『第3回全国高校eスポーツ選手権』ロケットリーグ部門 決勝大会レポ☆

3月13日(土)、『第3回全国高校eスポーツ選手権』ロケットリーグ部門の決勝大会が行われました。

今回のロケットリーグ部門の出場チーム数は178。
第1回が60、第2回が106だったことを考えると、着実に、そして凄い勢いで増えていることが分かります。

新型コロナウイルスの影響で今回はオンラインでの開催となりましたが、画面越しにも選手たちの熱気の伝わってくる熱い試合が繰り広げられました!

出場校紹介

N高等学校『NRLG Cats』
tetu選手(3年生)、sk:D選手(1年生)、Arinko選手(1年生)、nekota選手(2年生)

釧路工業高等専門学校『mirage virtual Calimba』
Lambchan選手(3年生)、Nano選手(3年生)、Yotsubq選手(3年生)

大阪府立大学工業高等専門学校『hogehoge』
kazuryu選手(3年生)、shiromani選手(3年生)、たんく選手(3年生)

東海大学付属札幌高等学校『FSC』
ジェネシス選手(3年生)、GR_sukegin選手(1年生)、YUUGAKUNN選手(2年生)、0831tadasu選手(1年生)

準決勝第1試合  N高校『NRLG Cats』 vs. 釧路工業高専『mirage virtual Calimba』

GAME1:N高校 5-0 釧路工業高専
GAME2:N高校 9-1 釧路工業高専
GAME3:N高校 3-1 釧路工業高専

GAME1、開始9秒でN高校のArinko選手がゴールしたのを皮切りに怒涛のラッシュが始まります。
GAME2では開幕わずか1秒、ファーストタッチからN高校tetu選手がゴール。「スピードフリップ」という高等テクニックで、他のプレイヤーよりもいち早くボールに触れそのまま得点となりました。後のインタビューによると、以前から「スピードフリップ」には力を入れて練習、GAME1の流れをそのままGAME2にも活かすためにこのゴールを狙ったとのこと。

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GAME3では釧路工業高専も善戦しましたが、N高校の勢いを止めることはできず『NRLG Cats』の勝利となりました。

釧路工業高専『mirage virtual Calimba』は惜しくも敗退してしまいましたが、本大会無失点だった『NRLS Cats』から得点を奪い見せ場を作りました。

試合後インタビュー 釧路工業高専『mirage virtual Calimba』

ーー今の率直な感想を教えてください。
Nano選手「N高が思ったよりも強く、為すすべがなかったです。」

ーーGAME3は善戦となりましたが、何か変化があったのでしょうか?
Yotsubq選手「GAME1、2でN高校のスピードに慣れることができたのが大きかったのだと思います。」

準決勝第2試合 大阪府大高専『hogehoge』 vs. 東海大札幌『FSC』

GAME1:大阪府大高専 6-0 東海大札幌
GAME2:大阪府大高専 3-1 東海大札幌
GAME3:大阪府大高専 9-0 東海大札幌

この試合では2点について特に注目が集まりました。
予選よりkazuryu選手の活躍が目立ち注目されていた大阪府大高専は、予選から4か月が経った現在他の2人(shiromani選手、たんく選手)はどれだけ成長し、チームの総合力を上げることができたのか。
対する東海大札幌はジェネシス選手を中心にチームプレイを得意とするチームですが、GR_sukegin選手が様々なコミュニティに顔を出して武者修行をしていたとのことで、その成果を見せることができるのか。

GAME1ではたんく選手のディフェンスも冴え、無失点のまま大阪府大高専が勝利。
続くGAME2ではフェイクを交えた心理戦を制し、勢いそのままに大阪府大高専が白星を獲得します。
予選大会では大逆転を見せた東海大学札幌には期待が寄せられますが、猛攻止まらず大阪府大高専がGAME3を制しました。

結果を見てみれば大阪府大高専『hogehoge』がストレート勝ち。
たんく選手のシュートの巧みさを見せつけるようなゴール演出も印象的でした。

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さらに得点の内訳を見てもkazryu選手のゴール数が8本、shiromani選手が5本、たんく選手が5本とチーム全員が活躍した試合だったことが伺えます。
もはやkazuryu選手のワンマンチームではないということを証明した試合となりました。

試合後インタビュー 東海大学札幌『FSC』

ーー今の率直な感想を聞かせてください。
ジェネシス選手「悔しいというよりは、他の3人には来年があるので次の大会に繋げて欲しいという気持ちが強いです。」

ーー今後の目標を教えてください。
GR_sukegin選手「大会を通してロケットリーグ熱に火が点きました。また僕たちの世代でeスポーツの素晴らしさを広めていきたいとも思っています。ゲームといえばeスポーツ、eスポーツといえば僕ら、と思ってもらえるようにしていきたいです。」

決勝戦 N高校『NRLG Cats』 vs. 大阪府大高専『hogehoge』

GAME1:N高校 2-1 大阪府大高専
GAME2:N高校 3-2 大阪府大高専
GAME3:N高校 6-1 大阪府大高専

準決勝では圧倒的な力を見せつけ勝利した2校での対決。
N高校は3度目の出場で、今までにはブロック決勝敗退、準決勝敗退ということで悲願の決勝進出となりました。
対する大阪府大高専は2度目の出場、前回はブロック決勝での敗退となり、こちらも初の決勝進出。
どちらも決勝に懸ける思いは格別なものだったと思います。

さらに大会前の事前インタビューでは、大阪府大高専kazuryu選手からN高校tetu選手をライバル視する発言も。
まるで少年漫画のような決勝戦です。

GAME1ではこれまでの試合と打って変わって中々得点が決まらず、最初のゴールは試合開始から1:24のN高校Arinko選手となりました。
その後2:43に大阪府大高専のkazuryu選手がゴールを決めると、そのまま大阪府大高専の攻撃が続きます。
しかし、「これは決まった!」と思えるようなゴールをあと一歩のところで確実にN高校校が止めます。
その後4:11にN高校Arinko選手が再びゴールを決め、結果としては2-1でN高校が先制するかたちとなりました。

GAME2では再びN高校tetu選手が再び「スピードフリップ」を決め、そのままsk:D選手がボールを押し込む形でゴールを決めます。
3-0の劣勢から大阪府大高専は2点をもぎ取りますが、2得点目の時点で残り時間はわずか2秒。
ロケットリーグでは試合時間が終了してもボールが地面に着くまでは試合が続行されるため期待が高まりますが、そのまま3-2でN高校が制します。

そしてN高校のマッチポイント迎えたGAME3。2連続で1点差と惜しいところに喰らい付く大阪府大高専の逆転劇も期待されます。
が、ここに来てN高校が本領発揮か、猛烈な勢いで得点を決めていきます。
最後の得点は試合終了5秒前N高校によるものでしたが、そこからさらに得点を狙っていたのが印象的でした(あと1秒あればさらにもう1得点入っていたかもしれません)。

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終わってみればGAME3を6-1でN高校が勝利、決勝戦をストレート勝ちという結果となりました。

試合後インタビュー 大阪府大高専「hogehoge」


―—kazuryu選手とtetu選手とのライバル関係について教えてください。
kazuryu選手「1年くらい前から知り合って、よく一緒にプレイもしましたがライバルでもあります。tetu選手のプレイスタイルは安定しているのに対し、僕の場合は調子の上がり下がりが激しいんです。。彼の方が上手だと思っているので、彼の背中を見ながら成長していきたいと思います。」

――試合の間のボイスチャットで「(ペットボトルの)水がない」との声が聞こえてきましたが、N高との試合は緊張しましたか?
Shiromani「プレイ自体は緊張していないと思っていたのですが、水が減っていて(思ったより)身体は緊張していたのかな、と思います。」

3年目の初決勝、そして初優勝!N高校『NRLG Cats』!

試合後インタビュー N高校『NRLG Cats』


ーーkazuryu選手からライバル意識されていることに関して教えてください。
tetu選手「チームとしては勝ちましたが、個人としてはどうなのかな、と思っています。また、kazuryu選手はランク差があったチームメイトのモチベーションを上げてやってきて凄いと思っています。」

ーー決勝戦GAME1では攻められ続ける場面もありましたが防ぎ切りました。
tetu選手「ロケットリーグでは1点も取られなければ負けないというコンセプトで練習していたましたが、それが表れていたと思います。」

ということで『第3回全国高校eスポーツ選手権』ロケットリーグ部門は、見事N高等学校『NRLG Cats』の皆さんでした。おめでとうございます。
また、熱い戦いを繰り広げた釧路工業高等専門学校、大阪府立大学高等専門学校、東海大学付属札幌高等学校の皆さんもお疲れ様でした。

なお、本大会の翌日には『第4回全国高校eスポーツ選手権』の開催も発表されました。
秋ごろに予選、12月に決勝大会を開催。さらには競技タイトルの追加も予定されているということでますます目が離せない大会となりそうです。

写真提供:全国高校 e スポーツ選手権

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