eスポーツプロフェッショナルVol.1 Japanese小池さんに聞く『データアナリスト』という仕事【後編】

前回(https://gamer2.jp/10335/)はよしもとゲーミング所属でZETA DIVISIONでデータアナリストを務めるJapanese小池さんに、お仕事内容や、始めたキッカケなどを語ってもらいました。今回はデータアナリストという仕事のやりがいや、なるために必要なこと、さらに実際の作業を見学しちゃいました!

〇実際の作業を見学!

――もし可能であれば、データアナリスト実際の作業を見学させてください!

Japanese小池さん「もちろんいいですよ。まず作業する際は、モニターを2つ使って入力を行っています。ゲームの画面に関してはキャスター視点で観戦します。」

――キャスター画面では敵味方全ての位置が一目で把握できますね!

Japanese小池さん「もちろんこの視点で試合を見ていれば、選手たちにはいくらでも文句を言うことが出来るんです(笑)。」

――確かに何でも見える客観的な視点なら、野球観戦でヤジを飛ばす人のように何でも言えてしまいますよね。では試合を観戦する際はどこに気をつけているのですか?

Japanese小池さん「選手間同士の報告を聞くことが多いです。IGL(インゲームリーダー、ゲーム内リーダー)の報告を特に注意して聞いています。そして試合中ではハードポイント地点が切り替わる1分ごとに得点を入力します。あとはプレイヤーの位置を見ながら、戦況を把握するよう心掛けています。」

――選手たちが試合中に話しているところを聞きながら、得点を入力していくなんて頭がこんがらがってしまいそうです。ちなみに選手の位置だけでも試合の様子は分かるものなのですか?

Japanese小池さん「状況だけを見ても、選手たちがどのような戦術をとっているかが分かります。シフトが遅れたから狭く守ろうとか、一目で分かりますね。」

――さすがはCoD経験者さんですね!あとは他にやることはあるのですか?

Japanese小池さん「IGLを始めとした選手たちの画面を録画や、選手たちプレイ画面を確認していますね。『エイムの感度を変えたから、録画して確認できるようにしてください』とか、『今日反応遅いと思うので、この試合は僕のプレイ画面を見ていてください』などとお願いされることもありますね。」

――選手たちにとってはかゆいところに手が届く存在なんですね。

Japanese小池さん「選手から『ここを見ていて!』とお願いされるので、そこの要望に応えられるようにはしています。」

――ちなみに収集する情報や必要な情報などは全てご自分で考案されたのですか?

Japanese小池さん「基本的には僕が考えたものですが、選手たちにどんなデータが欲しいか聞きながら試行錯誤はしています。なので選手がグラフを見たいといったらグラフを作成するといったことはあります。」

――まさに自分で道を切り開いているのですね。

Japanese小池さん「あとは選手たちが欲しがるデータの数が、僕一人では不可能なくらいになってきています。試合中に見なければならない箇所が増えすぎて困ってきています。」

――データアナリストは相当忙しいお仕事ですね…!

〇データアナリストのやりがいとは

――データアナリストのやりがいってどんなところでしょうか?

Japanese小池さん「やりがいを感じる部分はたくさんありますよ。半ばあきらめていたゲームの仕事を貰うことができた上、選手たちにも恵まれて優勝させてもらっているので、この感動は大きいですね。」

――好きなことを仕事に出来るのは素敵ですね。

Japanese小池さん「また選手たちも僕のことをよく慕ってくれているので、そういうところでやりがいも感じます。選手から『本当のお兄さんだと思っています!』と言われたときは、ちょっと忙しいだけじゃ練習休めないなと思いましたね。」

――選手たちからも厚く信頼されるというのは嬉しいですね。

Japanese小池さん「大会で勝つ喜びももちろんありますが、ZETAの選手たちを見た人たちが彼らの挨拶を褒めてくれるることがあるんです。挨拶は特に重要と考えて教えていたので、そこを評価してもらえたは特に嬉しいです。」

――ゲーム以外の部分を教えることが大事なのですね。

Japanese小池さん「若い選手は挨拶の仕方が分からないと思うんですよ。僕ら芸人は、どこかの会場の廊下ですれ違う人も必ず関係者なので『お疲れ様です!』って声をかけるように言われてきました。あとはご飯をご馳走してもらったときにはなんていったらいいか分からないということもあるんです。でも僕は芸人の先輩から外で待って『ごちそうさまでした!』と言うよう教わりました。」

――芸人としての経験が活きているのですね。

Japanese小池さん「芸人のルールで当てはまることは全てではないですが、当てはまるものは教えるようにしています。eスポーツも芸能界だと思うので、そこは過去に教えてもらったものを落とし込ませてもらっています。それでうちの子たちが褒められたらうれしいですよね。」

――選手たちがJapanese小池さんの教えを守ってくれていたのですね。

Japanese小池さん「でもやはり勝った時が一番嬉しいです。まだ一度も大きな大会で負けたことがなく、また僕から見ていても痺れるようなプレイをしてくれるので、彼らはもっと嬉しいのでしょうね。その喜びを共有できるのは僕らの財産の一つです。」

〇技術よりも大事なこと

――データアナリストに求められるスキルは何でしょうか?

Japanese小池さん「スプレッドシートが使えるとか、関数が分かるとかも大事なんですけど、やはりアナリストに必要なのはズバリ情熱ですね。」

――情熱、ですか。

Japanese小池さん「ゲームもできない中毎日5~6時間、データ入力して動画をアップロードしてを毎日やらなくてはいけないんです。また選手たちがいる限り、10年20年先も同じ仕事が続くかもしれませんよね。それをずっとやっていくとなったら知識よりも情熱だと思うんです。」

――情熱が一番の原動力なのですね。

Japanese小池さん「僕はよくデータアナリストは誰でもなれるよと言うのですが、これは謙遜とかではなく誰でも情熱さえあればなれるということなんです。コーチとなると技術や知識も必要になりますが、データアナリストに関しては実力だっていらないと思います。とにかく大事なのは情熱です。」

――小池さんはCoDプレイヤーだったから好きで続けられたということもあるのでしょうか?

Japanese小池さん「僕が初めてCoDをプレイしたのは20歳くらいのときでした。そこからはデータアナリストになるまではめちゃくちゃプレイしていましたね。データアナリストになってからはどうしてもプレイしない時間が増えてしまったのですが。でも今でもプレイはしていて、選手のみんなと一緒に遊ぶこともあります。」

――ゲームと選手たちを思う情熱が大事なのですね!!

〇データアナリストになるには「行動」が大事!

――それではアナリストになるためにはどんなことをすればいいのでしょうか?

Japanese小池さん「ゲームをある程度プレイしていることは大前提です。その中でプロになろうとしている人はたくさんいて、彼らは毎日スクリム(練習試合)をしています。そこに飛び込んで、アナリストとしてお手伝いをしにいくことが大事なのではないでしょうか。CoDだったら高レベルの選手たちが集まるプライベートマッチに参加することが良いと思います。とにかくその世界に飛び込まなければ始まらないと思います。」

――行動が1番ということですね。
Japanese小池さん「あとはExcelや関数が使えたり、アイデアがある、こういう経験がある、というように企業やチームに売り込むこともアリだと思います。」

――売り込むことも大事なのですね。

Japanese小池さん「プロの卵たちに声を掛けて、データを取らせてください、練習を見させてください!と自分の実力をアピールして、チームの目に留まることも大切ですね。もちろんアナリストいないチームもたくさんあるので、そこに声をかけて、始めるのです。そしたら次第に噂は広がるので、誰かの耳に入るかもしれませんね。そのような入り方が一番自然なのかもしれません。」

――最後にアナリストを目指す方に一言お願いします!

Japanese小池さん「言いたいことはたくさんありますね(笑)。でもまずはゲームをしない時間が長くなるので、燃え尽きない情熱と、目標を定めておくことが大切です。どんな小さなことでもいいので目標を立てておくことで、情熱を維持することが出来ると思います。」

――まさに選手へのリスペクトがないとできない仕事ですね!

Japanese小池さん「それいいな!それを僕の言葉にしてくださいよ(笑)。でも本当にその通りだと思います。選手への口出しはしたくなると思いますが、実力に関わらず、受け入れてくれることは少ないと思うので。何もいわず、何か言う時は提案という形で行うことがいいと思います。」

今回の取材を通して、データアナリストがどのようなことを行う仕事なのか、よく理解することが出来ました。コーチとは違い、スコアラーのような仕事をこなしているということがよく分かったのではないでしょうか。データを集計することはもちろん、試合の録画を行ったり、選手からの細かい要望に応えたりなど、データアナリストとはまさに縁の下の力持ち!Japanese小池さんのようなデータアナリストという存在が、eスポーツをさらなる高みへ上げているのかもしれませんね。

今後とも本連載ではeスポーツに携わるお仕事を頑張る人たちを追っていきます!次回もお楽しみに☆

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〇秘蔵写真を特別公開!

今回の取材は都内にあるよしもとゲーミングの所有するゲーミングハウスにて行われました。中にはなかなか見ることができない貴重なグッズもあったのでご紹介します。

『PUBG』でお馴染みのヘルメットのほか、次長課長さんのサイン入りのグッズも!

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