そこにあるのは濃厚エピソード!? – 浜松学芸高校eスポーツ部

今回は静岡県にある浜松学芸高等学校(以下、浜松学芸)のeスポーツ部を取材しました!
『第4回全国高校eスポーツ選手権』のリーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)部門でブロック予選の準決勝まで進出した浜松学芸eスポーツ部。

有名なスタジアムで開催した体育祭でのエピソードやまさかの英才教育!?についてなど様々なお話を伺いました!

前列左から…川端大介くん(高2)、岡田悠希くん(高1)、長尾友樹くん(高2)
後列左から…梶田健斗くん(高2)、木村友洋くん(高2)

プレイするだけじゃない!eスポーツ部の地域貢献

――本日はよろしくお願いします!早速ですが、eスポーツ部に入っていたからこそできた経験はありますか?
「僕たちがプレイしているタイトルは5対5のチームゲームなので、他の運動部と同じように味方同士で声を掛け合ってプレイするんです。ゲーム以外の活動として体育祭でeスポーツ大会を行ったのですが、大会やイベントの運営に関わることができたのは良い経験だったと思います。」
――eスポーツ部と言えば文化部というイメージがあるので、体育祭でのイベントとは驚きました。文化祭でeスポーツの大会を行ったわけではないんですね!
「そうですね。体育祭で大会を行って、文化祭ではeスポーツの体験会をしました。」
――学校祭全体で二度イベントを行う部活ってなかなかな無いですよね!他にも思い出深い経験はありますか?
「1年生の頃に老人ホームの方と一緒にeスポーツを通して遊ぶという機会がありました。そういったことは経験はなかなか得られるものではないですし、eスポーツを盛り上げていこうとしている企業さんと協力する機会を頂けて、とてもいい体験だったと思います。」

――学校内だけでなく地域貢献という面で学校外でも活動しているんですね!次に、1年間eスポーツをしてきて成長したと感じることはありますか?
「今まで遊んできたゲームは1人プレイ用ばかりだったのですが、LoLは協力が必要なゲームなんです。人と協力してプレイできるようになったのが成長したところだと思います。」
「試合時間が平均30分以上かかるので、集中力が続かないと負けに繋がってしまうんです。なので集中力は鍛えられたと思いますし、それが勉強に活かせていると思います。」
――ゲームの良い効果を得られているんですね!他の方は成長したと感じることはありますか?
「今まで自分が楽しければいいというゲームばかりプレイして、eスポーツとして捉えていなかったんです。eスポーツ部に入部してから様々な年代の方にゲームについて紹介する場があったのですが、相手に合わせた説明ができるようになったと思います。」

大会はチームとしての実感が湧く

――浜松学芸eスポーツ部は『第4回全国高校eスポーツ選手権』LoL部門でGブロック準決勝まで進出しましたが、この中で出場した方はいますか?
「3年生と僕が出場しました。」
――梶田くんも出場したんですね!大会に出て楽しかったことはありますか?
「大会だとちゃんとしたチーム対チームなので、普段ゲームをプレイしている時とは勝つための要素が全く違うんです。チーム内でのコミュニケーションをしっかりとって、お互いにベストな状況を作り上げるために考えて動かないといけない状態が続くんですが、やっていて楽しいですね。また勝っても負けてもチーム内で反省することができて、チームとして活動していると感じられるのが楽しかったです。」
「初めて大会に出たときはとても緊張したのですが、集団戦や味方との声かけなどが上手くいったときは楽しいと感じますね。」
――確かに大会だと緊張するかもしれませんが、そんな中でも練習通りの連携ができると楽しいですよね。他の方は大会に出て楽しかったことはありますか?
「入部前も別のタイトルで大会に出たことがあったのですが、LoLはプレイ歴が短いこともあり、初めて出場した大会で圧倒的な力の差を感じる相手と対戦したんです。その時は悔しいよりもスゴイという思いが強かったのですが、いずれ僕たちもこんなプレイができるようになるのか、という想像が今の原動力となっています。」
――最初の鮮烈な印象が、頑張ろうと思うモチベーションになったんですね。それでは皆さんの今後の大会での目標を教えてください。
「次の『STAGE:0』では、静岡県を含む中部ブロックの少ない枠を勝ち取って全国大会に出場したいと思います。」

エコパで体育祭を開催したものの…走り回った記憶

――体育祭で大会を開催したとのことですが、どのタイトルで開催したんですか?
「スプラトゥーンを選びました。僕たちが普段プレイしているLoLみたいに、人と協力して戦えるタイトルを選びたいと思って、スプラトゥーンにしました。」
――確かに協力するゲームならeスポーツ部としての活動を知ってもらうきっかけにもなりますよね。大会を運営して大変だったことはありますか?
「体育祭の昼休みの時間を使って大会を開催して、試合の間の時間を減らす努力はしたのですが、時間が予定よりオーバーしてしまいました。また先生方にも対戦してもらう予定だったのですが、先生を呼びに行くのに手間取ってしまいましたね。開催場所がエコパだったのもあるのですが、初めてだったので上手くいかなかったです。」

※エコパ…静岡県袋井市にある小笠山総合運動公園エコパのこと。Jリーグやラグビーの試合が行われています。2019年開催のラグビーW杯では、日本代表がアイルランド代表にエコパスタジアムで勝利しました。

――エコパで体育祭をやったんですか!?規模が違いますね(笑)。先生を呼ぶのに手間取ったとのことですが、何が問題だったんですか?
「連絡手段がなくて…。直接呼びに行くしかなくて走り回っていたことですね(笑)。」
――なるほど(笑)。ちなみに文化祭ではどんな体験会を行ったんですか?
「スマブラとスプラトゥーンの体験会を行いました。来てくださる方々がゲームを楽しんでいる方だけだとは限らないので、いきなり来てくださった方にLoLをやらせるわけにはいかないということで有名なタイトルを選びました。」

RTAをするためにタイトルを選んだがまさかの…

――岡田くんは、冬休みに苦手な教科を勉強したいそうですね。どの教科が苦手なんですか?
「現代文です。漢字は書けるんですけど、いざ小説などを読んでいくと急に分からなくなるというか、読解が苦手ですね。」
――苦手科目に取り組むガッツは素敵ですよ!今熱中しているものはRTA※とのことですが、何のRTAをしているんですか?

※RTA…リアルタイムアタック(Real Time Attack)の略

「ドンキーコングですね。走者が少ないというのが理由なんですけど。」

(一同笑い)

――なるほど!そうなんですね(笑)。そもそもなぜRTAを始めたんですか?
「僕が見ている配信者がマリオのRTAをしていて、世界一になったり、獲られたら奪還したりしているのが面白かったんです。それで自分もやってみたいと思って調べたらドンキーコングが走者が少ないとのことだったので始めました。」
――ライバルの少ないところを選んだんですね。木村くんは朝ドラにハマっているとのことですが、朝ドラを見てから学校に行っているんですか?
「コロナで登校時間が遅くなった時に朝ドラを見たのがきっかけでした。今は登校時間が戻ってしまったので見れるところまで見ています。」
――ギリギリまで見ているんですね。でも次の日に見て、話の繋がりが分かりますか?
「できる限り全部見てから行くので…(笑)。」

趣味の幅が広いeスポーツ部員!

――川端くんは漫画を読むことが趣味とのことですが、どんなジャンル・タイトルが好きなんですか?
「特に好きなジャンルはないんですが、『七つの大罪』が好きですね。連載が終わってしまったし、ちょっと前には作画崩壊とか言われていて悲しかったんですけど…。あとは『かぐや様は告らせたい』のようなアニメ化した漫画をよく読みますがアニメはほとんど見ないです。」
――アニメより漫画派なんですね。同じく趣味で音楽を聴くそうですが、どんな曲をよく聴くんですか?
「YouTubeで流行りの曲を聴いておすすめに出た曲を聴いているので、特定の音楽やグループが好きというわけではないですね。」
――自動再生にしていると無限に聴いちゃったりしますよね…わかります(笑)。最近のお気に入り曲はあるんですか?
「ずっとYouTubeで音楽を流しているせいで好きな曲が多くて選べないです(笑)」
――いろんな音楽を広く聴けてるのは良いですね!さて梶田くんはカードゲームが趣味とのことですが、どのカードゲームをやっているんですか?
「ポケモンですね。対戦会があるのですが、そういったものにも参加しています。」
――ポケモンカードの対戦会ですか!アクティブですね。最近はYouTubeでポケモンカードの動画を上げる人が増えていますが、集めるのが好きですか?それとも対戦する方が好きですか?
「僕は対戦するのが好きですね。集めるのは興味ないんで。」
――興味なしですか(笑)。でも対戦するにしてもパックからカードを集めるのは大変ですよね。そのあたりはどうしているんですか?
「僕は昔から使っているデッキがあるので気にならないんですけど、今はカードの値段が高騰しているので、金銭面でプレイするのが厳しくなっていますね。」

日本語を話すよりもローマ字習得が先だった!?

――長尾くんはCG制作をしているとのことですが、どのくらい前からCGを学び始めたんですか?
「元々父親が車関係の仕事でCGをやっていて、5歳の時にそれを見てやりたいと僕が言ったらしく、6歳の時にCGが作れるPCをもらいました。」
――それは完全に英才教育ですね!(笑)。でもその年齢で高スペックなPCを扱えたんですか?
「3歳の頃には親のおさがりでPCを貰っていたんですが、キーボードとマウスで手いっぱいだったらしいんですよ(笑)。でも僕が話せるようになったのは4歳なんです。つまり話す前にPCを触っていたのですが、単純な言葉であればキーボードの方が早い、という感じだったらしいです。」
――いやいや、気になる要素がてんこ盛りですね!(笑)まず長尾くんは4歳まで言葉を話さなかったということですね?しかしPCのキー入力が出来て、言葉を打ち込んでいたと…。つまり日本語を話す前にローマ字を覚えていたんですよね。
「そうだと思います。母親が僕は4歳まで話せなかったことを覚えているので。」
――強烈なネタを持ってますね!幼児期に話し始めが遅い子はいると思いますが、キーボードの扱いを先に覚えるなんて面白いです(笑)。将来的にCGを扱う仕事をしたいと考えているんですか?
「今は趣味を仕事にできたらいいなと考えていて、情報工学系の進路を目指しています。」
――これまで作ってきたもので個人的に気に入っているものはありますか?
「上手く作れたものが増えてきて迷いますが、高校生になってから単純なものを作ってみようと作った、机のCGが傑作だったと思います。」

シャドウバースの大会出場、そして目指すは優勝!

――将来やってみたいことや就きたい職業はありますか?
「将来はパソコン系の、大まかに言えば理系の仕事に就きたくて。まだ勉強は始めていないですが、これから始めていきたいと考えています。」
「釣りをやりたいですね。小さい頃に時々行っていたこともあって、また行ってみたいです。」
「部活でプレイしているLoLですが、引退しても趣味として続けていけたらいいなと思っています。」
「高性能なPCやすごいゲーム環境でゲームをプレイしたいです。」
「シャドウバースの大会に出場して、一度でいいから優勝したいと思っています。長くやっているゲームですし自信もあるので、記憶に残る経験をしてみたいですね。」
――おお!優勝という目標、良いですね!以前大会に出たことはありますか?
「一度公式の大会に出たことがあるのですが、初戦で前回優勝者と当たって惨敗したのが苦い思い出です(笑)。ただ今度ES大会※というものに出場するので、そこでまずは全勝したいと思っています。」

※ES大会…シャドウバース運営がサポートする、個人・企業・団体が主催の大会のこと。景品のサポートも運営がしてくれる。

――皆さんありがとうございました!

いかがでしたか?

取材中に笑いが起こるなど、終始明るい雰囲気の取材で、面白いエピソードもたくさん聞くことができました!

特に長尾くんの言葉を話すよりもPCでのローマ字入力が先だったという話や、岡田くんの人口が少ないからRTAをするタイトルを選んだという話は強烈な印象を残すエピソードでした。長尾くんはシャドウバースの大会にも出場するとのことなので、ぜひ優勝目指してほしいですね!

ゲーマーゲーマーでは引き続き高校eスポーツ部に取材を続けていきます☆次回をお楽しみに!

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