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電子工学部の本気を見せつけた全国大会!秘訣は「コミュニケーションの取りやすさ」砺波工業eスポーツチーム『5$s』

さて、今回は富山県立砺波工業高等学校(以下、砺波工業)の電子工学部eスポーツ班【5$s(ファイブダラーズ)】のオンライン取材の模様をお届けします!

5$sは3年生4名、2年生1名で構成されている同校1軍チームです。

ロボット制作が活動の主だった電子工学部からeスポーツ班が誕生した2019年以降、LoLチームを中心に高校生大会へ参加してきましたが、惜しくも予選敗退という状態が続いていました。

そして今年3度目の参加となった『STAGE:0 2021』では、とうとう予選の中部ブロックを勝利し決勝大会に進出‼
予選ブロックの決勝試合では同大会でも珍しい40分超えのシーソーゲームを繰り広げ、プロでもあまり見られない「バックドア」という戦法で勝利を収めたことは大会関係者に衝撃を与えました。

eスポーツの高校生大会ではオンラインや通信制高校の台頭が注目される中、県立高校からここまで勝ち進めたその秘訣とは?

見事全国ベスト8という結果を収めた【5$s】の皆さんにお話を伺いました♪(取材日:2021/9/14)

砺波工業の前回の取材はコチラ

5$s(ファイブダラーズ)
写真左から…川邊悠斗くん/yuyu2(高3)、徃藏慎太郎くん/003shin(高3)、森岡悠真くん/umaumauma(高3)、山田柊哉くん/Yshuya(高3)、門田崚佑/daradara1011(高2)

◆活動実績
2019年
・STAGE:0 2019 LoL部門出場
・第2回全国高校eスポーツ選手権 LoL部門出場
2020年
・STAGE:0 2020 LoL部門出場
・第3回全国高校eスポーツ選手権 LoL部門出場
2021年
STAGE:0 2021 LoL部門 中部ブロック優勝 全国ベスト8

40分越えの試合を制するも、反省点は多かった

ーー本日はよろしくお願いします!5$sの皆さん、先日行われた『STAGE:0 2021』ではLoL部門の全国ベスト8お疲れ様でした!
部長の川邊くん、中部ブロックを初めて突破して、決勝大会へ進んだ時の感想を聞かせてください。
「最初は信じられなかったです。長い試合でしたので最後は疲れました…(笑)。勝ったのは嬉しいんですが、結構自分でもミスが多かったのと、最後の作戦で勝てたようなものだったので。反省点も多い試合でした。」
ーーブロック代表決定戦では、双方優位に傾きながら長丁場の試合を制していましたよね!とても熱い試合だったと思います。
終盤にエルダードラゴンを捉えていると見せかけ、隙をついて本拠地を落としに動いのは誰が判断して行動したんですか?
「いつもあんなことをしていた訳ではないんですが、あの場面で徃藏くんが『こうしたほうが良いんじゃないか』と作戦を切り替えたのがきっかけでした。上手く決まって良かったです。」
ーーあの時は徃藏くんからの声掛けがあったんですね!いや~本当に白熱した試合で、こちらも胸が熱くなりました。大会はオンラインで配信されていましたが、周りからの反響はありましたか?
「クラスメイトから『お疲れ』って声かけてもらったり、Twitterで中学の頃の友達とかからメッセージがきました。」
「インタビューの最中にキーマカレーの話をしていたのを見られて、後で友達にいじられました(笑)。」

◇コミュニケーションの取りやすさが勝因

ーー今年度、砺波工業のチームとして初めて全国大会の決勝に進んだわけですが、ブロック代表を制することができた要因は何だったと思いますか?
「やっぱり日頃チーム練習メインにやっているので、コミュニケーションの取りやすさが勝因だったと思っています。2年生も混ざっていますが、先輩後輩の垣根なくチームワークが取れていたのも良かったです。」
「そうですね…。味方に助けられたのが大きいです(笑)。」
ーーなるほど!5$sはチーム練習を集中して行っていたんですね。森岡くんは随分謙虚ですね(笑)。他の皆さんはどうですか?
「運が良かったと思います(笑)!決勝試合はあのキャラクターを試合で使う気が1ミリも無かったので、最近全く触っていなかったんです。結果オーライでした(笑)。」
「僕が途中でミスってシーソーゲームになってしまったので…。山田先輩が何回もクアドルキルしてくれて本当に良かったです(苦笑)。」
ーーそうだったんですね。それでは川邊くん、決勝大会での試合について感想聞かせてください。
「そうですね…。結構悔しさはあります。」
ーーチーム全体の戦略はどうやって決めていますか?
川邊「僕と徃藏くんが戦略をまとめることが多いです。」
ーーお二人くんが中心なんですね!では川邊くん、部長としてチームをまとめるために心がけていたことはありますか?
「誰よりも大きい声を出して指示を出すことです!もう試合中はみんなうるさいので(笑)。他の声をかき消して声を出しています。」
ーーおお!それは意外な回答でした(笑)。僕の声を聞け!って感じでしょうか。その結果動きに統制がとれていったというわけですねー!

◇電子工学部のモノづくり活動はコロナの影響で厳しく

ーー電子工学部eスポーツ班の、現在の活動状況を教えてください。

藤田先生「緊急事態宣言が発令されていましたので、部活動は開始許可が出たばかりです。丁度昨日から学校での練習を再開しました。『STAGE:0』の中部ブロックに参戦していた時、チームメンバーは誰もPCをもっていなかったので、学校で練習するしかなく苦労しました。」

ーー元々電子工学部はラジコンやロボット制作をして高校生のモノ作りコンテストに出場されたりしていましたよね。そちらの活動も休止中ですか?

藤田先生「コロナの影響でロボットの大会も中止になったり、参加校が半分にまでになったりと全国規模の大会が大幅に縮小されました。モノ作り班は富山県内のプログラム大会や検定はありますが、会場での開催が無いということもあり、正直この1年はeスポーツの練習が中心になっています。
モノ作り班の部員もAPEXの大会に参加してみたりしているんですよ。」

◇5$sは5人のチーム!

ーー川邊くん、『5$s』は一言でいうとどんなチームですか?
「1人のチームというわけではなく、5人のチームという感じです(笑)。」
ーー昨年は、3年生の中心選手1名に頼っているというコメントがメンバーから頻出した5$sでしたが、今はチームとして全員がまとまって感じがしますね!徃藏くんは昨年も5$sとして大会出場していましたね。チームメンバーが入れ替わることでどんな変化がありましたか?
「このメンバーになってから、自分の考えを反映させて試合運びができるようになりました。自分自身、試合に関する理解度が以前より深まったと思います。」
ーー一皮むけた感じがしますね!

◇eスポーツがきっかけで県知事に表敬訪問!?

ーー学校でeスポーツをするようになって、良かったことや大変だったことがあれば教えてください。
「部活ではテストで赤点を取ってしまうと活動停止になるので…。赤点を取らないように頑張るようになりました(笑)。」
ーーおお!赤点は取らないで済みましたか?
山田「いえ…そうでもないです(笑)。」
ーー(笑)。他の皆さんはどうでしょう?
「自分の練習と並行して勉強することが大変でした!」
「頑張って(大会で)結果を出したおかげで、県知事に表敬訪問をしたのが良い経験でした。」
ーー県知事に表敬訪問ですか!?

藤田先生「富山県eスポーツ連合の方と繋がりがありまして、知事に表敬訪問の機会を頂いたんです。」

ーーなるほど、そうだったんですね…!それはなかなか無い経験だと思います!
「僕は、今の代で無理やり部長指名されたのが大変でした…(苦笑)。」

藤田先生「昨年までは生徒が話し合って部長を決定していたのですが、川邊くんはもう一人の顧問の先生の鶴の一声で決まりまして(笑)。彼は成績も良いし、しっかりまとめてくれるだろうと任せることになりました。」

ーー川邊くんからすると青天の霹靂だったんでしょうか(笑)。
「あとはそうですね…。大会の頑張りのおかげで、焼肉を食べに行けたのが良い思い出です(笑)!本当は、オフライン戦で東京に行きたかったです。秋葉原に行きたかった…(笑)!」
ーーそうだったんですか(笑)。今回『STAGE:0』はコロナの影響もあり、東京の学校のみスタジオで参加できる状況でしたので残念でしたよね。

◇今後の目標について

ーー各々、個人的もしくは部活動で今後の目標があれば教えてください!
「ゲームのランクをできるだけ上げます!今はゴールドです。」
「できるだけこの代で勝ち、頑張って経験を積んで来年チームを引っ張っていけるようになりたいです。」
ーー門田くんはこの中で唯一2年生ですもんね。来年はおそらく門田くんを中心にチームが構成されるのでしょうから、背負うものを今から覚悟しているというのは素晴らしいです!
「次の大会でも、また勝ち上がりたいので、より正確な指示を出せるよう動画など見て勉強していきたいです!」
「就職したいです!」
「頑張って進学したいです!」

◇富山県でのeスポーツの広がりを期待(藤田先生)

ーー富山県の高校は、まだあまりeスポーツ部が少ないように感じますね。

藤田先生「そうですね。eスポーツ班は3年ほど活動していますが、ありがたいことにテレビ愛知の取材を受ける機会等があり生徒たちにも良い刺激になっています。ただ残念なことにテレビ東京系列はこちらでは視聴することが出来なくて…(苦笑)。もっとeスポーツに対する世間の認知が広まっていってほしいですね。

富山県内でも私立の学校は取り組みやすいと思いますが、回線の問題などがあり公立高校にはあまり広がっていない印象です。導入したい学校は沢山あると思いますよ。

生徒たちは本当に一生懸命練習と向き合っていて、適当にゲームをやっているわけではありません。勝つために練習するという面では普通の部活と変わらないです。その辺り含めてもっと理解が深まれば学校でも前向きに取り組むことができるようになると思います。」


いかがでしたか?
昨年取材を行った際は、チームリーダーにプレイヤースキルや指示に頼っていると皆口をそろえて話していましたが、メンバーが入れ替わった今年度のチームは個々が大会参加や練習を積み重ねた結果、自分のプレイに対する自信が持てているように感じます。

コロナ渦もあり学校での練習時間が限られる中、eスポーツ活動は自宅でもオンラインでつながれるというメリットがあります。
今まで部活動は「学校でやるもの」から、帰宅後も友達と協力して共通の物事に打ち込めるという活動に変化してきているのかもしれないですね!

「大変な時期もあったけど、あの時こんな風に部活で頑張ったよ」と数年後の彼らが楽しそうに話す姿が想像したくなる取材でした♪

ゲーマーゲーマーでは引き続き高校eスポーツ部に取材を続けていきます☆次回をお楽しみに。

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