【卒業特集】eスポーツ部からパラeスポーツの道へ。「城北つばさ高校」ラハトくんの物語

3月は出会いと別れの季節。今回は高校eスポーツ部「卒業」をテーマに、新たな進路に向けて旅立つ高校eアスリートをお届けします☆

2019年夏に開催された『eスポーツ甲子園/STAGE:0』では、リーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)部門中部ブロックのオフライン大会第2位まで上り詰めた城北つばさ高校(愛知県名古屋市)のeスポーツ部。

そして昨年末の第2回高校eスポーツ選手権では残念ながら予選敗退となってしまいましたが、部活発足からその活動に大きく貢献してきたMD・マジドル・ホサイン・ラハト君(以下、ラハト君)が3月に卒業を迎えるということで!我がゲーマーゲーマー取材陣は愛知県は名古屋まで、伺って参りました!!(取材日:2020.03.02)

ラハト君は3歳の時に交通事故に合い、小学生の頃から車椅子で生活をしているそうです。9年前にバングラデシュからご両親と来日し、自宅ではベンガル語と日本語を操るバイリンガル♪そんなラハト君の、高校生活やeスポーツ部のエピソード、そして今後の進路など盛りだくさんでお届けします☆

#01/月に1本ペースで買うほどゲーム好き!

ーーeスポーツ部にはいつから入部したんですか?

ラハト「部活立ち上げの初期からです。」

ーーゲームは入部前からやっていたんですか?

ラハト「元々ゲームは好きで色々プレイしてました。FPS(※説明)が好きでCoD(コール オブ デューティ)やレインボーシックスとか。疲れちゃうので、今はあまりやっていないですけど…(笑)。他ジャンルだと、モンスターハンターやRPGもやったりしています。」

ーーゲームが好きなんですね!

ラハト「大好きです(笑)。月に1本買うくらい。最近LoLばかりやっていますが、今月はチェックしてるゲームタイトルの発売が多いので楽しみです。」

ーー一番最初にプレイしたゲームはなんでしたか?

ラハト「小学4年生の時、PSP用『モンスターハンターポータブル2ndG』が一番最初に触ったゲームですね。その頃は一人で黙々とやっていました。」

#02/毎日「辞めよう」と…続けられたのは仲間がいたから

ーーeスポーツ部に入る以前からLoLのプレイ経験はあったんですか?

ラハト「全く無いです。部員は皆やったことなかったんですけど、経験者の先生がいて教えてくれました。」

ーー初めてLoLをやってみた時はどんな感想でした?

ラハト「僕は最初合わなかったです(笑)。FPSの直感的な操作に慣れていたので…そういうタイプが常に考えながらやるゲームをすると頭がショートしちゃって何もできないんです(笑)。半年くらいその状態が続きました。」

ーーなるほど(笑)。確かに覚えることが多いですし、始めは難しいゲームですよね。それでも、皆練習を頑張って続けていたと。

ラハト「そうですね!毎日『辞めよう』って話してました(笑)。先生が細かいアドバイスをしてくれたのと、あとは…仲間がいたのが大きいですね。あれは一人でやってたら続かないです(笑)。」

ーー部活仲間の存在は大きかったですか。

ラハト「5人だから僕は続けられました。なかなか学校で部活をやってこなかったので、授業後に部活があって…というのは新鮮でしたね。学校がさらに楽しくなりました。皆仲が良くて、よく遊びにも行きますよ。」

#03/常に油断を許さない、ひたすら考えるゲーム

ーーラハト君にとって、LoLはどんなゲームですか?

ラハト「ひたすら考えるだけのゲームですね。常に油断を許さないというか…何かをミスした時に一発で逆転されちゃったり、こっちが逆転したりということもあるので。」

ーーなるほど。常に神経を研ぎ澄ませていないといけませんね。

ラハト「そうですね!終わったあと本当に疲れます(苦笑)。」

ーーご自宅でも長時間LoLを練習していて、ご両親に何か声を掛けられたりしますか?

ラハト「ありますよ!『ずっとゲームばっかりして』って言われるんですけど、僕は『これが仕事だから』って返してます(笑)。でもアルバイトを始めてからあまり言われなくなりましたね。」

#04/強メンタル×ポジティブさを発揮したアルバイト生活

ーーどんなアルバイトをしていたんですか?

ラハト「今年の1月くらいまで、2年間ほど営業の会社で電話営業をしていました。お客さんに電話かけてアポ取りするバイトだったんですけど。」

ーーテレアポのアルバイトだったんですね。高校生の募集があるとは知りませんでした(驚)!結構ハードなイメージですよね。

ラハト「高校生の募集もあるんですが、皆怖がってやらないんです(笑)。知らない人に電話かけるだけだし、僕は結構平気なタイプで。常に、別に死ぬわけじゃないしってポジティブに生きているので何も思わないんです。クレーム対処も気になりませんでした。」

ーーとてもメンタルが強いんですね!

ラハト「切り替えが早いというか、かなりメンタルが強い人間だったから続けられたんだと思います。でも、今はもうやりたくないです(笑)。」

#05/FIFAのパラeスポーツプレイヤーとして

ーー今年の4月から就職が決まったと聞きしました。どんなお仕事を予定しているんですか?

ラハト「仕事をしながらeスポーツアンバサダーとしてeスポーツの魅力をたくさんの方に伝える活動をする…という感じです。」

ーープロプレイヤーの道に進むんですね!ゲームタイトルを教えて下さい。

ラハト「僕の所属チームが『名古屋グランパス』になるので、サッカーゲームの『FIFA』をプレイしていきます。仕事は名古屋グランパスのパートナー企業であるワンダープラネットという、エンターテインメントサービス企業に勤務することになります。」

ーーとても興味深いです!どういった経緯でお話が決まったんですか?

ラハト「ワンダープラネットさんと名古屋グランパスさんともう1社が協力して『パラeスポーツ選手』を募集してました。そして『eスポーツを盛り上げよう』という目的でプロジェクトが立ち上がって、僕がそこに応募した形になります。」

ーーパラeスポーツ選手として活動されるんですね!

ラハト「元々はeスポーツのプロとして活動すること自体全く頭になかったんです。でもお話を頂いてからその道が現実になっていきました。」

ーー所属される予定の企業に、他にもパラeスポーツ選手はいるんですか?

ラハト「いえ、僕だけです。各方面の方々にも期待して頂いているので頑張らなきゃいけないという思いですね。」

#06/大会のオフライン戦はぜひ経験するべき!

ーーeスポーツの高校生大会を経験して、思い出深い出来事はありますか?

ラハト「オフライン大会は楽しいですね!自分が舞台に立っているといいますか…。みんな、ぜひオフライン大会まで頑張ったほうがいいですよ!あそこに出るだけでも結構凄いことなんですよ。」

ーー確かに!大きい大会のオフライン戦経験って中々できるものではないですよね。

ラハト「あの場に立って、実況解説してもらって、皆に応援してもらって…。優勝できなかったとしても、出るだけで物凄い価値がある舞台だと思います。ゲーム好きはあそこが一番輝ける場所なんじゃないかな。」

#07/本気でやるなら答えは返ってくる

ーー最後に。今、全国的に高校eスポーツ部が増えてきていますが、ラハト君は学校にeスポーツ部があることをどう思います?

ラハト「どんな風にやるか、によると思います。大会とか目指して本気でやるならオススメできますけど、ちょっと遊ぶくらいなら家でやれば十分じゃないですか(笑)。ゲームだろうと仕事だろうと、何でも本気でやれば答えは返ってくると思っています。」

ーーラハト君、間違いないです(笑)。本日はありがとうございました!

ラハト「ありがとうございました。」

城北つばさ高校は、閉校した愛知工業高校の校地を活用し2017年4月から開校した新設校。ラハト君達『1期生』がはじめての卒業生になります。1年半前、eスポーツ部を発足するにあたってサードウェーブの「eスポーツ発足支援プログラム」を導入。ハードウェア面を整備し、部室は空き教室で対応したそうです。顧問の鈴木先生は「他の先生方の理解も得られ、良い環境で部活がスタートできたと思っています」と仰っていました☆

「城北つばさ高校」eスポーツ部での活動がきっかけとなり、パラeスポーツの道へと進むラハト君☆高校での仲間と過ごした3年間を経て、eスポーツのプロ選手として…そして社会に一歩踏み出すラハト君の物語は、全国のeスポーツ部に所属する高校生諸君たちにも、一つの道しるべを示したのではないでしょうか♪

今後どのような新しい世界が広がっていくのか。「ゲーマーゲーマー」ではこれからの彼の活躍を心より応援していきたいと思います☆っという訳で皆さん!最後までご一読ありがとうございました♪

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