弱冠18歳のRascal Jester期待のTOPレーナ―!Kinatu選手オンラインインタビュー

『League of Legends Japan League』(以下、LJL)のSummerシーズンが終了した9月某日、Rascal JesterのTOPレーナ―として活躍する高校生、Kinatu選手に独占取材を敢行しました!

過去には『Overwatch』(以下、OW)でもプロとして活動していたKinatu選手。なぜ今『League of Legends』(以下、LoL)でプロとして活動できているのか。そもそもなぜLoLに移行したのかなど、LoLに関することからKinatu選手自身のことまで、たくさんお話を伺いました!

♢Kinatu選手について

現在18歳の若手プロゲーマー。2020年までOverwatchのプロゲーマーとして活動していたが、2021年1月にRascal Jesterに所属しLeague of Legendsのプロゲーマーとして活動している。担当レーンはトップレーン(以下、TOP)。
また、以前には『チームATHLETEQ10からの挑戦状』にもご参加いただいております。

◇なぜLoLのプロに?

――本日はよろしくお願い致します!現在Kinatu選手はLoLのプロゲーマーとして活動していますが、元々はOWのプロとして活動していましたよね。なぜOWからLoLに移行したのでしょうか?

Kinatu選手「OWのゲーム性自体はとても面白いのですが、人口が少なくて国内で活動しているプロチームも2,3チームしかいなかったんですね。当時からLoLは人口もプロチームも多かったのでLoLに移行しました。」

――OWは昨年までプレイされていましたよね?

Kinatu選手「そうですね。昨年の7月頃までプレイしていました。」

――時期的にはちょうど『VALORANT』がリリースされたり、『Rainbow Six Siege』も競技シーンとして盛り上がっていたりと他のFPSが流行っていた最中だと思いますが、なぜ他のFPSではなくLoLを選んだのでしょうか?

Kinatu選手「VALORANTも流行るとは思っていたんですが、VALORANTを一から始めるよりその頃ランクがマスターくらいだったLoLを頑張ろうと思ったんです。」

――LoL自体はいつ頃からプレイしていますか?

Kinatu選手「LoLを最初にプレイしたのは4年ほど前なので14歳ですね。当時入っていたOWのチームのリーダーの人に『LoLを始めた方がいいよ』と勧められたのがきっかけで始めました。」

――チームのリーダーに勧められたんですか!?それは意外ですね。ちなみに中学生の頃からOWのプロとして活動していたのですか?

Kinatu選手「中学生の頃に当時アマチュアだったチームに入り、高校生になったくらいにプロになりましたね。」

◇猫が大好き!


――今LoL以外でプレイしているゲームはありますか?

Kinatu選手「実はLoL以外できない身体になってしまったんですよね(笑)。VALORANTもLJLのシーズンが終わったのでやってみたのですが、めちゃくちゃ下手になっていてFPSができない身体になってしまいました。やっぱり1年間やっていないとダメですね。」

――LoLのプロになってからeスポーツに関係のないタイトルもあまりプレイしていないんですか?

Kinatu選手「シーズン中はずっとLoLをしていましたし、他のゲームはまったくプレイしていないですね。」

――ちなみにゲーム以外で空いた時間にする趣味はありますか?

Kinatu選手「趣味といえる趣味は特にないですが、しいて言うならYouTubeで猫とかウサギとかの可愛いペットの動画を見ています。」

――可愛くて癒されますよね!ちなみにペットを飼うなら何にしたいですか?

Kinatu選手「猫がいいですね。今はゲーミングハウスに住んでいてペットを飼えないのですが、自分の家に住めるようになったら飼いたいと思っています。ラグドールやノルウェージャンフォレストキャットといった長毛種が好きです。」

◇プレイを見直せばプレッシャーやスランプの克服に繋がる

――LoLメンタルを保つためにやっていることはありますか?

Kinatu選手「シーズン中は試合内容によりメンタルが多少は揺れることもありますが、それを改善するために続けたのが生活リズムの見直しですね。朝起きて運動をしてから一日をスタートすることを意識したら心の状態が良くなりました。それなので生活習慣は大事だなと思いましたね。」

――シーズン中にメンタルが壊れそうになったこともあったそうですが、その原因はやはり大会に関するプレッシャーでしょうか?

Kinatu選手「スランプ的な状態に陥ったのはプレッシャーも要因だと思います。ただ、プレッシャーを感じてプレイが崩れるのはプレイ自体に問題があるんですよ。だからあとから自分のプレイを見直して悪い点を見つけて改善するようにしています。」

◇LoLの上達に必要なこと、そして尊敬する選手

――LoLを上達するためのコツはありますか?

Kinatu選手「LoLってやみくもにランクマッチをやっているだけでは、余程のセンスがない限り上手くなれないんですよ。それなので上手い人の動画を見るのが本当に重要ですね。」

――それでは、Kinatu選手がお勧めする動画投稿者はいますか?

Kinatu選手「Detonation FocusMe(以下、DFM)のEvi選手ですね。今のEvi選手の状態って幸せだと思うんです。日本のTOPの選手のランクはダイヤモンドIIからマスター辺りなのですが、Evi選手一人だけチャレンジャーなんですよ。つまり一人だけずば抜けているので敵がいないんです。僕もその状態までいきたいと思いながらやっています。」

――他の選手に聞いてもよくEvi選手の名前が挙がるのですが、Evi選手の魅力はなんですか?

Kinatu選手「やはり強さが間違いなく一番の魅力ですかね。あとはオフシーズンに解説動画を上げたりして、初心者がLoLに入りやすいようにしていることも尊敬しているポイントです。」

――初心者にも裾野を広げているというか、そういった活動も積極的なんですね。

Kinatu選手「初心者がTOPをやるとなったときに、まずはEvi選手の動画を見たらいいよ、という教科書を作ってくれていますね。LoLは初心者に難しい部分があるゲームなので、Evi選手の活動はとてもいいことだと思います。」

――Evi選手がずば抜けているとのことですが、実際にプロ同士でも差を感じることはありますか?

Kinatu選手「当然あります。僕自身レーニングはLJLの中だと4番目くらいだと思うのですが、Evi選手は圧倒的なのでその点で差を感じました。」

――Evi選手との明確な差は何だと感じていますか?

Kinatu選手「レーニング後のマクロ面は自信があるんですよ。逆にいえばレーニングを上手くできればDFMに勝てると思うくらいです!なので明確な差はレーニングですね。」

♢8月末から開催されているLJLアカデミーリーグについて


――LJLは新たな若手選手が出てきにくいというお話がありましたが、アカデミーリーグという取り組みについてどう考えますか?

Kinatu選手「自分がTOPなのでTOPの話になってしまうのですが、選手同士で差が出るのはチームゲーム的な動きをしているかどうかなんですね。例えば1vs1をずっとしていてもいずれはジャングラーが絡んできます。そこで味方や敵のジャングラーがどういう動きをするのかを考える必要があるんです。しかし恐らくアカデミーレベルだと1vs1だけをしがちになってしまうこともあると思うんですよ。その時にチーム的な動きをできるか否かがプロとアカデミーの差だと思います。ただアカデミーはまだチームとして長いわけではないので、今はフィジカル面の強さを見る場かなとも思っています。」

♢デバイスへのこだわり

――Kinatu選手はデバイスへのこだわりはありますか?

Kinatu選手「マウスに関してはありますね。今はLogicoolのGPRO X SUPERLIGHTを使っているのですが、めちゃくちゃいいです。これまで色々なマウスを使ったのですが、これが間違いなく一番です!他のマウスはもう使えないですね。」

Kinatu選手とLogicool GPRO X SUPERLIGHT

――MOBA用のマウスは使わないのですか?

Kinatu選手「あまり使おうとは思わないですね。クリックミスなどが出ちゃうと気になるので、デバイスは手に合うものを使わないといけないと思います。クリックボタンとサイドボタンがあれば十分だと思っています。僕自身サイドボタンは一個しか使わないので。」

――GPRO X SUPERLITEの優れている点や気に入っている点は何ですか?

Kinatu選手「マウスがめちゃくちゃ軽いことですね。最初持った時は分からなかったんですが、これを持った後に他のマウスを持つと重たく感じるんですよ。使っていてもマウスに違和感がないし、最高ですね。」

――なぜ白色のGPRO X SUPERLITEを選んだのでしょうか?

Kinatu選手「このマウスを買いたいときに、白が新色だと知ったので選びました。」

――ちなみに何色が好きですか?

Kinatu選手「大体水色や赤色と答えていたのですが、最近そうでもないんですよね。赤系の色が好きだったんですが、白色の毛の猫の動画とかを見ていたら白色が好きになっていました。ということでここは白と答えておきます(笑)。」

♢敬語が苦手なKinatu選手と、チームメンバーとの関わり


――Rascal Jesterのメンバーには年齢が離れている選手もいますよね。最初は慣れるのに時間がかかりましたか?

Kinatu選手「皆固い人ではなく子供らしい一面もあるので、すぐ馴染めました。」

――ちなみに普段会話するときは敬語なんでしょうか?

Kinatu選手「最初は敬語だったんですが、僕の敬語が下手で。敬語とタメ口が混ざっていると指摘されたので、全部タメ口にしました。」

――Kinatu選手がチームに入ったとき、ゲーミングハウスで歓迎会などは行いましたか?

Kinatu選手「そういったことは特になかったですね。ただご飯を食べ終わったときにポーカーをして負けた人が食器を洗うみたいな感じで遊んでいたことはあります。」

――普段の食事はキム監督が作っているとのことですが、好きな献立はありますか?

Kinatu選手「先日焼き肉をやったのですが、その時食べた牛タンが美味しかったです!」

――ちなみにご飯はどのような時間に食べているのでしょうか?

Kinatu選手「朝ごはんは各自適当に食べるのですが、昼ご飯が夕方の6時頃で夜ご飯が夜の10時頃という特殊な時間になっています。スクリムとの兼ね合いでこうなっているのですが、ゲーミングハウスに来た時に変な食事の時間だなと思いました。」

――確かに少し変わっていますね。昼ご飯が午後6時、夜ご飯が午後10時だとお腹空きますか?

Kinatu選手「空かないですよ(笑)。僕は朝起きて運動して、という生活サイクルなので違和感が凄いですね。」

――Kinatu選手は何時ごろに起きて何時ごろに寝るんでしょうか?

Kinatu選手「普段は朝の10時頃に起きてソロランクをして、午後3時から午後11時頃までスクリムがあって、そのあとにまたソロランクを午前0時から午前1時頃までやって寝る、というサイクルです。ただ僕もスクリムに負けたりソロランクで上手くいかなかったりすることがあるんですよ。そうするとどうしても練習したくなって遅くまで練習するので、お昼に起きることもあります。」

♢LJLの感想、そして目標

――LJLのシーズンを通しての感想を教えてください。

Kinatu選手「プロとして活動を始めたばかりの頃はチームとの兼ね合いで自分のスタイルが全然定まらなくて、自分の練習スタイルが確立したのがLJL Summerのレギュラーシーズンが終わったころだったんですよ。そこからやっといい状態を作れて多くのことを学べました。今年は今までに持っていなかったチームゲームの知識を多く得られましたね。」

――最後に、今後の目標を教えてください。

Kinatu選手「日本人の全体のレベルがDFMを除くと同じくらいになっているので、その中で頭一つ抜けた存在になりたいです。」

――ありがとうございました!

経験が大切だと言われるLoLの国内リーグLJLで18歳にして活躍するKinatu選手のインタビューはいかがだったでしょうか?

特にプレイを改善するためにしていることや生活リズムを整えていることからはプロ意識の高さが伺えますね。その反面、ペットの動画を見ていることで好きな色が変わってしまうという意外な一面も見られました。
Twitterのアイコンがウサギになっている理由が分かる気がします(笑)。

LoLのプロとして駆け出したばかりのKinatu選手。これからの活躍と、世界で戦う姿が見られることに期待しています!

関連記事一覧