【新連載☆第1回】毛見誓也のFPSで勝てるデバイス戦略「体の一部として選べ!ゲーミングマウス編」《連載全6回》
スポーツで最高のパフォーマンスを発揮するためには、自分にあった道具は欠かせません。野球ならバット、陸上はシューズなど、道具にこだわることはもはや常識となっています。ともなれば同じ“スポーツ”の名を冠したeスポーツも同じことが言えるはずです。実際eスポーツに限らず、マウスやコントローラーといったゲーミングデバイスたちにこだわりを持ったゲーマー達は多く存在します。特にFPSゲームは精密な操作が必須なため、ゲーミングデバイスはとことんこだわる必要があるのです。
本連載ではそんなゲーミングデバイスにフォーカスを当て、その魅力や選ぶ際のポイントについて解説していきます。これからeスポーツを始めようとしている方、ゲーミングデバイスがよくわからない方には必見の内容が満載!記念すべき第一回は、マウスについて解説していきます!!
ゲーミングマウスとは?
一般的にマウスはパソコン上のカーソルを動かすときに使う便利なデバイスと知られています。しかしFPSゲーマーにとってマウスとは、正確にターゲットを狙い撃つためのもの、すなわち体の一部といっても過言ではありません。だからこそマウス選びは非常に重要なのです。
そもそも普通のマウスとゲーミングマウスの違いとは何なのでしょう。これに関しては明確な線引きはありません。ですが事務作業で使うマウスと比べると、高性能なもの、特に形状・耐久性・機能を重視して作られているものが多いです。
ここでは「MIONIX CASTOR」を例に出してみましょう。これは僕がFPSゲームをやる際に愛用しているもので、マウスもゲームをプレイするのに適したスペックとなっています。特筆すべき点はその形状で、ガッチリホールドしやすいような形状、そして右側面にはラバー加工が施されているのです。これらのおかげでプレイ中に激しく動かしても全く違和感がありません。またセンサーの反応も一般のマウスと比べて精度が高いため、正確なエイム操作が実現できています。
このようにゲーミングマウスは名の通り、ゲームに適したものとなっています。では実際に選ぶ際、どのようなことを知っているといいのでしょうか。
ゲーミングマウス基礎知識
ここからはゲーミングマウスを選ぶうえで、知っておきたい用語を解説していきます。
ゲーミングマウスを知るうえで欠かせないのがdot per inch、略してDPIと呼ばれるものです。これは簡単にいうとマウスの解像度を示しており、この数値が高ければ高いほど精度がよくなります。しかし、高くするほど少しのマウス操作でカーソルが大きく動いてしまうため、1000DPIあたりが平均的に使われています。ちなみに1000DPIと表記されている場合、「マウスを1インチ(2.54センチ)動かしたとき、モニターに映るポインターが1000ドット動く」という意味になります。ゲーミングマウスのほとんどはこのDPIを細かく変更することが可能です。
ポーリングレートとは、「1秒間に何回マウスの操作情報をパソコンへ送るか」を数値化したもの。つまり1000hzと表記されていれば、1秒間に1000回マウスの操作情報をパソコンに送っているということです。しかし、あまりにポーリングレートが高すぎると手の震えまで検知してしまい、逆に使いづらくなってしまうので注意!一般的には500hz~1000hzあたりが使われています。
これはマウスを持ち上げた際、どの程度の高さまでマウス操作を検知するかといったもの。このリフトオフディスタンスが高いとマウスを浮かした際にポインターが動いてしまい、エイムがぶれる可能性があるため低い方が望ましいです。最近のマウスではリフトオフディスタンスを変更できるものもあります。
マウスの操作感度をセンシと呼びます。つまりハイセンシは高感度、ローセンシは低感度というわけです。またこれらの中間であるミドルセンシなんてものも存在します。ハイセンシは高感度、すなわち少ないマウス操作でポインターを動かせます。一方ローセンシは低感度なので、ポインターを動かすにはマウスを大きく動かす必要があります。
そしてこれらは「振り向き」センチによって分けられます。振り向きとは文字通り180°カメラを動かす動作で、振り向く際にマウスを動かしたセンチ数で決まるのです。5センチ以下~15センチがハイセンシ、15センチ~20センチがミドルセンシ、20センチ以上がローセンシと言われています。これらは人によって大分異なるため、自分にあったセンシを見つけることが重要です。
ちなみにローセンシはハイセンシと比べて正確なエイム操作が可能です。なぜならハイセンシは少ないセンチ数の中でマウスを動かすため、必然と狙う的も小さくなります。しかし、ローセンシはより大きいセンチ数のため、狙う的が大きくなるというわけです。これらを踏まえるとローセンシの方が良さげですが、デメリットとしては腕がつかれることや机が広くないとできないといったことが挙げられます。
自分に合ったマウスはどれだ!?
では自分に合ったマウスを探す場合は何に気を付ければいいのでしょうか?
ぶっちゃけ性能よりもこっちの方が一番大事だったりします。FPSにおいてマウスは体の一部と同義なので、自分の手になじんだものを選ぶ必要があるのです。
ところで読者の皆さんはマウスをどのように握っていますか?足や念力でマウスを動かしているといった特殊な事情を除くと、主に以下の3つに分けられると思います。
・つまみ持ち
マウスを指だけでつまむように持つこと。手の腹をマウスに当てないのが特徴です。指だけで操作するため細かな操作が可能です。しかしこの持ち方だと大きなマウスは扱いにくいため、小さなマウス推奨。
・つかみ持ち
これら3つの中間となる持ち方で、手のひらを全体的に使いつつも人差指と中指を立てることが特徴。
・かぶせ持ち
マウスに手をすっぽり被せる持ちかた。マウスの形状に合わせた持ち方のため安定感があります。この持ち方は主に大きめのマウスを使う人に多いです。
これら3つの持ち方によってそれぞれに合うマウスは異なります。またマウスの中には右利き・左利き専用のタイプが存在します。これらにも注意しながら自分の持ち方を見極めて選んで
こちらもサイズ感と同じくらい重要な要素です。重量によってマウスの操作感は大きく変わるため、自分のスタイルに合ったものを選びましょう。ちなみにゲーミングマウスの平均重量は100gほどと言われており、最近では肉抜き加工を施して100g以下まで軽量化したマウスが人気です。その理由はマウスを速く動かせる、手の負担減るといったメリットが要因で、ローセンシプレイヤーたちに圧倒的な人気を誇ります。しかし、あえて重めに作られているものや、おもりで重量を調節できるものもあります。
ゲーミングマウスにもケーブルを必要としない無線タイプが存在します。無線と聞くと操作にラグが発生してしまうイメージですが、実際多くの無線マウスはラグがほぼ発生しません。しかし、ケーブルから解放される代わりに充電やマウスの種類が少ないといったデメリットがあります。一方有線マウスは種類が多く、充電も必要ありません。唯一のデメリットであるケーブルも、ケーブルを浮かせて固定させるマウスバンジーを使えば解消できます。これらを踏まえるとよほどのこだわりがない限り、有線マウスで問題ないはずです。
FPS用を謳うマウスの多くは側面にサイドボタンが付いています。これらサイドボタンにはゲーム操作を割り当てることが可能なため、ほぼ必須でしょう。人によって割り当てる操作は違いますが、僕は多くのFPSゲームで使うインタラクションキーや手榴弾投擲キーをここに割り当てています。また、一部のゲーミングマウスには側面にビッシリ12個ほどのボタンが付いたMMO用なんてものもありますが、さすがにそれほどは使い切れないので2つくらいのもので十分です。
まとめ
FPSに本気で挑むならデバイスも本気で選ぶ必要があります。そこで本連載第一回はFPSゲーマーを象徴するマウスの選び方を解説しました。自分にあったものとそうでないものでは、操作感やゲームの勝敗に大きく関わります。だからこそ、マウスは必ず自分に合ったものを使う必要があるのです。是非本連載記事を参考に最高のマウスを見つけ出してみてください!!(第1/6回 完)