格ゲープロ はやお選手 “はやお流”のゲームの遊びかた【前編】

いよいよ12/15(水)20:00より開催!定員に限りがございますので参加申し込みはお早めに!
参加申し込みサイト(こくちーずプロ):https://www.kokuchpro.com/event/chuutate02/

これまで私たちゲーマーゲーマーはレン選手や神園選手と、Pro Gamers World(以下、PGW)のプロ格闘ゲーム選手の皆さんへ取材を行ってきました。eスポーツの中でも最古参のジャンルである格闘ゲーム、通称“格ゲー”を長き渡り取り組む選手たちの語る内容の1つ1つはとても説得力があり、ゲームと向き合うとはどういうことか、というものを改めて見直しをするキッカケになった読者の方も多いのではないでしょうか。

そして今回は同じくPGWのプロ格闘ゲームであるはやお選手へ取材を行いました。格ゲー界隈で知らない人はいない“立ちギガス”の話から、格ゲーから一歩離れたRTAの話までたくさん聞くことが出来ましたよ!それではお写真と共に取材内容をお届けします☆(取材日:2021.10.22)

〇Pro Gamers World所属 はやお選手プロフィール


『Street Fighter Ⅲ 3rd Strike』のヒューゴー使いとして有名なプレイヤー。ヒューゴーの投げ技であるギガスブリーカーをどんな場面でも瞬時に繰り出すことから「はやおが使うコントローラーにはギガスボタンがある」という噂が立つほどの腕前の持ち主です。また格ゲー以外ではRTAプレイヤーとしても有名で『Jump King』では複数カテゴリーで世界記録を持っています。

〇格ゲーとの出会いと、はやお少年のしくじり

――本日はよろしくお願いします!まず最初にはやお選手が格ゲーを始めたキッカケを教えてください。

はやお選手「小学1年生か2年生の時にデパートでプレイした『ストリートファイターⅡ』がキッカケですね。母親とデパートへ買い物に行くと中にゲーム筐体があってよく遊んでいました。格ゲーだから遊んでいたというわけではなく、当時はただ単に1つのゲームとして見ていました。」

――デパートで遊んだゲームをキッカケに格ゲーにのめり込んでいったのですか?

はやお選手「その時はゲームが大好きで、アクション、シューティングなどそこにあるゲームはほとんど遊んでいましたよ。」

――特定のジャンルが好きというわけではなく、ゲームセンターにあるゲーム自体が大好きだったのですね。

はやお選手「ゲームセンターのゲームも大好きでしたが、家ではファミコンでもゲームを遊んでいました。家にいるときはファミコン、外出するときはアーケードゲームって感じですね。今と違ってアーケードゲームは家庭用ゲーム機に移植されることはほぼなかったので、それぞれ別のものとして遊んでいました。」

――家でも外でもゲームをプレイするほど、小学生の時はゲーム少年だったのですね!

はやお選手「一応ゲーム自体は幼稚園の頃からプレイしていました。当時母親の買い物に付き添ったときは、個人経営のゲームセンターに預けてもらっていました。そこではお金を入れると一定時間遊べるというゲームがあったのですが、母親が迎えに来る時間を計算せずお金を無駄にして泣いた記憶があります(笑)。」

〇はやお、茶色、MrinG。様々な名前の由来

――はやお選手の“はやお”という名前の由来はどんなものなのですか?

はやお選手「僕の苗字は“林”なので“はやお”です。なのでもし僕の苗字が高橋だったら“たかお”になっていたかもしれません。」

――大分シンプルな決め方ですね!名前の方ではなく苗字をもじったのは何か理由があるのですか?

はやお選手「小学生の時に“はやお”というあだ名で呼ばれていたので、そのままはやおにしました。はやおって下の名前っぽくてややこしいですよね。ちなみに本当の名前は龍二です(笑)。」

――当時のあだ名をシンプルに採用したのですね。ちなみにはやお選手は他にも“茶色”という名前で動画投稿もされていましたが、そちらの由来はどんなものなのでしょうか?

はやお選手「当時ニコニコ動画で“踊ってみた”系の動画をアップしていて、その界隈では服装のイメージで名前を付けることが多かったのです。そして僕は動画の中でよく茶色のズボンを履いていることが多く、コメントでも「左端の茶色のやつ!」と呼ばれていたので“茶色”と名乗っていました。」

――はやお選手は名前を直感的に決めることが多いのですね。ここ最近のゲーム界隈は読むのが難しい名前が多い印象ですが、はやお選手は他に名前を作ったりしたことはありましたか?

はやお選手「”MrinG”と名乗っていたことがあります。声優の林原めぐみさんが好きだったので、めぐみ(Megumi)のMとGをとって、自分の苗字“林”の音読みの“リン(rin)”を中に入れるという非常にややこしい名前を使っていました。しかし結局高校2年生くらいのときにははやおに変えちゃいました(笑)。」

〇空手部から放送部への転身!部活にダンスにゲームな学生時代

――はやお選手は学生時代、どのようなことをして過ごしていましたか?

はやお選手「中学の時は剣道部、高校は2年間空手部に所属し、その後は放送部に変えて活動していました。」

――空手を始めたのはもしかして格ゲーの影響があったりしますか?

はやお選手「もしかしたらそうだったかもしれません。でも今も昔も体を動かすことが大好きなので、運動部とは決めていました。」

――ではなぜ放送部へ部を変更したのですか?

はやお選手「しんどくなったんでしょうね(笑)。運動部とは打って変わり、放送部では校内放送や流す音楽の選別などをおこなっていましたよ。」

――学校で『ビートマニア』の曲が流れている様子を想像したらなんだか笑えてきますね。ちなみに部活動以外ではどんなことをしていたのですか?

はやお選手「ダンスをやっていましたね。当時テレビで『RAVE2001』という番組が放送されていて、それを見てカッコいいなと感じたことがキッカケです。友達にダンスをやっている人はいないかと聞いて回って練習を始めました。当時は基本独学で、ダンスのDVDを借りたり、練習会に参加したりしていましたね。」

――はやお選手はダンスに部活もやっていたとのことですが、ゲームセンターなどへは行かれていたのですか?

はやお選手「もちろんゲームセンターへも通っていました。学校終わった後に自転車漕いで向かって、『ビートマニア』や格ゲーをして夜の8時まで遊んでいましたよ。あとは新しいゲームのロケテストなども積極的に参加していて、そのためにわざわざ自転車を1時間くらい漕いだこともあります。ゲームセンターは本当に大好きで、『ピクロス』なんかは6時間ぶっ通しで遊んだこともありました(笑)。」

――ちなみに格ゲーにハマったのにはどういったキッカケがあったのですか?

はやお選手「正直分からないですね。ただやり込むキッカケになったのは『Street Fighter Ⅲ 3rd Strike』です。やり込むということを意識し始めたのはこのタイトルでした。」

〇びっくりして泣いちゃった!?年齢と共に低下した意外なものとは

――プロゲーマーとして活動されていると、健康面を意識することも多いと思います。はやお選手は普段どのようなことを意識していますか?

はやお選手「睡眠不足が一番よくないと思っているので、睡眠はきちんと取るようにしています。あとはゲームをしていると座りっぱなしになることが多いので、定期的に体を動かすことも意識していますね。例えば1時間ゲームをしたら5分体を動かしたりと、意識して画面から離れたりしています。」

――はやお選手が健康面を意識するようになったのはいつ頃からでしょうか?

はやお選手「ここ最近になってからです。これはプロゲーマーだからとかではなく、年齢を重ねたことが1番の理由ですね。自分が面白いと思っていることを別の要因でやれなくなってしまうんですよ。」

――やりたいことがあるのに体が追い付かないのはキツイですね……。

はやお選手「例えばゲームを遊んでいて面白くないから辞めるのであればいいんですけど、体がしんどい、痛いから遊べないとかは嫌ですよね。やはり健康第一なので、遊ぶための土台を整えているって感じです。」

――ゲームを遊ぶだけとはいっても健康を整えることは大切ですね。でははやお選手は年を重ねて何か大きな変化はあったりしましたか?

はやお選手「年齢に関係しているか分かりませんが、ホラーゲームの耐性がめちゃくちゃ下がりました(笑)。それこそビックリしすぎて泣いちゃいましたよ。」

――どんなゲームをプレイされたのですか?

はやお選手「『Five Nights at Fredys』です。ゲームでもびっくりしたし、なにより泣いている自分に驚きました。自分の叫んだ声で周りのみんなもビックリしちゃって、阿鼻叫喚とはこのことだなと思いました(笑)。」

プレイの合間にはこうしてストレッチをするそうです。身体が柔らかい!

〇「自分が面白いと思うことをやればいい」格ゲーへの接し方と、その魅力とは

――格ゲープレイヤーの間では不定期にSNSで「格ゲー衰退論」が話題になります。格ゲーは衰退してしまったのか、それとも今また盛り上がっているのか、ということについての議論です。はやお選手はこの「格ゲー衰退論」に関してはどうお考えですか?

はやお選手「衰退していると思うならそれでいいんじゃない?ってくらいの感じです。面白いと思う人はやればいいし、面白いと思わなければやらなければいいだけのことですね。」

――流行ることよりも面白いと感じる人が続けることの方が大切ということですね。

はやお選手「流行れば取っ掛かりが増えるのでそこはいいかなとは思いますね。ただ押し付けるわけではなく『やったらどう?』って感じです。別にやる義務もありませんからね。」

――でははやお選手は格ゲーのどんなところに魅力を感じていますか?

はやお選手「これに関してはずっと考えてきたのですが全く思いつかないんですよ(笑)。ただ格ゲーをゲームセンターでプレイしていた頃は、相手を倒したという実感が得られることが好きでした。自分が勝ったら筐体の向こうで相手が立ち去る影が見えて、なんか合法的に相手を圧倒した気分になれるんです(笑)。自分の成長で相手を倒したときに感じる達成感は1つの大きな魅力ですね。」

――格ゲーは対戦している感覚が強いんですね。

はやお選手「若干ギャンブルの多幸感に似ていると思います。お金を入れる→ゲームを遊ぶ→相手を倒す→気持ちいい、みたいな(笑)。」

――アーケードゲームならではの楽しさですよね(笑)。

はやお選手「ゲームセンターの環境+対戦ゲームというものがマッチしていたんですね。なので僕はあまりオンライン対戦が好きではありません。ラグ等の問題もそうですが、たまにCPU戦の延長線上に思えることがあるんです。」

――プレイヤーだと思っていたものが実はAIだったみたいな恐怖感ですね(笑)。

はやお選手「ネットワーク越しに人はいるけど筐体越しではないんです。それだったら1人用のゲームでもいいなと感じてしまうこともあります。もし可能であればゲームセンターやオフラインの環境で遊びたいですね。」

はやお選手インタビューの前編はこれで以上となります。はやお選手を知っている方も知らない方も面白いと感じるお話が多かったのではないでしょうか。はやお選手の学生時代のエピソードなんかは、まさにはやお選手らしい面白いお話が多かったですよね!また格ゲーは必ずしも流行る必要はなく、面白いと感じる人がプレイすることが大事ということには深く共感しちゃいました。

後編では練習方法や有名な立ちギガスのお話、ゲームについての考え方など、プロゲーマーとしてのはやお選手を掘り下げていきます。次回もお楽しみに☆

はやお選手がゲスト出演のイベントが開催されます!

12月15日(水)20:00~はPGWのはやお選手、伝説のオタク選手が出演するイベントをゲーマーゲーマーより開催いたします!今回もゲームやコンディショニングについてのぶっちゃけトークを繰り広げる予定ですので乞うご期待!

関連記事一覧