『地上戦』『差し合い』とは、eスポーツの人気タイトル(種目)の一つ『ストリートファイターV』などの格闘ゲームで使われる専門用語です。また、地上戦の中で繰り出される行動は主に『置き』『差し返し』『当て』の3つに分類されます。
地上で前後にうろうろ動いたり、技を空振りさせたりする光景を見たことがあると思いますが、そのすべては『地上戦』の一部なのです。
『地上戦』を理解すればプレイも観戦も一段とレベルアップしたものになること間違いなしです!
地上戦、差し合い
『地上戦』『差し合い』とは、地上の中距離で行われる読み合い・駆け引きのことを指します(中距離とは投げや小技が届かないくらいの間合いです)。
特に空中ガードがない『ストリートファイター』シリーズでは安易にジャンプして接近することができないため、地上戦はゲームの大きな部分を占めます。最終目的として接近して択一攻撃を迫り大ダメージを与えることがあり、その前段階の有利状況を作る手段として地上戦があります。
地上戦で行うことは主に以下の3つに分類されます。
・置き
・差し返し(後退)
・当て(前進)
それぞれがじゃんけんのように3すくみになっているので、ここから詳しく解説していきます。
置き
『置き』とは相手の前進を食い止めるために、技を空振りするように出すことです。
こちらが技を出さず攻撃しなければ、相手は簡単に地上から歩いて近づくことができてしまいます。そこで、相手が歩いてきた場合のみヒットするようにあらかじめ技を出して接近を食い止めるのです。(この行動を「技を置く」といい、出す技を「置き技」といいます)
置き技にはリュウのしゃがみ中P(ストリートファイターV)などの隙が小さく、リーチが少し長めの技が適しています。他にも垂直ジャンプ攻撃は安全に行える置き行動の一つです。逆に隙が大きい技は置き技にはあまり適していません。
置き技には必殺技などを仕込んでおくことで火力を伸ばしたり、ダウンを奪ったりすることもできるので癖にしておくと良いでしょう。
技を置いていると相手は地上から近づけずジャンプしたくなるので、しっかりと対空しましょう!
差し返し
相手の『置き』に対抗する手段が『差し返し』です。
相手が技を置いて、さらに対空もしっかりしている場合、地上・空中とも接近することは困難になってしまいます。
しかし、相手に隙がないというわけではありません。相手が技を置いているということは、技を空振りして隙が生じているともいえます。そこで、その隙に技を当てるのが『差し返し』です。(このとき出す技を「差し返し技」といいます)
差し返し技にはリュウの中足(ストリートファイターV)などのリーチが長めの技、発生が速めの技が適しています。
差し返しを狙うには、相手に置き技を空振りさせる必要があります。そのために、中距離で前進と後退を繰り返して空振りを誘います。
ちなみに3D格闘ゲーム『鉄拳』シリーズでは『差し返し』に似た概念を『スカし確定』(スカ確)と呼んでいます。
すべての技に差し返すのは難しいので、はじめのうちは相手がよく使う技や相性の良い技を把握して、ある程狙いを絞ると良いですよ!差し返しは特にやり込みの差が出るところなので研究と練習を重ねましょう!
当て
相手の『差し返し』に対抗する手段が『当て』です。
相手の差し返し精度が高いと、技を出して空振りすることも危険になってしまいます。
しかし、差し返しを狙う相手は、こちらの攻撃が空振りになるように一定の距離を保つ(=こちらに合わせて後退する)必要があります。その後退に合わせて、積極的に前進し技を当てるのが『当て』です。(このとき出す技を「当て技」といいます)
後退中の相手は立ち状態のため、当て技にはリュウの中足などの下段技や、ガード時の隙が少ない突進技が適しています。また、ダッシュが速いゲームではダッシュで急接近することも『当て』と同様の行動といえます。
技を出さずとも前進するだけで相手は画面端に追い込まれ不利な状況に陥ります。また、相手がガードをした場合でも、ガードバックにより相手は画面端に押し込まれることになります。
『当て』は積極的に前進するため、相手の『置き』に負けてしまいます。これで『地上戦』の3すくみが完成します。
時々トッププレイヤーがズンズンと前進する光景を目にしますが、相当な勇気が必要な行動です。普通なら技を置かれて簡単に反撃を受けてしまうので要注意!前進する際はしゃがみガードを混ぜるようにしましょう!
画面端はなぜ不利?
画面端に追い込まれると不利であるということは多くの人が知っていることですが、漠然とそう感じている人も多いのではないでしょうか?
その理由の一つとして「後退ができなくなる=差し返しが狙いにくくなる」ことが挙げられます。じゃんけんの手の一つを失うと考えると、相当厳しい状況であることが分かると思います。
画面端に追い込まれたらジャンプでの脱出を図るのも一つの手です。また、逆に相手を追い込んだ場合は落ち着いて相手の行動を見て対応するようにしましょう。
地上戦における飛び道具
リュウの波動拳(ストリートファイターV)に代表される飛び道具は、出す距離に応じて様々な用途に使うことができます。
遠距離で出せば相手の前進を妨げる『置き技』になりますし、中距離で出せばリーチが長い『当て技』にもなります。(かなり難しいですが、理論的には『差し返し技』として使うことも不可能ではないです)
それぞれの用途によって弱、中、強を使い分けるとより効果的です。(『置き』なら長く相手の行動を制限できる弱、『当て』なら相手に早く当たる強など)
ただし、多くの飛び道具には隙が大きいという弱点があります。読まれてジャンプされてしまうとフルコンボを喰らってしまうため、リターンが小さい割にリスクが大きい行動といえます。
飛び道具は扱いが難しいですが、使いこなせれば強力な武器にもなります。経験がものをいうのでたくさん使って自分なりのセオリーを見つけましょう!