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《第2回》毛見誓也のコレで良いのか!? 日本のeスポーツ「だから僕はEスポーツを「スポーツだ」と叫ぶ」【連載全6回】

◆ 毛見誓也
洋ゲー、映画、自販機巡りが好きな高校生ゲームライター。ゲームを仕事にしたくてゲームクリエイターを目指すも、プログラミングと3DCGを学校で学びつつ同級生とのレベル差に悩み挫折を味わう。そんななかゲームライターという仕事を知り、海外ゲームのレビューや攻略ブログの運営をスタート。より多くの人に「面白い!!」と思ってもらえるような記事執筆を目指し日々邁進中。
◇洋ゲーのレビューや攻略、ニュースなどを紹介/げーむのはらわた

近年、eスポーツがアツい。

2018年の”eスポーツ元年”以降、多くのeスポーツ関連イベントが開催され、続々と企業の参入が進み、高校ではeスポーツが部活化しているなどゲーム業界が明るいニュースで持ちきりになりました。

さらに国内のeスポーツ市場規模は右肩上がりとなっており、Gzブレインの報告によると、2022年には100億円を超える見込みがあると予想されています。

今までは単なる子供の遊びとして見られていたゲーム。しかし、「eスポーツ」という競技面に注目されてからは、世間のゲームに対する印象を180度ひっくり返したと言えるでしょう。それくらい、eスポーツの力は強いのです。

その一方、eスポーツに懐疑的な人が多く存在するのもまた事実。ゲームの中毒性や不健全といった声、特にゲームを”スポーツ”と見ることに世間では賛否両論の声で溢れかえっています。

■ 消えないゲームへの偏見

そもそもゲームと聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?少なくとも、ここの記事を見ている皆さんはゲームに対して肯定的な意見を持っている人が多いと思います。

しかし世間ではゲームは「悪」とされているのです。ゲームをすると勉強ができなくなる、ゲームをすると暴力性が増す、ゲームをすると脳への悪影響が出る、ゲームをすると……と数え切れないほどのネガティブなイメージを持たれていることは皆さんご存じでしょう。

ちょっと前には”ゲーム脳”といった言葉が流行りましたよね。これは2002年に「ゲーム脳の恐怖」という本が出版され、マスメディアや教育者に支持され大きな話題になりました。具体的にはゲームをすると脳機能が低下するといった内容で、世間のゲームに対するイメージをより一層悪くしてしまいました。その他にもゲーム依存症やキレやすくなるなどといった意見が出ています。

とはいってもこれらの意見のほとんどはトンデモ理論だったり、科学的根拠のないデマがほとんど。特にゲーム脳に関しては、否定的な意見も研究者から多数出ています。

しかしTVや新聞などのマスメディアが大きく取り上げてしまうことで、世間のゲームに対する印象が悪くなり、ゲームは「悪者」にされがちです。そして今もなお、偏見は消えずに残り続けています。

■ eスポーツに対する著名人の反応

では、eスポーツはどうでしょうか。最近TVではeスポーツ特集やeスポーツ関連番組が放送され、世間の注目を集めています。そして、それらの番組はeスポーツに肯定的な内容がほとんどです。

しかし、先ほども述べた通り、eスポーツに懐疑的な意見が多いのも事実。最近は尾木ママこと尾木直樹氏のeスポーツに関する言及が話題になりました。

尾木ママは自身のブログで「eスポーツってどうなの?」という記事を投稿。「eスポーツはただのゲーム大会にしか見えない」、「それよりもゲーム依存症の心配の方が大きい」といった厳しい意見を述べていました。そしてこれには多くのゲーマーが反応して大炎上、結果として該当記事を削除する事態にまで発展したのです。

その他には元プロ野球選手の長嶋一茂氏が情報番組のeスポーツ特集を見て、スポーツじゃないと断言。「(eスポーツは)体力とか精神力は使うし、反応(反射神経)とか判断とかはスポーツと共通している部分があるけど、スポーツってのは全身を使うものなわけ。」と持論を展開し、ネットでは大きな反響を呼びました。

■ e”ゲーム”

上記の2人のような実際にゲームをプレイしていない人たちからは、eスポーツをあまりよくみられていないようですね。実際、僕の周りの人たちも同じような意見でした。

そう感じたのは、この前TVで放送していたステージ0のダイジェスト映像を家族で見ていた時。母はeスポーツにはあまり興味がないものの、ゲーム好きな息子の話に合わせようとみていてくれました。僕も母にeスポーツの良さを伝えるために色々説明していたのですが、その後「eゲームって面白いね。」と言い残して部屋に戻ってしまいました。しかし、気になったのは部屋に戻ったことではなく、母がe”ゲーム”と呼んでいたことです。何回訂正してもそう呼ぶのです。そこで僕は、母がゲームを”スポーツ”と呼ぶことに少し抵抗があるとハッキリ感じました。

さらに僕のクラス担任の先生もeスポーツに関して言及していました。それはあるクラスメイトが休み時間に教室で「PUBG mobile」をプレイしていた時。先生が近寄ってきて、「お、それって今話題の”e”スポーツってやつか?でもこんなゲームがスポーツな訳ないよなぁ(笑)。」と話しかけていたのです。

おそらくこれらの意見が出るのは「スポーツは体を動かすもの」という固定概念のせいだと思います。確かに辞書を引くとスポーツは「遊戯・競争・肉体的鍛錬の要素を含む身体運動の総称。」と出てくるので、あながち間違いではありません。

ですが、チェスや将棋といったマインドスポーツやモータースポーツなど、競技のことをスポーツと呼称することも多いです。eスポーツは非常に高い思考能力を用いるので、マインドスポーツの一種ともいえますよね。

なのでゲームを使って対戦する”eスポーツ”は、れっきとしたスポーツと言えるでしょう!!

■ 「ゲーム障害」が正式に認定される

しかし、2019年に事態は大きく動きます。なんと世界保健機関WHOが正式に「ゲーム障害」を認定したのです!

これは2019年5月25日、WHOの加盟国の投票によって、「ゲーム障害」を精神疾患として認定されたもの。正式な発効日は2022年1月とのことです。

ゲーム障害のおもな症状は以下の通り
・ゲームをする時間を自分で制御できない
・何よりもゲームを優先してしまう
・悪影響が出てもプレイしてしまう

そして上記の症状が12カ月以上出た場合に、「ゲーム障害」と認定されます。

しかしアメリカ精神医学会(APA)はこれらの発表に対して、「ゲームがもたらす悪影響に関しては研究中なので、今決めつけるのは早すぎる。」といった否定的なコメントを寄せています。

■ 本気でやればスポーツ

ゲームをスポーツとして捉える人たち、ゲームを病気とみなす人たち。今、ゲーム業界は大きな岐路に立たされているといっても過言ではありません。

ですが、個人的には世界的組織であるWHOに認定されてしまったことで、世論はゲーム否定派に大きく傾いてしまったと思います。まだこれといった影響は出ていませんが、マスメディアがこぞって取り上げ始めれば、必ずeスポーツシーンに影響が出ます。

そして個人的に懸念しているのが高校のeスポーツ部。学校という環境ではあまり活躍できないゲーマーたちですが、ゲームが部活という形で周りに認められれば、ゲームを真剣に楽しめますよね。しかし、ゲームは悪影響を与えるという考えが広まれば、部活も認められなくなり、eスポーツが楽しめなくなってしまうでしょう。

しかし、ゲームは楽しくプレイできるだけでなく、真剣にプレイすればスポーツと同じく自らの成長にも繋がるのです。

僕もeスポーツ選手というわけではないのですが、今「ApexLegends」というゲームを兄弟2人と一緒に本気で取り組んでいます。そして上位0.2%のプレイヤーが集う最高ランク帯”Apexプレデター”へ入るために、日々プレイ中です。今は戦術面を強化するために、ゲームプレイ以外にも録画した試合を見ながら3人で話し合ったり、ダメだと思ったことをノートに書き出して改善するなどといった行動を毎日実践しています。僕は今までなんとなくゲームをプレイしていただけですが、強くなるという目標を持ってからは、本気で取り組む楽しさや努力の大切さ、負けても諦めない強い意志を知ることが出来ました。

eスポーツとは、「ゲームを楽しく真剣に取り組む」こと。サッカーや野球、そしてゲームだって本気で取り組めば”スポーツ”です。

だからこそeスポーツが流行し始めた今、本気でゲームを楽しみましょう。そして日本中をeスポーツの熱気に包むことが出来れば市場規模も拡大し、海外のeスポーツシーンだけでなく他の業界と肩を並べられるはずです。そうなれば世論も大きく変わっていくことでしょう。

さぁ、”ゲーム”という素晴らしいものを、eスポーツを通して広げていこう!!(第2/6回 完)

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