【最終回】明聖高等学校 中野キャンパス☆eスポーツ部スペシャル第3弾!! ~顧問「藤田先生、小川先生」&「花澤キャンパス長」 特集~
いやはや「明聖高等学校 中野キャンパス(以下、明聖高校)」特集も今回で最終回☆前回は「MSG」、前々回「なかのんズ」とチームの皆さんをご紹介しましたが、今回はなんと!同校eスポーツ部で顧問を努める「藤田先生」と「小川先生」にご出演頂きました(パチパチ)♪ そして更に!なんとラストには明聖高校でキャンパス長を務める「花澤キャンパス長」にもご登場いただきます☆
総勢20名もの部員を抱える明聖高校eスポーツ部☆顧問のお2人にざっくばらんにお伺いしたお話をお届け致します!それでは早速ご覧ください♪
■きっかけは全国高校eスポーツ選手権
——eスポーツ部を設立された経緯を教えてください。
小川先生「2018年の12月に初めて高校生のeスポーツ大会が開かれまして、あれをネットで情報を見つけた花澤(キャンパス長)が『うちもeスポーツ部を作ったらどうか』と。ITコースもあるし…ということで設立されました。」
——そうだったんですか!昨年の『第1回 全国高校eスポーツ選手権』がきっかけで全国に沢山eスポーツ部が立ち上がったと話題になりましたね。
小川先生「そうですね。その大会に合わせて直前だったんですけど、11月くらいに立ち上げまして。一番最初の大会はそれから1ヶ月位しかないまま大会に出させて…という感じでした。」
藤田先生「なので、一番最初はもうボロボロで(笑)。まぁ、負けてしまったんですけど…。」
——部員数は約20名と伺っていますが、立ち上げた当初からメンバーは多かったんですか?
藤田先生「そうですね。メンバーは多いんですけど、実際活動しているのはもう少し少ないです。」
小川先生「今年1年生が入ってきて増えまして。当初『校内でeスポーツ部を立ち上げますよ!』と声を掛けたら20~25人くらい集まったんですが、学校の予算もあったので、プレイできるゲームが限られまして。なので興味が無かったりする生徒もいると…。」
—–確かに。自分が興味のあるゲームができるかどうか、というのは大事ですよね…。
■ゲーム好きな二人です(笑)
——『全国高校eスポーツ選手権』の採用タイトルは「ロケットリーグ」と「リーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)」ですので、ロケットリーグは3人、LoLは5人でチームが組まれるということですね。8名はチームが作れますが、残りの部員の人達はどうしているんですか?
小川先生「人数が足りなくてチームが組めなかった生徒は、部活に籍は残しておいて、今後部活が大きくなって他のタイトルが採用できたときに、またチームを組むという方向で…。まぁ、やっていないのと一緒です(笑)。」
藤田先生「今1年生にLoLのチームが1つあるので、LoL(5人)×2チーム、ロケットリーグ(3人)です。」
1年生チーム
写真左から(プレイヤーネーム)「グレド」くん、「kogarasumono」くん、「Rei-夜桜夢」くん、「消しゴム様」くん、取材時に欠席でいなかった「manaita」くんを含め計5名
——1年生は今年の春~夏にかけて開催された『STAGE:0(ステージゼロ)』には出ていないんですか?
小川先生「1年生はLoLチームとしては出ていないですね。フォートナイトで1チームエントリーしました。5月で入学してすぐだったので、すぐ負けてしまいましたね…。フォートナイトのメンバーを入れると、実質14~15人が活動してます。」
——ゲーミングPCをレンタルできる「eスポーツ部発足支援プログラム(※1)」も導入されているんですよね。
小川先生「そうですね。2018年と、2019年度も申し込んでいます。」
——では、今はゲーミングPCを合計10台使用して練習しているということですか。人数的には足りないですよね?
藤田先生「基本はシフト制みたいに曜日を決めて利用している感じですね。ITコースが教材としてMacBookを購入しますので、そのパソコンを使ってLoLをやったりもしています。」
——学校側が積極的にeスポーツへの理解と応援をしていらっしゃる印象ですね!生徒さんやこれから入学を考える中学生も、学校を選ぶ基準になったりするんじゃないですか?
小川先生「学校では毎月転学を受け入れてるんですけど、たしかにそういった事もプラス材料になってウチを選んでくるという子もいます。」
——顧問の先生方はコーチもされているんですか?
藤田先生「いえ、(ゲームの)経験ないです。ただのゲーム好きな二人です(笑)。」
小川先生「僕はLoLを日本サーバーに入ってきた直後くらいにちょっと触ってたんですけど、もう知識も足りないので、チームのサポートですね(笑)。」
——全く未経験のゲームタイトルで、生徒さん主導で練習を行われているんですね!
藤田先生「そうですね。むしろそれであそこまで頑張れたって凄いなと。」
——たしかに!ロケットリーグチームは『第二回 全国高校eスポーツ選手権』で全国16位。2年生のLoLチームはステージゼロのオンライン予選を突破して、オフラインの関東代表決定戦に進んだんですよね!凄いです!
※1/株式会社サードウェーブによる、高等学校におけるeスポーツ部の発足支援を目的に競技用のゲーミングPCを希望校に無償で貸し出すプログラム。2018年は100校限定で応募を募ったところ、78校が申し込んだという。2019年もサービス受付が実施されている。 <GALLERIA Gamemaster>
■夏休みも毎日自主的に練習!
——先生にとって大変だったことはあるんでしょうか?
小川先生「ほとんどないですね(笑)。自分たちで練習するって言って頑張っているので。」
——eスポーツ部に関して、生徒の保護者の方から何か反応とか、お声を掛けられたりしますか?
藤田先生「そうですね…。マイナスの意見はほとんどないですね。生徒から『部活の日は学校行くのが楽しい』という声はありました。」
小川先生「そういうのを、親御さんも聞ければ嬉しいという話は聞きますね。部員は夏休みとかもほぼ毎日来てやってます。」
——お休み中も積極的に練習に来られているんですか!熱心な生徒さんばかりで、今後に控えた大会も気合が入りますね(笑)!
小川先生「はい(笑)。」
——先生方、今日はお忙しい中お時間を頂きありがとうございました!
藤田先生/小川先生「はい。ありがとうございました。」
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最後に。「学校法人花沢学園 明聖高等学校」花澤キャンパス長にお話しを伺ったのでご紹介させていただきます☆
■家でゲームやるより、学校でやればいいじゃない
——eスポーツ部を発足されたのは、花澤キャンパス長がきっかけとお聞きしました。
花澤キャンパス長「ここのキャンパスに、そもそもITコースを作ろうというのが。ゲームが好きな子たちが、家でばかりやってるんじゃなくて、ゲームをプログラミング等の学問で学ぶんだったら学校に来る意義も出てくるし、勉強はちょっとつまらないけど、ゲーム作るんだったら…とか、友達と一緒に、とか。そういうきっかけになったらいいなと。
家でゲームをやるより、『学校でゲームして学校で遊んでくれ』と。『学校の仲間とゲームしてくれ』という思いがあるんですよね。
学校に来るきっかけや活躍する場で、いま流行りのゲームを出来るんだったら、『ただ通学するより面白いんだろうな』というのがこのキャンパスでITコースを立ち上げたときの思いでもあるんです。それでスタートしたところ、世の中でeスポーツの流れがありまして。」
——そうだったんですね!ITコース設立のタイミングが、最近のeスポーツの時流と重なったということなんでしょうか。
花澤キャンパス長「そうですね。一昨年に丁度ITコース発足があったところ、去年高校生のeスポーツ大会があったということだったので『やっちゃえ、やっちゃえ』って(笑)。」
——意図せずeスポーツの追い風が来たという感じですね(笑)!
花澤キャンパス長「面白いと思えることや新しくチャレンジできることだったら学校がバックアップしてあげれば、そこに子供たちが『これ面白そう』って付いてきて。それが長く続けば文化になるのであって、すぐ終わればブームで終わると。そういうものだと思います。」
——仰っている意味が分かる気がします。eスポーツを取り上げるにあたって、どうしても私たちメディア側としてはそこに理由や意義といったストーリーを扱いたいと思ってしまいがちですが、当の高校生達にはあまり関係のないことですよね。
花澤キャンパス長「今まで個人的に、『このゲームをこれだけレベル上げて…』と自己完結するという事はあったかもしれないけど、クラスメイトとかみんなで上手くなって、協力して大会を目指して…っていうことを今までしたことないと思うんですよね。だってゲームで勝ってガッツポーズするとか、抱き合うなんて、1人でやらないじゃないですか。
それが許されるというか、それくらい打ち込んでるから、勝って抱き合うこともあるしガッツポーズもするし、負ければ悔しくて泣くし…。多分それだけ打ち込んでる証ということだと思うんですよ。世の中批判的な人からすると、『ただのゲームで泣くとかアホか』みたいなね、ことになるかと思うんですけど僕は決してそうは思わない。
夏休み中だって、学校が休みの日に朝から来て夕方まで練習して、同じゲームをひたすら何日もやり続けて、それだけでも凄い集中力だし凄い継続力だと思うので。もうそれで充分意義があることだと思いますよ。」
■なんで世の中eスポーツで賛否を問うのかなって
——実際に大人ですら難しいといわれる戦略ゲームを、5人チームでまったくの初心者から誰の手も借りずに大会を目指すというのは簡単なことじゃないですよね。
花澤キャンパス長「なかなか簡単なことじゃないです。1週間くらいだったら誰だって出来ますけど、もう何ヶ月に渡って練習して。去年最初の大会に出て、もうあっという間に負けてしまった子たちがそこから半年間練習して、関東のオフライン大会まで進んで…。
そこまで行くっていうのは努力の成果だと思うので。部活にも色々ありますが、よっぽど濃密な時間を過ごしてるだろうなって思いますね。ちゃんと何か極めて、一生懸命取り組んで、そこに集団があって。そこが学校教育の場の中で開催されてるんであれば、それが何であろうが『周りがとやかく言う問題じゃないだろ』、と思うんですけど。
なんでこう世の中eスポーツとかで賛否を問うのかなっていう。たまに居るじゃないですか。その辺、むしろ僕は逆にまったく意味不明です。ナンセンス。良いとか悪いとか議論するということは、そもそも出発点が悪いと思ってるから議論するんであって…と。ちょっと理解できないところなんです。」
——そうですね。たしかに否定から入るから議論になるんですよね。
花澤キャンパス長「ネット依存だとかね、ゲームだとかそういうのが色々言われてますから。全くすべてを肯定するつもりはないけど、僕は良いんじゃないかと思いますけどね。」
——楽しい高校生活が送れるならば十分じゃないか…というところでしょうか。もうひとえに、そこじゃないかと思いますね。なんたって青春ですから。
花澤キャンパス長「そうなんですよね。そうそう。青春ですからね。」
——話は変わりますが、今は本校の方にもeスポーツ部がおありなんですよね?
花澤キャンパス長「そうです。この4月から。本校の方からもやりたいっていう声があって。」
——本校でもeスポーツ部を設立したいというのは生徒さんから希望が出たんでしょうか。それとも先生からですか?
花澤キャンパス長「そうですね。同時に…かな。本校の方が当然歴史が古いので、でもそちらにITコースが出来たのは今年の4月からなので。その中で本校でもeスポーツに興味がある子たちがいて、『僕たちもやりたいです』っていう希望が出たのもあるし、本校の先生達も『ITコースもが出来たんであれば、eスポーツ部つくろうよ』みたいな話もね、丁度出あがってるところくらいで…で、まぁ話があって。」
——失礼な感想だったらすみません。なんだかお話を聞いているととても風通しのいい会社組織みたいな感じがしますね。社長にポンッと意見が飛んで来たら、「いいよ採用!」って言って下さる様な(笑)。
花澤キャンパス長「ああ、そうですね(笑)。それはあると思いますね。あんまりこう学校の場合だと、頭の固い管理職が居てとか。ゲーミングPCとか、何だそれみたいな話になっちゃいますからね。」
——そうですね(笑)。部活動から始めることも出来なかったりという話も聞きます。
花澤キャンパス長「その辺、考え方は企業寄りかも知れません。学校の体質的に。あとは、フットワーク軽くスピーディーに、という感じです。まあ、昔からずっとこんな感じです(笑)。」
——生徒さん達のことを近くから、とても親しみを込めて見守っていらっしゃるんですね(笑)。花澤キャンパス長、本日は貴重なお時間本当にありがとうございました!
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花澤キャンパス長が仰っていた「eスポーツに関する問題視」「世間の認識」というものは確かにまだまだ存在します。キャンパス長の言葉にもありましたが「学校教育の場の中で、生徒たちが何かを極め、一生懸命に取り組む集団がそこにある。」と。すべてはこの言葉に集約されているのではないでしょうか。
っという訳で!そんな軽きフットワークを持つ最大の理解者「花澤キャンパス長」のもと、生徒たちに絶大な理解と信頼を示し!見事な成績を導き出した顧問のお2人☆「藤田先生」と「小川先生」もご出演本当にありがとうございました…!!
全3回に渡ってお届けした「明聖高校」特集いかがだったでしょうか!?「ゲーマーゲーマー」ではこんな熱き想いを持つ高校eスポーツ部!そして高校生eスポーツプレイヤー通称「eアスリート」の活動を総力をあげて応援して参ります☆ご一読ありがとうございました!