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ウメハラ選手主催大会「Beast Cup -Gekokujo2-」9月12日(日)開催! 大会直前に本人に直撃取材してみた!!

eスポーツの始祖ともいえるほど長い歴史を持つジャンル『格ゲー』こと格闘ゲーム。一大ブームから数十年経った今でも多くのプロを輩出しているなど、根強い人気を誇るゲームジャンルです。

日本には格ゲーのプロが多くいますが、中でも周りを圧倒し、日本だけではなく世界中に名を轟かせているのが梅原大吾さんことウメハラ選手。「背水の逆転劇」をはじめ、数々の伝説を残してきた超絶有名プレイヤーです。

またウメハラ選手は9月12日に2回目となる『ストリートファイターV』初心者向け大会『Beast Cup -Gekokujo2-』をライブ配信サービス「Mildom」で開催します。そして今回なんと私たちゲーマーゲーマーはレジェンドプレイヤーであるウメハラ選手に取材を敢行することに!『Beast Cup -Gekokujo2-』の見どころや初心者向けの大会を開催する理由、格ゲーのこれからなどたくさんお話をいただきました。それではお写真と共に取材内容をお届けします!!

〇格ゲー以外のファンも増えた!Mildom配信


――本日はよろしくお願いします!ウメハラ選手は現在Mildomで配信を行っていますが、具体的にはどのような配信をしているのですか?

ウメハラ選手「主に『ストリートファイターⅤ』でバトルラウンジやランクマッチでのプレイを配信しています。格ゲー以外のゲームをプレイすることもありますよ。あとは時々他のプレイヤーの大会のリプレイを見て視聴者のみなさんに僕の見解を共有したり、一緒に検証しあうこともあります。」

――以前は他のライブストリーミングプラットフォームで配信をしていましたが、Mildomに移行してみて感じたメリットはありますか?

ウメハラ選手「Mildomに移行してから、新たに僕のことを知ってくれる人が増えました。またMildomでは注目の配信がトップページに告知されることもあって、ファン層がより広がりました。特に色々なゲームをやるようになってからは、(自分の配信を見てくれる)格ゲー以外のファンも増えたと感じています。」

――様々なファン層を獲得することが出来たのですね!ほかにはMildomで配信して良かったと感じた出来事やエピソードなどはありますか?

ウメハラ選手「コロナ禍の影響もありますが、格ゲー各界ではこれまで単独で活動していた人たちが多かったことに対し、オンライン上で集まって配信するようになったことがいいことだと思います。こういう状況なのでみんなで乗り越えようという意識が芽生えたんじゃないかなという気がします。」

――Mildomでは格ゲー以外にも色々なゲームを配信していますが、今までにプレイしたもので特に好きなゲームはありますか?

ウメハラ選手「『テトリス』ですね。あまり上手い方ではないですが、たくさんプレイをしましたね。昔はゲームセンターに対戦相手が現れるまでの暇つぶしとしてプレイしていました。古いジャンルのゲームは大体好きですね。RPGやパズルゲームなんかも好きですよ。」

――ちなみにRPGだとどんなゲームが好きなんですか?

ウメハラ選手「『ドラゴンクエスト』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズはもちろん、『真・女神転生』や『MOTHER』とかもプレイしていました。」

――ちなみにウメハラ選手は『ドラゴンクエストⅤ』はビアンカ派ですか?それともフローラ派ですか?(※)

ウメハラ選手「自分はビアンカを選びました。ストーリー的にそれしか選べなかったですね(笑)。」

(※)『ドラゴンクエストV』では、主人公であるプレイヤーは結婚相手を選択する場面が存在する。ビアンカがストーリー序盤から登場する幼なじみなのに対し、フローラはストーリーの中盤に登場するなど対照的な部分が多く、プレイヤーの間では今でもどちらを選んだかが話題になることがある。

〇初心者大会としての「Beast Cup」を楽しめるようにする工夫

――次は9/12(日)に開催される『Beast Cup -Gekokujo2-』についてお話を伺いたいと思います。今年で『ストリートファイターⅤ』はファイナルシーズンとなりますが、このような時期に大会を開催しようと思ったキッカケはあるのでしょうか?

ウメハラ選手「1万人規模の大会を開催したいと強く思い初めたことが大きな理由です。僕が若い頃には1タイトルで1万人規模に近い大きな大会がありました。その規模の大会の熱を味わいたいし、それに関わりたいなと思ったことがキッカケです。ただ1万人に近い人数を集めるには、初心者の存在がいないと厳しい。初心者を呼び込むためには初心者の方々が楽しめる大会がないといけないと感じました。」

――『ストリートファイターⅤ』がファイナルシーズンということには関わらず、大きな大会を開催したいと思ったことが1番の理由なんですね。

ウメハラ選手「『ストリートファイター』の新作がリリースされれば自然に盛り上がっていくとは思いますが、その前準備として初心者が出場できる大会を作っていきたいんです。」

――初心者のための土台作りをしているということですね。ちなみに本大会は7対7という多人数での対戦となっていますが、この数に何か意図はあるのでしょうか?

ウメハラ選手「本大会は頻繁に開催されるものではありません。それなのに出場して1回戦ですぐに負けたら次回も出ようという気持ちにはなりにくいですよね。しかし7人チームだと自分が負けても仲間がいるから楽しい時間は多くなりますよね。そういった考えもあって7人という人数にしました。」

――個人で出場するよりも長い間楽しめるようにする配慮だったのですね。では本大会の独自ルールである下剋上ルール(※1)はどのような意図があるのでしょうか?

ウメハラ選手「初心者大会においては、勝ち抜き式よりも星取り式(※2)にしないといけないと思っています。なぜなら初心者といっても結構実力に幅があるからです。ただこのルールだと最短4試合で勝負が決まってしまうので、その後の試合が面白くなくなってしまいますよね。そのため最後まで楽しめるようにするために下剋上ルールを導入しました。」

(※1)下剋上ルール
7人星取形式でチームが4敗した状態からでも、敗北を覆し勝利を狙える『一発逆転の特別ルール』。通常の星取形式は一方のチームが過半数の対戦での勝利が確定した時点で、残りの試合は消化試合となる。しかしこの下剋上ルールでは「5、6戦目で一方のチームが4勝した状態」になると、本来行われる6戦目、7戦目の前にエクストララウンド(EX戦)が追加。そして4敗していたチームはこのEX戦に加えて、6戦目と7戦目も勝つことで一発逆転が出来る仕組みになっている。

(※2)星取り形式
先鋒は先鋒同士、中堅は中堅同士と、全員が対戦を行う形式。過半数の対戦で勝利すると、試合の勝敗が決してしまうので消化試合が発生する場合があるが、今大会は下剋上ルールでこのデメリットを緩和している。

――全て初心者に配慮したルールということですね。ちなみにウメハラ選手が考える初心者と脱初心者の境界って何でしょうか?

ウメハラ選手「続けていれば誰でも初心者からは脱せると思います。ただ初心者と脱初心者の違いは、自分の意志で走っているかどうかで決まると思いますね。自転車でいうと補助輪を外した時がそうで、周りに誘導される状態から自分の意志で好きなところを目指すときに脱せるものだと考えています。」

――ウメハラ選手は初心者大会の見どころはどんなところだと思いますか?

ウメハラ選手「初心者向け大会を開催してみて思ったのは、大会の盛り上がりにレベルは関係ないということです。やはりレベルの近いもの同士が本気で戦っている様子は見ていてとても楽しいですね。ただ初心者大会に限ってというなら、みんなが好きなキャラを使っているところは面白いポイントだと思います。上級者は勝てるキャラを使いがちですが、初心者はキャラのバリエーションが豊富だなと感じています。」

〇格ゲーは“古い”ゲームジャンル


――ちなみに今大会の参加者のご年齢はどれくらいの方が多いのでしょうか?

ウメハラ選手「正確には分かりませんが、ユーザーの年齢層が高い格ゲーにしては若い方が多いと思います。あとは格ゲーを始めて間もない、それこそ始めてから1、2週間で参加するという人もいますね。」

――”格ゲーにしては”という言葉が少し気になります。やはり格ゲーは若いプレイヤーが少ないと思うのですが、それに関してウメハラ選手は現状をどういう風に捉えていますか?

ウメハラ選手「ゲームの世界にも古いものってあると思うんです。古いというよりは形を変えてこなかったという方が正しいでしょうか。例えば格ゲーやRPG、パズル、縦・横シューティングなんかはそうですね。今はゲームのジャンルも多種多様になってきていて、その中で若い人たちがわざわざ古いゲームジャンルに手を出す確率って低いと思うんです。」

――流行や新しいものを追うことが若者の常なので、確かにその通りだと思います。

ウメハラ選手「ただ、ゲームそのもののパワーというよりは、周りの影響でそれを乗り越えられるのではないかと思うんです。日本国内でいうとプロゲーマーの数を見てもわかるように格ゲーはメジャーな方だと言えるので、そこに注目する若いプレイヤーが増えればいいなと思います。」

――ちなみに高校生eスポーツでは格ゲーが取り扱われることはほぼないんです。格ゲーはチーム戦ではないからコミュニケーション能力が育たないなど理由は様々あるのですが、ウメハラ選手はそこに関してはどうお考えでしょうか?

ウメハラ選手「これに関してはシンプルに人気の問題だと思います。仮に格ゲーがもっと人気だったら、きっと高校生eスポーツでも採用されているはずです。ただコミュニケーション能力が育たないというのはその通りだと思いますね。昔はゲーセンに行って様々な人とゲームをするので、コミュニケーション能力は自然と育ったんですよ。ただ今はゲームがオンライン化して人と話す必要がなくなったので、コミュニケーション能力を育てるのは難しいと思います。」

――現在はそのゲーセンも年々人気が衰えていってしまっていますが、この状況をどう感じていますか?

ウメハラ選手「格ゲーブームが去って一時期の爆発的な人気が冷めていく渦中にいて、一生続くものはないんだな、と実感しました。自分の拠り所でもあったゲーセンがなくなっていくことにも同じような寂しさを感じていますが、格ゲーはなくなってもたくさんのジャンルのゲームがあるゲーセンは残っていくだろうと思うので、今後も何が起こるか分からないですね。」

〇時代に逆行する格ゲー


――これから格ゲーを作り上げていくメーカーやプレイヤー、観戦者に期待することがあれば教えてください。

ウメハラ選手「基本的にはメーカーにいいゲーム期待するしかないですね。ただ昔と違って、スマホでゲームを遊ぶようなライトゲーマーが増えている中で、昔のゲームである格ゲーをメーカーが開発し、プレイヤーが遊ぶことって中々厳しいことですよね。どういう意味かというと、最近のゲーマーは出来るだけ苦労せずにゲームを遊びたいと思っている人が多い中、格ゲーはそれに逆行していると思うんです。」

――格ゲーが今の時代に逆行しているとはどういうことでしょうか?

ウメハラ選手「格ゲーは苦労することも多いですし、楽しむためには練習も必要になってきます。それは今のゲーム事情には全くそぐわないでしょう。でもできれば動画勢(※)の方にも苦労して技術を身に着ける楽しさを知ってほしい。そうすれば格ゲーの層も広がるとは感じています。」

(※)動画勢とは
ゲームを自分ではプレイせずに動画だけを見る人のこと。元々は格闘ゲーム界隈で使われていた言葉が、最近ではゲーム業界全般でも使われる。類義語としては「見る専」がある。

――確かに格ゲーの魅力は今流行っているゲームとはかなり違うかもしれません。

ウメハラ選手「僕は配信をキッカケに格ゲー以外もやるようになり、面白いゲームに出会う機会も増えました。しかし、それでも1周まわって格ゲーの面白さに気づいた自分がいたんですね。格ゲーは古いジャンルではありますが、古いから底が浅い、面白くないというわけではないので、最初の壁をどう乗り越えるかが一番のハードルだと思います。」

――ウメハラ選手もおっしゃったように“最初の壁”に怯むプレイヤーも多いかと思います。そこで最後にこれから格ゲーを始めようと思っている若いプレイヤーへ一言お願いします!

ウメハラ選手「覚えなければいけないことが多いゲームジャンルなので、そこでつまづいてしまう人も多いかと思います。しかし逆をいえば上手くなる方法も歴史が長い故に確立されているので、ぜひ根気よくやってみてください!」

――ありがとうございました!!

格ゲー界のレジェンド、ウメハラ選手へのインタビューはいかがでしたでしょうか?今回開催される『Beast Cup -Gekokujo2-』のルールに関することや、今の格ゲーに捉え方も、第一線を走り続けてきた人物だからこそできることだったと思います。

特にウメハラ選手が語った「格ゲーは逆行している」という表現はまさに今の格ゲー事情を的確に表現しているように感じました。確かに格ゲーは古いジャンルかもしれませんが、決してつまらないわけではないということも事実です。今後格ゲーがどうなっていくのかは誰にも分かりませんが、格ゲーの楽しさは是非とも若い世代に伝播させていきたいですね。

ウメハラ選手主催の初心者向け大会『Beast Cup -Gekokujo2-』は9月12日にMildomにて配信が予定されています。格ゲーに少しでも興味のある方は是非配信を見て、格ゲーのアツさを体感してみては?

〇「Beast Cup -Gekokujo2-」大会概要

配信日時:2021年9月12日(日)10:30~22:00(予定)
配信URL: https://www.mildom.com/10467370
大会HP: http://beast-cup.com
試合ルール:7on7星取り戦(下剋上ルールあり)、シングルエリミネ―ショントーナメント
出演:

梅原 大吾

「生ける伝説」として世界中で崇められるウメハラの名を知らぬ者はゲーム界にはいない。17歳にして世界チャンピオンに輝いて以来、20年以上グローバルステージで数々の勝利と栄光を収め続ける。日々自分に挑戦し続ける男。

Twitter ID:@daigothebeastJP

ふ~ど

2011年に初出場のEVO でストリートファイター部門優勝を収め、トップ・ストリートファイターとしての地位を確立した。アグレッシブかつ常に冷静で戦略的なプレイスタイルを誇る。近年は、若手や女性プレイヤー育成に力注ぎ、指導者としても活躍中。

Twitter ID:@TheFuudo

アール

MC・実況歴20年の格闘ゲーム実況の第一人者でありeスポーツキャスターの先駆者。ストリートファイターシリーズにおいて数多くのCAPCOMオフィシャルイベントを任される。ストリートファイターリーグ2020PROjp.CAPCOM CUP、Red Bull KUMITE、EVO中継をはじめ世界規模の公式イベントにて活躍。TV出演やインタビューも精力的にこなす。世界的な認知度も高く、各国の実況者がそのフレーズを真似している。2015-2019年三月まで世界的大手配信サイトTwitchJAPANのスタッフとして活動していた。

Twitter ID:@papatiwawa

(出演者紹介文は大会HPより抜粋)

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