
「そうですね。全力で引き込みます。」

◇ 部員数はまさかの50名越え!?

――LoLをプレイしている皆さんは普段どのように練習していますか?
「皆プレイできる時間はバラバラなんですが、練習できる時はDiscordで集まって練習しています。」
――ということは皆さんPCを所有していて、自宅で練習するんですか?
「そうですね。学校でやる、というよりは帰宅してDiscordで通話しながら練習しています。」
――どうして学校ではプレイしないのですか?
「LoLだと1試合が長くて十分練習ができるかと言われるとそうではないからですね。放課後が16時前くらいからで、18時には学校が閉まってしまうためあまり時間が取れないんです。時間が短いなら自宅で練習したほうがいいだろう、ということで自宅でそれぞれ練習するようにしています。」
――確かに部活動の時間は限られますよね。
「皆でスマブラなどをプレイする時は部室でやることもありますが、部室自体もあまり広くなくて部員も50名ほどいるので、一気に練習するのも難しいんですよね。そういう理由でPCゲームは家でプレイする、ということにしています。」
――昨年の取材から部員数がめちゃくちゃ増えていますね!これまで取材した高校でも流石に50人を超える部活はなかったので、一番部員数が多いかもしれないですね。
「1年生だけで30名ほどいますし、部員数で言えば日本一だと思います。」
――ちょうど世代交代の時期だと伺ったのですが、3年生を含めて50名ですか?それとも除いて50名なのでしょうか?
「3年生は2人しかいないんですよね。その世代だけ異常に少ないので3年生を抜いても50名ですね。」
――それではもしかすると来年は80人まで増えていてもおかしくないですよね。
「そうかもしれないですね。もしかすると3桁を超えるかもしれないです。」
――藤安くんに質問ですが、スプラトゥーンは部活内でチームを組んでプレイしているのですか?
「そうですね。現在4名スプラトゥーンをプレイしている生徒がいて、その4名で部室に集まったりオンラインでやったりとまちまちですが、チームを組んでいます。」
――メンバーが揃ったときはどのような練習をしているんですか?
「リーグマッチをメインでプレイしています。射撃場での練習はそれぞれでやるんですが、基本的にはチームで実戦をやっています。」

◇ 大海に気づかせてくれた先輩。そして目指すは全国優勝!

――eスポーツでの活動をしていてよかったことや、逆につらかったことや大変だったことはありますか?
「よかったことは今まで1人でゲームをプレイしていたので、LoLを通してチームワークなどを学べたことですね。辛いのはゲームをやっていてボコボコにされたときです。」
「中学までは対戦した人皆に勝っていて、地元最強だと思っていたんですが、eスポーツ部でボコボコにしてくれて成長させてくれた先輩がいたんですね。それをきっかけに強くなれたことがよかったです。」
――井の中の蛙ですね(笑)。大会成績として『STAGE:0』九州ベスト8などがありますが、今後はどこまでいきたいなど目標はありますか?
「もちろん、全国優勝目指します!」

◇ ライトユーザーはプロゲーマー塾。大会に出る人はeスポーツ部。

――福岡第一高校にはパラマのプロゲーマー塾がありますよね。実際、プロゲーマーを目指していますか?
「ゲーム関連でプログラミングなどをしてみたいと思ったことはありますが、プロゲーマーは目指していないです。」
「強くなりたい、最上位に立ちたい、という思いはあるのですが、すべてを捨ててまでできる覚悟はないので、専業では考えていないです。」
――やっぱり専業でやる、という覚悟は難しいですよね。プロゲーマー塾というのは何をしているんですか?
「あくまでライトユーザーが集まって皆でワイワイやるという場で、その中でも大会に出たい・職業としてeスポーツに関わりたい人がeスポーツ部に入るといったような住み分けになっています。」

◇ ゲーム漬けの日々!

――個人的にハマっているものはありますか?

悩む藤安くんと栗谷くん

「ハマっているものと言ってもゲームしか浮かばないですね。」
――ということは休日でもゲーム漬けなんですか?
「休日はゲームよりも寝てばっかりですね。寝ることにハマっています。」
――そうなんですね(笑)。それでは皆さん多い日だと1日何時間くらいゲームをプレイされているんですか?
「LoLや他のゲームをプレイしている時間を合わせて、大体10時間くらいプレイしています。」
「多い日だと、イベントのために24時間プレイしたこともありますね。」
「だから寝るんじゃない?(笑)」
――体に気を付けてくださいね(笑)。他の方はいかがですか?
「多い日でも自分は10時間前後ですね。」
「僕は格ゲーをやっていると体がもたないんですが、別ゲーをする時間を含めると10時間くらいはプレイしていますね。」

◇ ラノベ1冊40分!?竹ノ内くんのまさかの特技

――ゲームばかりだというお話を聞くと皆さんはゲーム以外はあまりやっていないんですか?
「他だと趣味でたまに読書をするんですが、小説も1冊40分で読み終わってしまうのですぐゲームをしてしまいます。」
――え!?1冊40分ですか?
「同じシリーズだけでも9周くらいするくらいには好きなんですが、本を読むのが好きすぎて結構早く読めてしまうんですよね。」
――ちなみにどんなものを読むんですか?
「バトル系や青春系のライトノベルが多いですね。大体ラノベ1巻40分で読んで、そのあとゲームするって感じですね。」
――ラノベを40分でなんてなかなか読めないですよ(笑)。竹ノ内くんはどれくらいの本を持っているんですか?
「大体20冊くらいなんですが、電子書籍が多いので明確には分からないですね。ただ紙の本も電子書籍も読んでいないのがどんどん貯まってしまっています。」
――積みゲー的な感じですね(笑)。皆さん特技はありますか?
「特技とは言いませんが、中学生では美術部だったので、絵がそれなりに描けます。今も模写であれば描くことができると思うんですけど。」
――それって油絵とか水彩画とかそういうものですか?
「自分は違って筆ペンで書いていましたね。」

竹ノ内くんが鉛筆で描いたイラスト

◇ 高校で今流行っているものは!?

――クラスや学校で流行っているものはありますか?
「原神とプロセカが自分のクラスでは流行っています。あとはVTuberも流行っていますね。」
「イカゲームなどのドラマや映画が流行っていると思います。」
――鬼滅の刃とかは流石にもう流行っていないですか?
「同じジャンプ繋がりで呪術廻戦は流行っていますが、鬼滅の刃はあんまりですね。」
「あとは東京リベンジャーズも流行っていますね。」

◇ 本格eスポーツ施設を部活動で利用!?

――皆さんは好きなプレイヤーや尊敬するプレイヤーはいますか?
「スマブラではしゅうとんさんが好きですね。プレイスタイルが好みというか技を見るとか動きを見るといった動きが綺麗なんですよね。捌き方などが綺麗だなと感じています。」
――栗谷くんに質問なんですが、格ゲーってレジェンドと呼ばれるプレイヤーが多くいるじゃないですか。好きなプレイヤーはいないですか?
「やっぱりウメハラ選手ですね。最近カプコンプロツアーで優勝していたので、40歳になっても優勝できるからすごいなという憧れがあります。」
――以前ゲーマーゲーマーでウメハラ選手に取材したことがあるので、ぜひ読んでくださいね。
「え!?マジですか!?」

栗谷くんが驚いたウメハラ選手取材記事はこちらhttps://gamer2.jp/7826/

――福岡はeスポーツ施設が多くありますが、利用したことはありますか?
「天神ロフトのチャレパを部活動で利用したことがあります。」
――部活で利用したんですね!ちなみにそれはLoLの人だけ行ったんですか?
「そうですね。前回行った時はLoLの人を集めて利用しました。」
――定期的に行くわけではなく、たまたま行く機会があったんですか?
「チャレパに行ったのがちょうど文化祭前で、学校が中途半端な時間に終わっていたんですね。部室で練習ができる状況でもない時にだったら行かせてみようということで行かせました。」
――練習場所の確保が理由だったんですね。

◇ 車関係、プログラマー、教師など。将来の夢

――皆さんの将来の夢を教えてください。
「自分は小さい頃から自動車に興味があって、将来は車関係の職業に就きたいと考えています。」
「システムのプログラミングなどをやってみたいと思っています。」
「ゲームクリエイターや教師にもなってみたいと考えています。その中で兼業としてプロゲーマーとして活動するのもかっこいいと思っているので、やれるならやってみたいですね。」
「僕は中学の時にプログラミングをやってみたいなと思ったのもあって、プログラマーを目指したいと思っています。」
――生徒の皆さん、ありがとうございました!

◇ 自分も1人のプレイヤーとして部員と接する

――eスポーツ部の名前の「D1GT」の由来を教えてください。
「名前の由来は福岡『第一』(D1)の『ゲームチーム』(GT)です。」
――eスポーツ部のTwitterがあるじゃないですか。それはどういった意図で運用していますか?
「色々なイベントごとの告知や練習試合のお誘いを受けることもあるので、そういった情報収集も目的の1つです。あとはeスポーツ部はこういうものだとアピールするために使用しています。」
――パラマ塾にプロゲーマー同好会が発足して、そこからeスポーツ部に繋がったとのことですが、そもそもどういった経緯でプロゲーマー同好会が発足したんですか?
「私が赴任した当時若い先生があまりいなかったのですが、eスポーツやるから顧問やって、と話を振られましたね。そこから自分が担任していたクラスにeスポーツに興味を持っている生徒がいて、その子と一緒にここまで継続してきました。」

◇eスポーツで日本一を目指せ!学校の強化部指定となった理由とは

――Twitterに強化部指定 と記載があるんですが、どういった意味があるんですか?
「学校から日本一になれと言われているからですね。福岡第一高校は他の部活動で日本1位を取った実績もあるので、部活としてやるのなら当然日本1位を取れというスタンスで強化部指定されています。」
――取材中に生徒の皆さんと安藤先生との仲の良さそうなやり取りがありましたが、安藤先生から部員へはどういった関わり方をしているんですか?
「顧問という立場なので部活を取り仕切ってはいますが、他の部活と違うのは自分も同じフィールドに立ってプレイができるので、1プレイヤーとして一緒に接してプレイもしています。部活内では上下関係が無駄に厳しくなく、卒業した先輩と関わることもあって、1つのコミュニティとして呼べるものになっています。」

いかがでしたか?
お互いの発言に突っ込む場面があったり、先生と立場を感じさせないようなやり取りをしていたりと、安藤先生の言葉通り部活動が1つのコミュニティとして上手く機能しているように感じられた取材でした。

プロゲーマーになってみたいという藤安くんにはぜひこれからもゲームを続けていただきたいですし、他の3名もそれぞれやってみたいこと・進んでみたい道があり、ぜひ夢の実現を目指して頑張っていただきたいですね!

ゲーマーゲーマーでは引き続き高校eスポーツ部に取材を続けていきます☆次回をお楽しみに!

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