eスポーツプロフェッショナルVol.2 V3 Esports Awakerコーチに聞く『コーチ』という仕事【後編】
〇セカンドキャリアとしてのコーチは不人気……?
――コーチはどのようにしたらなることが出来るのでしょうか?
Awakerさん「なりたいのならばなることは出来ると思います。ただ、コーチになるためには2つのルートしかないと思っています。1つはたくさんコーチングの勉強をして、自身を売り込んでどうにかチームに所属し経験を積むこと。2つ目はプロ選手になること。この2つしかコーチになる道はないと思います。」
――コーチとして正式に入るというよりは、経験を積んで入るという感じなんですね。
Awakerさん「学校の方やLJL関係者ともお話する時には、コーチを育て上げる環境を整備しなければまずいというお話はよく聞きます。しかし、今そのような取り組みはどこも行っていません。ましてやコーチになりたいからプロ選手になるという方もいないと思うので、とにかく熱意をもってアプローチすることが重要なのかなと思います。」
――ちなみにプロ選手がセカンドキャリアとしてコーチに就任することは多いのでしょうか?
Awakerさん「少ないですね。なぜならコーチの大変さを一番知っているのは選手だからです。僕の時はコーチの大変さを知らなかったからコーチをやりたいと思ったんです。そのため、今のコーチの姿を見てコーチをやりたいという選手はいないと思いますね(笑)。」
――ではセカンドキャリアとしてのコーチはアリなのでしょうか?
Awakerさん「やりたいと思えばできると思います。選手時代よりも給料も下がってしまうと思うのですが、それでもやりたいって思うなら取ってくれるチームは多いと思います。でもそういった選手はあまりいないですね(笑)。」
――相当コーチ業は大変ということなんですね。
Awakerさん「見ている側からしたらコーチって楽なのかなと思われていることもあるかもしれません。でも実際は大変なことも多く、選手のセカンドキャリアとしても成り立つと思いますね。」
〇自信か知識か。コーチに必要なこと
――コーチに求められることってどんなことですか?
Awakerさん「自分をコントロールできる方、自分を理解できる方でないと難しいと思います。あとは目標を設定できることも大切です。その他にはコミュニケーション能力も大前提ですよ。」
――自分を理解せず人に教えることは難しいということですね。
Awakerさん「あとは自信、もしくは根拠を裏付けできるだけの知識ですね。そのどちらかが絶対に必要です。自信なさそうに教えていたら、選手たちも不安になってしまうと思います。逆に自信がなくても根拠が裏付け出来れば選手たちも聞いてくれるとは思います。でもどっちもないのであれば、コーチではなくなってしまいます。」
――こう聞くとプロ選手を経験している方がコーチには向いていそうですね。
Awakerさん「韓国ではプロを経験していないコーチもいらっしゃいますね。アシスタントコーチを経験してヘッドコーチになる方が多いですね。」
――経験が大事ということですか?
Awakerさん「大事なことっていくらでもあるのですが、失敗から学ぶことが大切です。それでも結局はコミュニケーション能力に尽きると思います。コーチングに必要な知識があってもコミュニケーション能力がなければコーチを務めることはできませんからね。」
――ではコーチにはどういった人が向いていると思いますか?
Awakerさん「相手のことを理解することが好きな人や、言語化が得意な人だと思います。ゲームを見ることが好き、分析が好きってコーチに必要な能力ではないと思います。そこは勘違いされることも多いと思うのですが、ゲームに詳しい人が向いているとは思っていません。そういうのがコーチだという人は現役コーチの中でもいるんです。もちろん選手の中にもいると思います。ここに関しては非常に難しい問題ですね。」
――確かにそこの線引きは難しいですね。
Awakerさん「ただ1つ言えることは、コーチは選手に教える人ではなく、選手を成長させる人だということです。」
〇失敗を経験するためにはまず行動!
――コーチを目指す方へやった方がいいことはありますか?
Awakerさん「なんでもいいので失敗を経験しておくこと、あとは自己分析を出来るようになることです。あとは自分を売り込む、活動できる場を探すことですね。」
――とにかく行動あるのみですね。では最後にコーチを目指す人へ一言お願いします!
Awakerさん「コーチになりたいのなら挑戦してください。行動しないとなれないので、とにかく自分から動くことが大切です。LoLのコーチの中にはプロ経験がない人もいるので、頑張ることが出来れば誰でもなることはできるはずです!」
――本日はありがとうございました!
eスポーツのコーチがどのようなお仕事をしているのか、今回の取材でよ~く分かったのではないでしょうか。人に指導するだけのお仕事だと思われがちですが、実際はただ答えを教えるのではなく、選手自身が成長をするための導きを行う仕事だということがよく分かりましたね。こうしたAwakerコーチのような存在によって、選手が最大限のパフォーマンスを発揮しているのでしょう。
今後とも本連載ではeスポーツに携わるお仕事を頑張る人たちを追っていきます!次回もお楽しみに☆
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