e-sports業界の発展のためには、チームが黒字化することが欠かせません。チームを黒字化させ、e-sports業界を発展させるために必要な3つの変化があります。
今回はその1つ目「チーム&プレイヤーの影響力の拡大」についてお伝えします。
影響力が大きければ、その影響力を目当てに企業も寄ってきます。フォロワーが多ければ動画プラットフォームからの広告収入も見込めます。
e-sportsチームや選手が影響力を持つことで、チーム事業は黒字化でき、職業としてのプロゲーマーが成立するようになります。
そのため、どのチームもファン作りのために努力をしています。選手もファンを作るために大会での活躍を目指してトレーニングに励んでいます。
ですが、特定の人たちの間では知られているものの、それ以上のファンが増えずに悩んでいるe-sportsチームや選手が多いのが実情です。
ファンの数が増えない理由
その理由は、影響力がプレイしているゲームの中に止まっているからです。
どういうことかと言うと、そのゲームをプレイしている人にしか知られていない、もしくは興味を持たれていないので、最大でもそのゲームをプレイしている人の人数しかファンを増やせない状況ということです。
アクティブなプレイ人口が10万人だったら、maxでも10万人のフォロワーしか増えないということです。
全員がフォローするようなことはほぼないので、プレイ人口全体の10%がファンになってくれるとしても、フォロワーは1万人程度になります。
それ以上は伸び悩み、フォロワー数が頭打ちになることで、影響力の拡大はストップしてしまいます。
一般人のフォロワー1万人はすごいと思いますが、人気商売をする人のフォロワーが1万人だと物足りなく感じます。
valorantのような人気が急上昇中のゲームであれば、積極的なゲームプレイヤーの数も多く、そのゲームのプロチームやプロ選手ともなれば注目をされやすくなります。
ですが、その他の多くのゲームは急速なプレイヤーの増加があるわけではなく、長く楽しまれているゲームほどアクティブなファンは固定化され、それから大きく増えることはあまり期待できません。
もちろん、プレイしているゲームが今よりもより多くプレイヤーに楽しまれる可能性はありますし、それを目指してメーカーやプレイヤーは日夜取り組んでいると思います。
ただ、そんな外部要因に自分たちの未来を委ねていては、なかなか理想的な状態へは近づけません。
影響力を拡大するための解決策とは?
では、どうすれば影響力を拡大することができるのか?と思われていると思うので、解決策についてご紹介します。
それは、別の場所で影響力を高めることです。
1万人に1人の存在になるのは難しいですが、100人に1人の存在になるのは比較的簡単です。2つの領域で100人に1人の存在になることで、100×100で10,000分の1の存在になれます。
別の領域で認知される機会を作ることで、興味を持ってくれる人たちの母数が増えます。すると、例えば1万人で頭打ちになっていたフォロワーが、2万人以上になることも十分にあり得ます。
人気のストリーマー(動画配信者)を見てみてください。
いろんなゲームを紹介することで、それぞれのゲームのファンを集めることに成功しています。
1つのゲームにこだわることで、ファンを増やす機会を減らしてしまうことを知っているからです。
ゲーマー×グラビアなどで人気者になっている人もいます。
例えば、ゲーマー×ファッション、ゲーマー×アート、ゲーマー×筋トレ…
コアなゲームファン以外との接点はどこにでも作れます。
e-sportsは野球やサッカーと比較されることがありますが、競技ゲーム1つ1つが個別の種目で、それぞれがマイナースポーツだと言えます。
マイナースポーツの集合体がe-sportsだという状況です。
なので業界を発展させていくためには、今のコアファン以外の人たちにどれだけ接点を作れるかが重要です。
そのために、ゲーム以外の場所での影響力を高める活動がe-sportsチームや選手に求められます。
もちろん、プレイしているゲーム自体の腕を磨き、大会で活躍し、そのゲームのファンたちからの人気を手に入れるのが最重要なので、そこは大前提となります。
次回は、e-sports業界の発展に必要な変化の2つ目「安定的な大会の供給」についてご紹介します。
筆者プロフィール
平岡大輔
GO CRAZY GAME(GCG)プロデューサー
ゲーミングサプリ「ガチサプ」開発&販売責任者
マーケティング脳をつくる会社 株式会社テマヒマ 代表取締役
自身が格闘ゲームに没頭したことを皮切りに、ガチゲーマーのためのパフォーマンスサプリ「ガチサプ」を開発、e-sports業界の発展のためにコミュニティ活性化に努めている。
e-sportsチームの内情を知り、業界の発展のためには「e-sportsチームが事業として黒字化できるビジネスモデル」の構築が必須だと考え、チームの収益化のための活動に取り組むプロジェクト「GO CRAZY GAME(GCG)」を立ち上げた。
100社以上の企業のマーケティング支援、組織改善に取り組んできた経験とノウハウを使って、e-sportsチーム事業の収益化・安定化を実現させるために活動中。
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平岡氏の取材記事はこちら
ガチサプ×FUKUSHIMA IBUSHIGIN 翔選手対談~謎多きチームに根掘り葉掘り聞いちゃいました~