格ゲープロ 神園選手が見る格ゲーの”リアル” 【前編】

eスポーツが普及し始め、今では高校の部活として採用され始めている現代。FPSやMOBAがユース・カルチャーに浸透し競技として採用される中、かつての王者であった格闘ゲームも今では下火となっています。

そこで格闘ゲームの今やこれからを、格闘ゲームのプロチーム『Pro Gamers World(PGW)』に所属するレン選手に続き、今回は同チームの神園選手に熱く語ってもらうことに!神園選手に色々お聞きしちゃいましたよ!!

神園選手が考える格ゲーの魅力、そして格ゲーのこれからは一体どんなものなのでしょうか?リラックスして臨んでいただいたインタビュー中の様子と、ユニフォームを着たときのキリっとした表情のギャップにもドキッとしちゃいました!それではお写真と共に取材内容をお届けします!

〇神園選手 プロフィール


【現在力を入れているタイトル】
『ソウルキャリバーⅥ』

『ソウルキャリバーⅥ』だけではなく、『ギルティギア』や『ブレイブルー』などの強豪としても知られるプレイヤー。プロとしての活動はもちろん、様々なタイトルの解説・実況者としても大会で活躍している。

PRO GAMERS WORLD 公式HP
https://progamersworld.com/

〇自分のやりたいと思えたゲームに真っ直ぐ


――本日はよろしくお願いします!早速ですが、神園選手の考える格闘ゲームの魅力を教えてください!

神園選手「白黒の結果が分かりやすいというのが魅力の1つですね。格ゲーって練習したことが結果として出やすいし、練習したことが裏切らないんです。昨日できなかったことができるようになったり、昨日勝てなかった人に勝てるようになったりなど、成長を感じやすいゲームだと思います。そういったことが凄く分かりやすいし、気持ちいいんです。」

――成長の感じやすさが魅力なんですね。では現在神園選手はどんなタイトルをプレイしているんですか?

神園選手「『ソウルキャリバーⅥ』がメインではあるんですけど、最近出た『バーチャファイターe-sports』や『ギルティギアストライヴ』などもプレイしています。」

――色々なタイトルをプレイされているのですね!

神園選手「今って以前と比べて格ゲーの大会が少ないんですよ。特に『ソウルキャリバーⅥ』は下火で大会が少ないということもあり、色々なゲームをプレイしています。また自分はゲームの移り変わりが結構激しく、集中的に特定のゲームをやってしまう時期があるんです。でも今はまた『ソウルキャリバーⅥ』に戻ってきました。」

――色々なゲームをプレイしているとのことですが、どういった基準でゲームを選んでいるのですか?

神園選手「単純な面白さだったり、自分がやってみたいかどうかだったりでしか考えていないですね。逆に人口が多いからという理由では選びません。あとはまったくやったことのないゲームも手を出すことが多いです。」

――自分が好きなゲームをやるってとても大事なことですね!

神園選手「ただ、人口が多いゲームというのはいいところもあります。1つは全体のレベルが高いことです。人口が多ければ強い人がたくさん集まるので、ゲームの質がとても高くなります。」

――確かにそういった理由でプロは人口の多いゲームをやる傾向にありますよね。

神園選手「自分はゲームの質より、プレイしている人の人柄を見て『やってみよう』と思うことが多いですね。逆に、流行っているという理由で途中から始めるってやりたくないんですよ。それだとスタートラインが異なり、続けるモチベーションが保てないかもしれないからです。でも自分が面白そうと思うゲームをやると長続きして自分が納得するまでプレイしちゃいますね。」

〇神園選手が出会った最高の師匠


――神園選手は2Dと3Dの格ゲー(※)をコンスタントにやっているイメージがあるのですが、コツはあるのでしょうか?

神園選手「確かに格闘ゲーマーは同じタイトルをずっとやってしまう人が多いですね。でも自分は今やっているゲームが面白くても、他のゲームがもっと面白そうならそっちをやっちゃいますね(笑)。なのでコンスタントにプレイしているというよりは、結果的に複数タイトルをやっただけかなと思っています。2D勢からは3D格ゲーって難しそうってよく言われるんですけど、逆に3D勢は2D格ゲーを難しそうって言うんですよね。でもそれって別にやればすぐ分かる話だと思うんです。」

(※)格闘ゲームには大別すると2D格闘ゲームと3D格闘ゲームに分けられる。見た目は似ているものの、駆け引きなどに異なる部分が多くまったくの別ジャンルとして考える人もいる。

――確かにやってみるっていうことはとても大事なことですね。

神園選手「ただ3Dと2Dにはそれぞれある程度のルールはあります。ちなみに自分が本格的にプレイし始めた格ゲーって『ギルティギア』なんですよ。当時の『ギルティギア』はめちゃくちゃ自由度が高かったんです。そのゲームに慣れたから、色々なゲームに対応できるようになったのかもしれませんね。」

――神園選手が様々なタイトルが得意という土壌には『ギルティギア』の経験があるのですね。

神園選手「『ギルティギア』では運よくめちゃくちゃ上手いプレイヤーに教えてもらったこともあります。彼は3つくらい年下だったんですけど、その人にボロクソ言われながら教えてもらってからはゲームの見方が変わったんです。」

――神園選手も師匠ポジションの人に色々教えてもらった時期があったんですね!

神園選手「その人は何をやっても上手くて、毎年行われていた格ゲーの全国大会『闘劇』にあるゲームはほぼ出場できるくらいでしたね。でもすごく変わっている点があって、それはめちゃくちゃプレイしてやりこんでいる訳ではないというところです。人のプレイを見ていたり、眺めていたりすることが多かったんですね。」

神園選手「おそらくプレイしていない間に考えを整理して、プレイするときに確認していたのだと思います。そしてプレイも滅茶苦茶ではなく、相手にやりたいことをやらせて、その上で勝つんです。とにかく物事を客観的に見ることが上手い人でしたね。なので自分もそれを真似していたら自然と対応力が上がりました。」

――神園選手にとても影響を与えた人物だったのですね

神園選手「まぁ、その人のおかげである意味人生狂ったんですけどね(笑)。でも結果的にプロゲーマーになれたのはその人のおかげだと思います。今でもたまにあって話すこともありますよ。」

〇格ゲーに出会えていなかった死んでいた!?


――神園選手がもし格闘ゲームに出会っていなかったら、自分は何をしていたと思いますか?

神園選手「分からないですけど、おそらく死んでた可能性はあります(笑)。でも当時は舞台の役者にもなりたかったし、バンドもやっていたんです。バンドに関しては今も年に1回ライブをしています。あとは親が教師だったので教師にもなりたかったです。」

――ではそんな中でもなぜ格ゲーの道に進むことにしたんですか?

神園選手「上手いことゲームに進めたって感じですね。ただ普通の仕事はできないなと感じていました。同じ趣味じゃない人たちとコミュニケーションを取ることをちょっとだけ恐れていたのかもしれません。」

――神園選手は実況などもやられているだけに意外ですね。

神園選手「実況や解説は演技みたいなものです。あとはゲーセンで働いたことで話すことに慣れましたね。(※)」

(※)神園選手は過去に横浜にあったゲームセンター「Gamer’s Vision」で働いていた経験がある。当時としては先進的だったゲーム配信を行っていた店舗で、配信にも積極的に参加していた。

〇LoLにもドハマり?!


――神園選手が格ゲー以外でハマっていることはありますか?

神園選手「ドラマや映画を観たり、あと『LoL』や『Team Fight Tactics』など格ゲー以外のゲームをよくします。」

――格ゲーのプロがLoLをやっているなんて意外です!どういった経緯で始めたのですか?

神園選手「10年ほど前に所属していた団体でPCゲームの仕事をいただいて、LoLをやる配信をしたんです。そこでハマってかなりのめりこみました。1番やっていた時期では寝る時間以外は全てLoLをプレイしていましたね。」

――最大でどのくらいまでランクが上がりましたか?

神園選手「最大でプラチナⅠくらいまで上がりました。でも1回ボロボロに負けてからは萎えてやらなくなる期間もありました。集中している時期もあったし、全然やらない時期もありましたね。」

〇ランクより大切なもの


――LoLや格ゲーもそうですが、強すぎる相手と当たった場合はどうしていますか?

神園選手「最低限できるだけのプレイをするようにはしています。どれだけ強い相手でも負けるまでに何ができるかが重要なんです。逆に自分のプレイが通用することもあるかもしれません。対戦ゲームで何もできないってことは多分ないと思うんです。むしろ自分がどれだけできるのか知ることが大事ですね。」

――自分の実力を知ることってとても大切ですよね。

神園選手「あとは自分のランクにあまり固執しないことも大事です。ランクが高いことが強いってことに繋がるかっていわれたら必ずしもそうではないんですね。だから目先の勝ちに気を取られないでプレイの質を上げたり、分からないことを調べたりすることが重要です。」

――確かにランクに固執してしまう人は多いと思います。

神園選手「誰もが一番ゲームが上手いのは自分だと思っているので、見栄をはらないことも大事ですね。またキャリーなどをしてもらってランクを上げる人もいますが、それをやっても意味はないと思います。確かにランクが上がれば見栄は良くなりますが、いざ対戦してみたらランクに見合ってないなんて良くないですよね。それならばランクは低いけど強い方が断然カッコイイです!」

――ランクよりも自分の実力の方が大事ということですね。

神園選手「ランクは目に見えるものなので目標にはなりやすいですね。でもそうやって数字の増減しか見えなくなると、ゲームがすごくつまらなくなると思います。そうなるとランクが上がらなくなった時に苦痛を感じてしまいますよね。なのでランクの高さよりも自分の成長に目を向けることがとても大切です。」

神園選手のインタビュー前編はいかがでしたでしょうか?神園選手のプレイするゲームの選び方や、師匠の存在、はたまたLoLのこと、そして実力とランクに関することなど面白いお話がたくさん聞けちゃいましたね!

インタビュー後半では神園選手が見る格ゲーの今や、目指すプロゲーマー像、プロゲーマーを目指す若者へのアドバイスなど、内容盛りだくさんでお届けします!

神園選手、レン選手がゲストのイベントを開催!

そしてなんと、ゲーマーゲーマーでPGWの神園選手、レン選手、そしてチームATHLETE Q10でおなじみの桑原先生をゲストに招いた無料のZoomイベントが開催されます!気になる方はこちらの特集記事をご覧ください!

近日公開予定!ゲーマーゲーマーTwitterでもお知らせいたしますのでフォローよろしくお願いいたします!
@game2_post(https://twitter.com/gamer2_post)

神園選手を含むPGWの選手の皆様には、サプリメントモニター企画「チームATHLETE Q10からの挑戦状」にもご参加頂きました。
選手や競技の紹介を含む前編記事と、気になるモニター結果を含む後編記事もぜひご覧ください!

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