広島TEAM iXA 剛田選手インタビュー!~剛田選手が考えるプロゲーマーの葛藤とは~【後編】

前編(https://gamer2.jp/10495/)では剛田選手の学生時代や、プレイヤー名などプライベートなお話をたくさん語っていただきました。

後編では一転し剛田選手のプロ活動を中心に様々なお話しです!センシティブな話題であるプロゲーマーの“ゲームタイトル移行”や、プロゲーマーとしての苦悩など、普段は聞くことのできないプロゲーマーのリアルが垣間見えるかも?それではお写真と共に取材内容をお届けします☆(取材日:2022.3.4)

〇「対戦相手を信頼し、通じ合える」格ゲーならではの魅力

――剛田選手が考える格ゲーの魅力を教えてください!

剛田選手「格闘ゲームは勝ち負けだけでなく、試合中に相手との“読み合い”(駆け引き)があります。そこで相手とお互いに信頼し合った状態でプレイし、相手に一本取られたとき『やられた~!』ってなるのが楽しいんですよ。自分はやられたけど、相手もきちんと練習してきたんだなと感じた時は楽しくなっちゃいますね。」

――敵プレイヤーだけど信頼し合うって、1対1で繰り広げられる格ゲーならではですね。

剛田選手「もちろん、トレーニングモードで練習したことが出来て楽しいというのも分かります。でも1番楽しいのは対戦で、相手とお互い信頼した戦いが垣間見えたときですね。ここまでお互いを信頼して対戦できるということは、他のゲームではないと思います。」

――確かにFPSやMOBAなどのジャンルではないかもしれません。

剛田選手「相手の動きを読んだり読まれたり、相手と通じ合えることが格ゲーの魅力なのかもしれませんね。」

〇勝利へのこだわり。学生の頃から変わったプレイスタイルとは

――現在剛田選手は『ブレイブルー クロスタッグバトル』(BBTAG)をメインに活動されていますが、このゲームの魅力はどんなところなのですか?

剛田選手「対戦はもちろん、トレーニングモードをプレイするだけでも面白いし、なによりキャラクター数が多いのが魅力ですね。このゲームは2キャラ選んで2対2での戦いを行うのですが、キャラクターが50以上いるため組み合わせの数が無限大、可能性も無限大なんです。この中で自分だけのチームを作る、組み合わせを考えるカードバトルのような楽しみ方ができることがいいところですね。」

――こうして聞くと他の格ゲーとは全然違うゲーム性なのですね。

剛田選手「やられる前にやれ!というゲーム性なんです。上位帯のプレイヤーとなると、キャラごとに危険エリアみたいなものができて、陣取りゲームみたいな感じになるんですよ。このようにお互いが読み合って戦うというところはとても深いですね。」

――では剛田選手が格ゲーをプレイする上での美学やこだわりはありますか?

剛田選手「ゲームシステムや与えられた環境を使いこなそうとは思っています。学生の頃は自分が好きなキャラクターを使って自分の好きなようにプレイしていましたが、それでは勝てないということを薄々気づいてきたんです。『ブレイブルー セントラルフィクション』でそういう信念を断ち切って、そこからは強いキャラを使うようになりました。」

――勝ちにこだわるようになったのですね。

剛田選手「システムに乗っ取って開発者が用意した方法で勝った方が良いということに気づいたんです。ゲームにはゲーム開発者が用意している道が必ずあるはずなので、それを見つけてやってみるというところに、自分の力を加えるということがこだわりかなとは思います。」

――メタ(ゲーム内での流行や環境)を見つけつつ、自分で改良していくことが剛田選手のこだわりなのですね!

〇プロゲーマーとしての「勝ちたい」という”思い”と”重み”

――剛田選手がプロゲーマーになった経緯を教えてください!

剛田選手「そこそこ『BBTAG』が強かったということもあり、2018年の『EVO』(アメリカで開催される世界大会)に自腹で行きました。そこでトップ8に入って、壇上に登って改めて『BBTAG』は良いゲームだなぁと感じたんですね。」

――プロになる前に『EVO』で入賞したなんて凄いですね。

剛田選手「その時に『BBTAG』のワールドツアーが発表されたんです。それを知ったときは『俺も混ぜろよ!』ってなりましたね(笑)。そこでLeGaime熊本さんに売り込みにいったら入れてもらえたんです。それでシンガポールに行ったんですが、結果は3位であまり奮いませんでした。そこで得た反省を活かして、その次の公式大会のARCREVOで優勝して、決勝大会の参加券を得ました。」

――海外大会に参加するためにプロチームに加入したのですね。

剛田選手「そしてライセンスを貰ったことをキッカケに、プロでの活動への気持ちが強くなっていったんです。そこでTEAM iXAに紹介してもらいました。また、そこのチームの理念が『ゲームで頑張る人を応援する』だったんです。当時の私はゲームセンターの店員だったということもあって理念に共感し、TEAM iXAの一員になりました。」

――それではプロゲーマーになってから意識が変わった部分はありますか?

剛田選手「とにかく勝たないといけないんだなと感じるようになりました。勝たないと馬鹿にされますし、負けたら『え、プロなのに……。』と言われたりもします。そういったことでチームに迷惑をかけているわけでもないのですが、やはり勝たないと罪悪感が出てくるんです。そういったこともあって、より一層勝たないといけないという思いは強くなっていきましたね。」

――プロとはいばらの道ですね…。

剛田選手「特に2019年の『EVO』はプロになってからは初めて海外大会に行くということもあり、勝たないといけないという思いが強かったです。大会は4人で行ったのですが、みんなで遊びにいこうぜってなったときも、私はホテルに籠もって練習をしていました。」

――まさにプロゲーマーのリアルですね。

剛田選手「TOP16まではいけたのですが、そこから集中力が切れて2連敗して敗退という苦い思いをしたんです。それ以降はゲームの見方がガラリと変わりましたね。期待を背負ってプレイするゲームはこんなに重いんだなということを感じました。」

――勝ちたいという強い思いがあったのですね。

剛田選手「僕自身プロ意識はあまり強くない方だと思いますが、プロという立場として色々言われることはあります。なのである意味周りが全員敵って感じですね。今までは敵であり味方でもあった人たちが、今はみんなが敵で油断が出来ません。大会の時も他の人が勝ったときは素直に喜ぶことが出来ましたが、プロになってからは以前ほど喜べなくなりました。」

――まるでバトロワ状態ですね。

剛田選手「国内だけでもプロゲーマー何人いるんだよって話ですからね。1人しか勝てない枠の中で何人も挑戦するわけですから、とんだデスゲームですよ(笑)。」

〇プロゲーマーはタイトル移行をするべきか?

――剛田選手がプロとしての活動をするにあたって、他のタイトルへの移行は考えたことがありますか?また、今後メインに据えるタイトルは引き続き『BBTAG』でしょうか?

剛田選手「これは難しい話で、正直僕の中でも答えが出ていないんです。僕は『BBTAG』のプロなんです。たとえば同じ格闘ゲームでも『ストリートファイターV』をプレイしても勝てるわけではないので、格ゲーのプロとは名乗っていません。他のタイトルでもプレイすれば上手くなれると確信はしているのですが、2~3年と時間はかかってしまうと思います。」

――移行するにも難しいですね。

剛田選手「プロゲーマーとしては絶対に他のゲームに移行するべきなんです。なぜなら人気に陰りのあるゲームで活動していても、広告塔としての意味がないからです。だからプロゲーマーとしては『BBTAG』をするべきではないと感じることもありますが、剛田としては『BBTAG』が好きなのでやらないといけないんです。ここが難しいところで、今も悩んでいます。コミュニティのために動くべきなのか、チームの為に動くべきなのか、非常に難しいところです。」

――剛田選手の中でもまだ答えは出ていないのですね。

剛田選手「一番いいのは『BBTAG』の新作が出ることですね。ただ今後プロゲーマーとしてやっていくのだったら新しいタイトルをプレイする必要が出てくると思うので迷っています。それで『BBTAG』を辞めてしまうと、残された人たちから『辞めてしまったの?』って言われてしまうでしょうね。また、新しい所へ行っても『BBTAG』のプロというだけで色眼鏡をかけられてしまうこともあるでしょう。」

――ゲーム移行の問題はいずれ直面する大きな課題なんですね。

〇どんなゲームも上手いプロ“ゲーマー”

――最後に剛田選手が目指すプロゲーマー像について教えてください

剛田選手「ん~難しいな~。でも目指したい人がいるとするならば、即答でかずのこさんです。あの人は何をやっても上手いゲームのプロって感じで、そういう意味でもプロゲーマーなんです。なので今からプロを目指す人にはかずのこさんを目標にしたらいいと思います。配信も人気だし、格ゲーのみならず全てのゲームが上手くて憧れます。なので理想はかずのこさんみたいなプロゲーマーですね。」

――真の意味でのプロ”ゲーマー”を目指したいということですね。

剛田選手「でも色々なプロの形があってもいいと思います。配信は面白くないけど結果は必ず残す人、大会の成績は微妙だけど配信が面白い人、実直に広告塔として働く人、コミュニティをけん引する人、など色々いた方がいいですよね。様々な形のプロゲーマーがいるし、これからも出てくるとは思いますが、僕が目指す像はかずのこさんですね。 」

――本日はありがとうございました!!

今回お話を聞いて、ゲーマーとしての剛田選手を知ることが出来たのではないでしょうか。積みゲーのお話や、プレイヤー名の由来、格ゲーの魅力など、ゲーマーなら共感できる話が多かったですね!

また普段はあまり知ることのない、“プロゲーマーのリアル”も垣間見えたのではないでしょうか。プロとして期待を背負いながらプレイすることの重さや、好きなゲームをやるべきか、それとも人気のゲームをプレイすべきかなどプロ視点での悩みや葛藤は、すべてのプロゲーマーが向き合っていかなくてはならない課題と言えます。そんな中でも自分のゲームが好きな気持ちを貫いて活動する剛田選手は本当にカッコいいですね!

私たちゲーマーゲーマーはこれからもeスポーツプレイヤーを追い続けます。次回もお楽しみに☆

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▼広島TEAM iXAさんのスポンサー『リジェネシアeスポーツ』を取材した記事はこちら
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剛田選手も愛用しています!

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