格ゲープロ レン選手が見てきた格ゲーシーンの”これまでとこれから”【後編】
前編(https://gamer2.jp/7185/)ではレン選手が考える格ゲーの魅力、自身の格ゲー話を中心にお話いただきました。
そして後編では現在の格ゲーシーンやプロに関する深い話など、興味深い内容が盛りだくさんです。格ゲープロが見る今のeスポーツ、プロとはどんなものなのか、たくさん聞いちゃいましたよ!それでは早速本編に入りましょう!!
〇レン選手がみるゲームの今
――率直なところ、現在はFPSやMOBAなどが若者を中心に流行っているのに対して、格ゲーはあまり流行ってはいないと思います。レン選手は現在の状況をどのように見ていますか?
レン選手「なぜ10代20代の人がFPSやスマホのゲームを遊ぶのかなと考えると、おそらく家でゲームをプレイすることが当たり前という年代だからだと思います。私たち30代後半の人はパソコンやスマホでゲームをする文化がありませんでした。今だったら誰でもゲームをするのは当たり前だけど、私たちと今の若者たちはゲームをプレイする環境が違いますね。特に私たちの時代はゲーセンでゲームをすることが当たり前でした。」
――環境の違いが影響しているということですね。
レン選手「あとは単純に母数が違います。格ゲーは昔のおじさんが好きなんですよ。そしてそのおじさんたちがマジで強いんです(笑)。若い子で格ゲーが強い子もいるにはいるんですけど、それでもおじさんたちには勝てません。今まで培ってきたものの量が違うからです。」
――格ゲー流行世代が強すぎるというのは確かにその通りかもしれません。
レン選手「あとFPSのプロって引退が大体25歳くらいですよね。これって早すぎると思うんです。これには反射神経とかの問題もあると思うんですけど、格ゲーに関しては反応や技術って年齢を重ねるほど強くなるんですよ。なのでトップに居続けているウメハラ選手が90歳になっても格ゲーをプレイしていたら多分最強の仙人みたいな存在になっていると思います(笑)。さらに格ゲーマーは基本的に格ゲーをやめません。なので若い子たちよりもおじさんが多いんです。」
ユニフォームはなんと「ドルチェ&ガッバーナ」製!PGWの選手ごとに異なるユニフォームにはただならぬこだわりが感じられます!
(写真がちょっとボケてしまってごめんなさい……)
――プレイし続ければするほど強くなるというのは魅力的でもありますが、若者をはじめとした初心者にとっては厄介な問題ですね。
レン選手「これに関してはおじさんたちが若い世代にバトンタッチできなかったことが原因ですね。だけど若い子で有名な選手が出てきて活躍してくれたら時代がガラっと変わるかもしれません。」
――なるほど!ちなみに若手で注目している選手はいますか?
レン選手「今はいないですね。特定のゲームでなら勝てるっていう人はいるんですけど、逆にいえばそのゲームでしか強くないってことなんです。格ゲーは他のゲームをプレイしても強いやつが本物だと思っています。おじさんたちではそういったプレイヤーはたくさんいるのですが、若い世代にはまだいないですね。」
――では、これから格ゲーを始めたい人へのアドバイスはありますか?
レン選手「格ゲーは1対1のなので1人でプレイするゲームって思いがちですが、できる限り友達や知り合いを作ってみて情報交換をするようにしてください。今はネットでもたくさんの情報を探すことができますが、やはり生の声は違います。そうして色々な人と話したり、相談しながらゲームを攻略していくことが大事ですね。自分だけだと必ず限界がくるので、周りの人に頼ることが大事です。あとは友達がいないと対戦ができないので、友達もたくさん作ってくださいね!」
こちらは「基地」の配信部屋で、プレイヤー用のイスに座って撮影した写真。配信中のプロゲーマーが見ている光景です!
【YouTubeチャンネル】PGW公式 https://www.youtube.com/channel/UCGircuH17cJVkPrXkXRD0Rw
〇レン選手の目指す「プロゲーマー像」
――現在eスポーツ業界はプロゲーマーが増えてきています。ストリーマーやスポンサーが付いている選手などその基準は様々ですが、レン選手が目指しているプロゲーマー像を教えてください!
レン選手「戦って勝つ、それを世間に示すことはもちろん必要な要素だと思います。さらにみている人たちに感動を伝えたり、共感をしてもらえるようなプレイをすることが自分のプロゲーマー像、目標ですね。相手が100%を出し切ったうえで自分も120%で叩きのめすみたいな、それで最終的には勝つというのが本物のプロゲーマーだと思います。」
――最近のプロはトーク力や面白さが重視されがちだと思いますが、勝つということはプロには必須ということですね。
レン選手「すべての戦いで勝てるわけではないのがこの世界の難しさです。だけどその難しさを分かってもらいつつ、勝ったときにはいい報告ができるようにしたいですね。そして応援してくれる人たちが僕でも結構いてくれるので、とても励みになっています。そうした皆さんにいい報告ができたときは、勝つ以上の満足感があるんです。そういったところを含めてプロゲーマーの肩書って大事かなって思います。」
――またプロゲーマーでいる以上、今後は新たなゲームに挑戦していくこともあると思います。様々なゲームでトップになってきたレン選手でも、やはりゲームを乗り換える不安はありますか?
レン選手「もちろんありますよ。次に乗り換えるゲームで自分が弱かったらどうしようとか考えちゃいます。やはり向き不向きは絶対にあるので、そこはしようがないとも思っていますが。でも大会で勝てなくなったら、ストリーマーに移行できるのかといった不安もありますね。今は熱中できるゲームがあるのであまり考えていませんが、そこで自分がついていけるかはその時にならないと分かりませんね。」
――最後に、eスポーツのプロを目指す若者へ一言お願いします!
レン選手「プロを目指すのだったらゲームだけではなくて人の縁を大切にしてほしいです。あとは目標よりも信念を持ってほしいですね。大会優勝などの目標は大変だし、難しいのが現実です。だけどこのキャラで上手くなる、○○さんよりも上手くなるという信念を持っていた方が結果的にはゲームの腕前も上達します。いつか諦めたくなるときがくるかもしれないけど、信念があれば戻ってこられるかもしれません。またすぐに結果を求めがちですが、そんなすぐに成果を出せる人はほんの数人です。なのでそういう人たちに負けない何かを持つことは絶対条件です。それに加えて運が良ければプロになれるかもしれません。何事も1人ではやらず、今すぐ結果を求めずに信念を持ち続けて、ちゃんと一歩ずつ前に進むことが大切ですね。」
――本日はありがとうございました!!
さて、レン選手のロングインタビューはいかがでしたでしょうか?格ゲーで長い間戦い続けてきたレン選手だからこその考え、思い、そしてその言葉の1つ1つにとても説得力を感じましたね。特に「若い世代の注目選手がいない」というのは読者の皆様も驚いたのではないでしょうか。若い世代から「自分が注目選手になってやる!」という人が出てくることにも期待しちゃいますね。
またレン選手が目指すプロゲーマー像はただ勝つだけではない、レン選手の思いが込められたものでした。eスポーツが普及し、プロゲーマーが増える中だからこそ見習いたい考えですね。
格闘ゲームは歴史が長く、その分極めることが非常に難しいゲームです。しかしそこにはレン選手を始めとした、様々な人の熱意や信念がぶつかり合う本物の勝負があるのだと思います。是非読者の皆さんもとてもアツい格闘ゲームの世界に挑戦してみては?
レン選手を含むPGWの選手の皆様には、サプリメントモニター企画「チームATHLETE Q10からの挑戦状」にもご参加頂きました。
選手や競技の紹介を含む前編記事と、気になるモニター結果を含む後編記事もぜひご覧ください!