【よろず連載最終回】「すべての若者に夢を与える、『10億円』のeスポーツ大会を開催したい。」《全6回》
◇ よろず
「三度の飯よりゲームが好き」を公言するeスポーツライター。以前は静岡に拠点を置くeスポーツチーム「Quintette」に所属し、現在はeスポーツ企業RATELでVOLBOX MEDIAを主に活動している現在、大学1年生の18歳(2020年4月入学)。執筆中のnoteでは7,600フォロワーを誇り累計PV数150,000以上をたたき出す。
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こんにちは、よろずです。
いよいよ最終回がやって参りました。まさか自分が最終回を書けるなんて、なんて素晴らしい人生を歩めているのでしょう。
これまではeスポーツの未来はどのように成長していくのか?というテーマで記事を書いてきたのですが、ちょっと大人の人たちに「5回頑張ったご褒美として自分の好きなことを書かせて下さい」ってわがままを聞いて頂きました。
まじでありがとうございます。
とはいっても、テーマに沿わないと意味が分からなくなっちゃうので、「自分が将来どういうことをやりたいのか」という企画でこの最後の連載を書いていこうと思います。
ただの自己満では無くて、eスポーツの現状や課題なども交えて書いていこうと思うので、良ければ楽しんでください。
プロゲーマーという存在。
中学の頃からプロゲーマーという存在に憧れていて、少し離れた記事を書くという活動をしている今でも、「もし自分がプロゲーマーだったら、どれだけ良かっただろう」と思うことが多々あります。
例えば僕が「eスポーツの現状はこうだ」という記事を書いたとしても、その説得力は僕がどれだけ勉強して、その記事を書くのに何十時間とかけようと、現役のプロの知見には敵いません。
勿論僕のキャリアがまだまだ短いというのも原因なんですが、反対にもし仮に僕がこの活動を数十年続けたとして、プロゲーマーの方よりも発言力を持つことはあってはならないことであると考えています。
意見が行き来しているのですが、このeスポーツという土俵で最も尊敬されるべき存在はプロゲーマーであり、最もお金、発言力、その他諸々の力を持つべきはプロゲーマーの方です。
自分が今色んなことに挑戦出来ているのも、挑戦したいと思って気兼ね無くこの業界に挑戦出来たことも、これまでに優れたゲーマーの方々がファンを魅了し、市場を成長させ、多くの大人たちにその存在を知らしめてくれたお陰です。
少し前からずっと意識していることで、常に感謝は忘れてはいけないと思いながらこうして文章を書いているのですが、それだけではやはりいけないなと思うわけです。
記事はなんのリスクを負わずとも書くことが出来ます。高校を卒業して、この活動一本で生きていこうとも考えましたが、結局不安になり大学に通いながら二足の草鞋で生きています。立場的にフリーランスなので、責任も負うことなく、ただ与えられた仕事をこなしながら、自分の思いを乗せているだけです。
ずっと考えていることがありました。自分がこの業界に何か貢献出来るとしたら、自分が尊敬してやまない選手たちが活躍出来る大会を開くこと。
しかし、現状のeスポーツシーンを眺めてみて、ただ賞金の多い大会を開催しているだけでは、選手のためになったとしても、長期的なeスポーツシーンの貢献には繋がらないのではと考えます。
自分の夢は、優勝賞金10億円、そして国内のプロチームと連携した「大会をきっかけにプロ入りを果たす」チャンスがあるような、大会を2030年に開催することです。
強さとイメージ、そして「プロらしい」逸材を。
自分が参入した2018年、そして今年。
たった2年しか経過していませんが、eスポーツは著しい成長を遂げています。
今や小中学生のなりたい職業ランキング2位にランクインする「eスポーツプレイヤー」ですが、一体プロにはどうすればなれるのでしょうか。
今最もメジャーなのは、大会に出場し、実績を残しながらプロチームから声がかかるのを待つか、実績と共に自己推薦でチームに声をかけてみるかのどちらかであると思います。
ただ、それはあまりにも確実性が無くて、プロ入りを夢見る若者にとって本当にプロになれるのか確信を持てるような状況ではないように思います。
僕M-1グランプリがすごく好きで、毎年必ず見ているのですが、去年のM-1グランプリは伝説でした。
無名だったミルクボーイがたった一回の大会で夢を掴み、同時に決勝に進出した「ぺこぱ」、「かまいたち」、この三組を今やテレビで見ない日はありません。
多くの芸人さんが語るように、M-1グランプリは運も必要なのかもしれません。
明らかに出番は後ろの方がお客さんの印象にも残りやすいですし、審査員の方の好みだって当然反映されます。
ずっと優勝出来ない芸人さんもいる中で、やはり長期的に出ていれば出ているほど新鮮みがなく、「スター誕生」と等しい価値を持つこの大会でベテランを優勝にするということは、一年に一度の大会だからこそリスクがあります。
だけど、適当にこの大会に応募して、適当に決勝まで進み、1000万円もの賞金が得られるような宝くじの様な運とは違います。
このM-1グランプリ2019の決勝に進出した全ての芸人さんが優勝に等しい実力を持っていたことは間違いなく、優勝賞金以上の夢を今彼らは掴んでいると思います。
少し残酷であるかもしれませんが、この大会があるからこそ、夢を諦めようと思える芸人の方だって多くいるのではないでしょうか。
eスポーツには、自分の夢を諦める基準がありません。
プロゲーマーになると誓い学校を辞めてしまったり、進路を真剣に考えないままeスポーツ専門学校に進学を決める若者は多くいます。
しかし、実際のところそれが正解なのか、或いは不正解なのかも良く分からないというのが実際のところです。
それは非常に良くないことだと思うんです。
明確な基準、「こうすればプロになれる」、或いは「こうではプロになれない」。
そういった指標を作らなければなりません。
自分はeスポーツ、プロゲーマーという存在を元々怖がっていました。
ゲームは遊びだし、誰だってやりすぎると親に怒られてしまうのに、それを職業にするなんて、本当に親との関係を良好に保てているのだろうかと必要のない悩みを抱えてしまうほどこの業界に不信感を抱いていたのですが、多くのプロゲーマーにその価値観を壊していただきました。
その社交性や明確な目標を抱いてゲームに取り組んでいるのだという姿勢、そこで学んだ哲学や知識を本にして世間に発信するプロとしての意識、その全てがれっきとしたアスリートそのものでした。
しかし中にはゲーム内の行為で炎上したり、発言が問題視されクビになってしまう選手がいたり、クビならまだしも、まだまだ黎明期であるこの業界にマイナスイメージだけを置いて去ってしまう選手がいることも事実です。
そのためにも、eスポーツを代表する大会の設置は、必要です。
そしてその大会の意味を示すためにも、国を代表する多くのプロチームが協賛してほしい。
自分が開催する大会に出場する選手をチームが吟味して、自らのチームにスカウトしてほしい。
そんな夢と、夢を諦められる光と影をまとった大会を、2030年から、一年に一度開催することが僕の夢であり、使命だと感じています。
「10億円」が放つ意味。
この連載を始めることが出来た2020年は、本当に大変な年となってしまいました。
日本の希望だった東京オリンピックは延期となり、今もなおコロナ感染者数は増え続ける一方で、今この国に明るいニュースは何一つとしてありません。
大学での勉強で、この国のこととこの世界のことを学んでいるのですが、本当に今の若者は未来に対して希望を抱くことが難しくなっています。
自分はeスポーツが、ちょっとでも明るい世界を作れたら良いなあと思っています。
もし本当に賞金10億円の大会を開こうと思えば、その開催日は数百億数千億ものお金がかかるかもしれないし、もっとお金よりも大変な問題も起こるかもしれません。
ただそれほど大きな大会が日本で開くことが出来たなら、日本はeスポーツ大国として世界にアピールできるだろうし、5人で戦うゲームでも、1人1人生活できるほどの大金を得ることが出来ます。
何よりも、多くの参加者が募り、本当にゲームを愛する人たちが人生を変えるチャンスを掴めるような、そんな大会をこの日本で行いたいと強く望んでいます。
全6回の連載となりましたが、いかがだったでしょうか。
未来のことを考えるのはとても難しかったのですが、想像してみると凄く楽しそうな未来を作れそうだなと思いました。
今は大変な時期が続いていますが、未来に希望を持って生きていきましょう。
【編集部後期】
よろずさんによる2030年eスポーツ大胆予測☆いかがでしたでしょうか?もしかしたら、今は想像もできないような形で大会やゲームが行われている可能性もありますよね…‼夢が膨らみます。読者の皆さんはどう思いますか?「10年後、eスポーツの世界ではこんなことが起こっていると思う!」というコメントもぜひお待ちしています♪熱い情熱を書き記したい…!という方は 寄稿も受け付けておりますので、(お問い合わせフォーム)からご連絡ください☆
(第6/6回 完)