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【よろず連載第5回】全eスポーツファンが「ゲーム内」で試合観戦をする。《全6回》

◇ よろず
「三度の飯よりゲームが好き」を公言するeスポーツライター。以前は静岡に拠点を置くeスポーツチーム「Quintette」に所属し、現在はeスポーツ企業RATELでVOLBOX MEDIAを主に活動している現在、大学1年生の18歳(2020年4月入学)。執筆中のnoteでは7,600フォロワーを誇り累計PV数150,000以上をたたき出す。
note:https://note.com/yoro2u

こんにちは、よろずです。

2020年の今、eスポーツファンの私たちは直接会場に赴き観戦するか、YouTubeやTwitchを始めとしたプラットフォームで大会を観戦すると思います。

eスポーツはコミュニティであり、こんな時期だからこそオフラインでの大会の価値が上がっている様にも思えますが、私はオンラインでeスポーツを観戦することにも大きな意味があると思っています。

例えば、歓声が聞こえなくとも、チャット欄で大きな盛り上がりが起こるということ。
伝説の試合が、ネットを探せばいつでもすぐに観戦出来るということ。
昨日の試合が、十年後同じ情熱で観戦ができるということにあると思います。

僕がこの世界に惹かれたのは、何十年も前に行われたEVO 2004、「背水の逆転劇」を見たことがきっかけでした。

そんなeスポーツが、ゲームの中に入り込んで観戦出来るとすれば、とてもワクワクする話だと思います。

2030年、ゲーム内での観戦が出来るようになった世界を想像したいと思います。

初のゲーム内観戦が可能になった「FORTNITE WORLDCUP FINALS」。

記憶に新しい、あの「Bugha」が優勝したフォートナイトワールドカップファイナルズでは、実際のゲームのプレイ画面に世界大会の様子を映し出すという画期的な視聴方法が提供されました。

勿論設定で非表示には出来るものの、ゲームを起動すれば自動的に表示される仕組みだったので、従来の「見る・見ない」という選択肢を無くす素晴らしいシステムであるように僕は感じました。

現在のeスポーツの課題として、プレイ人口が多いのに対し大会の観戦者数が少ないという点が挙げられます。

例えばこのフォートナイトというゲームはユーザー数が3億5000万人であるのに対し、このワールドカップのYouTube同時接続者数が100万人でした。

他サイトと合わせると更に数十万、数百万と増えると予想することが出来ますが、恐らく全ユーザー数の半分にも満たないでしょう。

あくまでも個人的な予想にはなりますが、これはゲームを「プレイする」ことの面白さが「観る」ということよりも遥かに面白いということが原因になっていると考えています。

当然好みやタイミングの違いはありますが、もし自分が2時間与えられたとして、ゲームをプレイするか観戦するかと問われたとき、私はプレイすることを希望すると思います。

なぜなら、ゲームの面白さに気づかされたのは、小学生だった頃に初めてゲームをプレイしたことがきっかけとなっているからです。

これがもしも「同時に実現できる」社会になれば、その問題は解決されるのではないでしょうか。

このフォートナイトワールドカップのシステムは非常にユニークで、面白い試みではあったものの、画面サイズや、ゲームと同時進行する場合のインターネットの負荷が大きく、ユーザーにとって満足なものであったかは分かりませんが、eスポーツというものの拡散手段を大きく広げたのではないかと実感しました。

いわゆる「5G」や、「クラウドゲーミングシステム」によって、より見る・遊ぶを同時に実現できる環境が整うでしょう。

ここまで書いてきたのですが、もしかしたら最初に皆さんが予想していた「ゲーム内」とは違うかもしれませんね。

続いては、実際に”ゲームの世界に入り込む”観戦方法について考えていきたいと思います。

仮想世界に入り込み、eスポーツに熱狂する。

参考:「PRTIMES

今年2020年の3月に行われた「V-RAGE」は、国内初である「バーチャルeスポーツ専用施設」を設置し、そこでShadowverseの大会を観戦するというものでした。

僕は実際にこのV-RAGEに参加することが出来なかったので、その感想を述べることは出来ませんが、ゲームをゲームの中で観戦するということには非常に大きな役割があると考えます。

例えば、野球の試合はサッカーのグラウンドでは開催されないし、テニスはテニスコートというその競技が最も快適に行うことの出来る環境下で行わなければなりません。

ゲームが最も快適に行われる環境は間違いなく「インターネット環境が整った環境」であると言えるでしょう。

現在のオフライン会場で行われるeスポーツ大会は間違いなくインターネット設備の整った環境下で行われていますが、その技術力が如何に優れたものであるかを見極めるには、ゲームの知識と数万人が見る規模の大会を行うということの難しさを知っている必要があります。

つまり、eスポーツという競技が行われていることが、如何に素晴らしい技術力の集結であるかを示すためには、別のアプローチが必要であるように感じています。

先ほど話したばかりですが、実際にV-RAGEというイベントがどういうものであったか僕は分からないのですが、よりそれが大きなものとなり、「1万人がVR会場でeスポーツを観戦した」という報道がされれば、eスポーツというものの持つ宣伝力や技術力をより世界に発信できることとなります。

利点はそれだけではありません。

eスポーツの問題点の2つ目として、コメント欄があります。

eスポーツの長所でもあり弱点と言える部分に、「ターゲット層が若い」という特徴があり、スポンサーはそのターゲット層に注目し大会に協賛します。

ただ自社の宣伝がされている場所が、暴言や不適切な発言が飛び交う場所であれば、決して良い効果であるとは言えません。

中には最初からコメント欄を封鎖している大会もあり、スポンサー的には良い環境が設けられていたとしても、大会の盛り上がりを考えれば、重要な役目を果たすコメントという機能が制限されてしまうのはあまり良いことであるとも言えません。

どちらにもデメリットが生じていますし、取り留めもない議題であるように感じていますが、ここにVRでの観戦を交えるとどうでしょうか。

もしリアルタイムで参加している人の姿も見えるようになれば、コメントだけでなく、誰が参加しているのかも私たちは知ることができます。

「アバター」という物が設けられ、もし私たちに性別の選択が出来るようになれば、誰が観戦していても楽しめるような施策が取れるかもしれません。

これはあくまでも僕の被害妄想に過ぎないかもしれませんが、eスポーツの世界にも性別による差別や区別はあるように思います。

自分が社会についてどう思っているかは別として、エンターテイメントの観点から見てみると、そうした性別の壁によりユーザーの選択が阻まれることは、成長途中の業界として好ましいことではありません。

観戦用アバターの販売、例えば観戦するゲームのキャラクターのコスプレみたいなものなどの販売があってもすごい楽しそうじゃないですか。

観戦だけで無くとも、あまり姿を出したくない演者の人だって、アバター化してしまえば、かつてあった容姿に対する誹謗中傷問題も解決できそうです。

何事においても、「誰もが楽しめる」eスポーツが、実現される未来を望んでいます。

今改めて、eスポーツの価値とは何か。

なんともう5回も書いてきたこの連載なんですが、次回でラストとなります。

正直めちゃくちゃ長い時間をかけてこの連載を続けてきたので、何を書いたかっていうのが曖昧になってきているんですが、僕の願いはただeスポーツがより良い方向へ進んでほしいという思いただ1つです。

有名なプロゲーマーの方もよく言われていますが、eスポーツ、ゲームの魅力はやはり体格に恵まれていなくとも練習次第で誰にでもチャンスがあるということ。

それと同様に、誰もが楽しめるチャンスを持っているということであると思います。

僕は今までずっとeスポーツというテーマで記事を書き続けてきて、eスポーツからお金を頂く立場でしたが、これからはその恩返しという意味で、eスポーツにお金を呼び込む活動をしていきたいなと考えています。

次回の記事では、どのようにしてこれからeスポーツに貢献していくのかという夢の話をしようと思います。

良ければ見ていただけると幸いです。(第5/6回 完)

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