e-sportsチーム生存戦略 連載 コラム

ゲームが切り開く未来

e-sports業界の発展について全10回に渡りお届けしてきたこのシリーズも、今回で最後となります。

業界関係者には、「新参者が何を語っているんだ。何もやってないくせに。」と感じている方も多いと思います。私自身もその通りだと思っています。

なぜ、この連載を始めたのかについて少しお話しさせていただきます。

新参者としてe-sports業界に関わることにした経緯

私は1982年生まれで、今年40歳になったファミコン世代の人間です。

5歳の誕生日にファミコンスーパーマリオブラザーズが我が家にやってきました。

それからは、親に隠れて夜な夜なゲームに熱狂する幼少期を過ごします。

高校進学以降はゲームと距離を置くようになります。その頃は、モテることに全力を注いでいました(笑)

働き出してからも仕事以外のことに時間を使わないようにしてきました。成功したいという想いが強く、仕事以外の時間を使うことが無駄だと感じていたからです。

ですが、数年前から子供とゲームをするようになりゲームへの熱が再燃します。

気がつけば自分のためのゲームを買うようになり、週末のゲームを楽しみに毎日を過ごしている自分がいました。

そして、2021年末にe-sportsの競技タイトルにもなっている「ストリートファイターV」を手に入れてから、私の生活が一変します。

できないことができるようになる喜びや、やったことが成果として返ってくることにやり甲斐を感じ、すっかりのめり込みました。

やるからには強くなりたいと思い、周りの経営者がランニングや筋トレに打ち込むのと同じように、ゲームのトレーニングをするようになります。

すっかり毎日、ゲームを楽しみに生活するようになりました。

そしてその熱は止まることを知らず、この熱狂を自分と同じようにゲームを封印してしまっている周りの大人たちにも伝えたい!と思うまでに燃え上がりました。

e-sportsがビジネスを展開する魅力的な市場だと伝えられれば、興味を持つ経営者や決済者は増やせます。

なぜなら、ビジネスシーンを牽引している30代40代の人たちの多くが、その昔ゲーム少年・少女だったからです。

ゲームというポテンシャルのあるコンテンツ、e-sportsという最強のエンタメ、形成済みの強力なコミュニティ、これらの資産を活かすことで経済は大きく成長します。

ゲーム業界のことを調べ、コミュニティに参加し、第一線にいる人たちが何を思っているのかを知ることで、この業界の課題が見えてきました。

マーケティングの専門家として活動してきた自分だから見えた課題、そしてその解決策があると思っています。

今回の連載でお伝えしたかったのは、e-sportsが注目を集め始めている今だからこそ、ビジネス構築に目を向けて、活躍し続けられるチームを増やすことが大切だということです。

注目を集められているうちは、お金の流れも活発になります。

でも、一時の評価で「効果的ではない」と感じられてしまっては、すぐに次の魅力的な市場へとお金は流れて行ってしまいます。

魅力的な市場であり続けるためには、その市場に購買意欲の高いアクティブな人が多いことが大前提です。

そのためには、e-sportsのプレイヤーやファンを増やさなければいけません。

そしてそのために、日本のe-sportsチームや選手が、世界に対して存在感を出せていることが大切だと考えています。

ですが、選手層が薄ければ、世界で活躍できる選手は生まれづらくなります。

なので、多くのプレイヤーが活躍するための受け皿になれる、多くのe-sportstチームが必要です。

そしてそれは、友達同士で作ったサークル的なものではダメです。

ビジネスとして運営できるチームでなければ、選手は育てられないからです。

私は、e-sports業界の発展のためのセンターピンが「収益化できるチーム運営」だと考えています。

そのことを多くの業界関係者の方、並びにe-sportsプレイヤーとして活動していきたいと思っている方にお伝えしたいと思い、今回の連載記事を執筆いたしました。

伝わる内容にしたいという思いから率直な物言いとなってしまい、それに気分を害された方には申し訳ございませんでした。

大好きなゲームを、e-sportsという最強の武器によって、もっと盛り上げていきたいという想いは同じです。

新参者ですが、関わる人たち全てのハッピーのために一緒に頑張っていければと思っておりますので、これからよろしくお願いいたします!

業界に一石を投じる新たなチャレンジ

最後に、当社のチャレンジについてご紹介をさせていただきます。

当社ではe-sportsプレイヤーのコンディショニングをサポートすることで、世界で活躍するプレイヤーを増やすことを目的に、ゲーミングサプリ「ガチサプ」を販売しています。

現在は、大会への賞品提供を積極的に行うことで、コミュニティ活性化への貢献に努めています。

最近では、プロプレイヤーのコンディショニングアイテムとして採用してもらうなど、直接的なチームサポートも始めています。

そして、新たなチャレンジとしてこの度、次世代のプロプレイヤーを輩出するためのゲーミングチーム「GACHI GAMING(略称:GG)」を発足しました。

プロとして活躍したいプレイヤーを中心に構成され、当社の保有するマーケティングの知見を最大活用することで成長していくe-sportsチームです。

収益化できるチームのモデルケースを作るための、実験的プロジェクトの位置付けとして運営していきます。

この連載でお伝えしてきたe-sports業界発展のための解決策を、自身の手で実行していきます。

今後やっていくことは、全てこの連載でお伝えしたことになります。

言うは易し、行うは難し。

行動なき所に、成功無し。

何か特別な秘策を持っているわけでもありません。

うまくいかないことばかりだと思いますが、1つでも共有できる成功モデルを作れるように、精進して参ります。

応援よろしくお願いいたします!

▼GACHI GAMINGの応募フォーム
https://forms.gle/xLSN2xrLS4KSR5Dv5

 

筆者プロフィール

 

平岡大輔
GO CRAZY GAME(GCG)プロデューサー
ゲーミングサプリ「ガチサプ」開発&販売責任者
マーケティング脳をつくる会社 株式会社テマヒマ 代表取締役

自身が格闘ゲームに没頭したことを皮切りに、ガチゲーマーのためのパフォーマンスサプリ「ガチサプ」を開発、e-sports業界の発展のためにコミュニティ活性化に努めている。

e-sportsチームの内情を知り、業界の発展のためには「e-sportsチームが事業として黒字化できるビジネスモデル」の構築が必須だと考え、チームの収益化のための活動に取り組むプロジェクト「GO CRAZY GAME(GCG)」を立ち上げた。

100社以上の企業のマーケティング支援、組織改善に取り組んできた経験とノウハウを使って、e-sportsチーム事業の収益化・安定化を実現させるために活動中。

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e-sportsチーム生存戦略 連載 コラム

2022/11/4

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e-sportsチーム生存戦略 コラム

2022/10/26

e-sportsチームを収益化するための道筋③ ファンを増やすマーケティングの強化

e-sportsチームを収益化するためにやるべきことの3つ目は、ファンを増やすマーケティングの強化です。 ファンはチーム運営の源です。ファンがいなければスポンサーも増やせません。チームの存在意義も無くなります。 試合の勝敗はもちろんチームの影響力に関係しますが、勝ててなくてもファンが多ければチーム運営としては成功だと言えます。 もちろん大会で優勝することでファンが増えたり、より応援してもらえたりするのは確かなので、大会で優勝できる力をつけることが大切なのは変わりありません。 ですが、大会で優勝する以外にも ...

e-sportsチーム生存戦略 コラム

2022/10/20

e-sportsチームを収益化するための道筋② ローカルに根ざしたチーム運営

メジャーなチームスポーツはいずれも、地元があります。ホームスタジアムを置く拠点があるので、地元にファンを作りやすい環境ができています。 他チームと地域対抗の構図を作ることで、ファンが熱狂するきっかけにもなっています。 e-sportsでは、拠点を作り活動しているチームはまだまだ少ないです。チームの運営拠点はあっても、選手はそこにいないという状況もよくあります。 e-sportsはチームの練習も遠隔でできるので、拠点に選手を集める必要がありません。 拠点がなくてもチーム運営ができることは、チームを立ち上げる ...

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2022/10/13

e-sportsチームを収益化するための道筋① 従来型のスポンサー依存モデルからの脱却

e-sportsチームを収益化するためには、従来型のスポンサー依存モデルから脱却する必要があります。 現在、収益化できているe-sportsチームの多くは、その収益の大部分をスポンサー収入で賄っています。 ですが残念なことにトップチーム以外には、十分な収益源となるスポンサーがなかなか集まりません。 これはここまでお話ししてきた、PR目的の予算を目的としていることが原因です。 スポンサー企業は、影響力のあるチームに乗らなければPRの恩恵を受けられません。 なので、多くの影響力の弱いe-sportsチームには ...

e-sportsチーム生存戦略 連載 コラム

2022/10/13

e-sports業界の発展に必要な変化③ 地域に根ざしたe-sportsチームの増加

e-sports業界の発展のためには、チームが黒字化することが欠かせません。チームを黒字化させ、e-sports業界を発展させるために必要な3つの変化があります。 今回はその3つ目「地域に根ざしたe-sportsチームを増やすこと」についてお伝えします。 人気スポーツチームの現状 人気のスポーツはどれも特定の地域を本拠地とするチームが存在します。それにより、ファンの帰属意識が高まり、他チームに対しての対抗心を生み出し、熱狂の原動力となっています。 サッカーの日本代表戦などで、普段サッカーを観ない人たちもガ ...

e-sportsチーム生存戦略 連載 コラム

2022/10/13

e-sports業界の発展に必要な変化② 稼げる大会を増やすこと

e-sports業界の発展のためには、チームが黒字化することが欠かせません。チームを黒字化させ、e-sports業界を発展させるために必要な3つの変化があります。 今回はその2つ目「稼げる大会を増やすこと」についてお伝えします。 稼げる大会には2つの意味があります。1つは、選手が稼げるということ。もう1つは、運営者が稼げるということです。 選手が稼ぐために必要な大会とは ソニー生命株式会社が実施した「中高生が思い描く将来についての意識調査」での将来なりたい職業ランキングによると、男子では1位Youtube ...

e-sportsチーム生存戦略 連載 コラム

2022/9/22

e-sports業界の発展に必要な変化① チーム&プレイヤーの影響力の拡大

e-sports業界の発展のためには、チームが黒字化することが欠かせません。チームを黒字化させ、e-sports業界を発展させるために必要な3つの変化があります。 今回はその1つ目「チーム&プレイヤーの影響力の拡大」についてお伝えします。 影響力が大きければ、その影響力を目当てに企業も寄ってきます。フォロワーが多ければ動画プラットフォームからの広告収入も見込めます。 e-sportsチームや選手が影響力を持つことで、チーム事業は黒字化でき、職業としてのプロゲーマーが成立するようになります。 そのため、どの ...

e-sportsチーム生存戦略 コラム

2022/9/15

e-sports業界の抱える問題 プロがプロとして活動できていない環境

前回は、e-sports業界の抱える問題として、企業がなぜe-sportsチームにお金を出さないのかの根本的な理由についてお伝えしました。今回は、業界を支える主役とも言えるプロ選手に起きている問題についてお伝えします。 プロチームに所属していたらプロなのか? プロとは一般的には、その仕事で報酬をもらい、生活ができている人のことです。 e-sportsのプロ選手であれば、ゲームのプレイを通じて報酬をもらい、生活ができている人だと言えます。 e-sportsチームに所属するプロ選手は、チームから支払われる給料 ...

e-sportsチーム生存戦略 コラム

2022/9/8

e-sports業界の抱える問題 黒字化ができない収益構造【後編】

前回は、e-sports業界の抱える問題として、収益化の構造と、多くのチームにとってスポンサー企業を集めることが難しい理由についてお伝えしました。今回は、企業がなぜe-sportsチームにお金を出さないのかの根本的な理由についてお伝えします。 企業がお金を出さない根本的な理由 e-sportsチームにスポンサードしている企業のお金の出どころは「PR予算」です。PRとは公で知られる機会を作ることであり、広告のような直接的なアプローチではなく、メディアで取材をされるなど、コンテンツとして企業や商品の認知を広げ ...

e-sportsチーム生存戦略 コラム

2022/9/2

e-sports業界の抱える問題 黒字化ができない収益構造【前編】

e-sportsはまさにゴールドラッシュを目前としています。 国内でもe-sportsチームは日に日に増えています。ですが、事業として黒字化できているチームはほんのひと握りだと言われています。名の知れたチームでも、オーナー企業の投資がなければ、事業を続けられないと聞くと驚きを隠せません。 e-sportsチームの数だけプレイヤーの数は増え、世界で活躍する選手が増え、e-sportsプレイヤーを夢見る若者は増えます。e-sportsの熱狂を今よりも大きなものにするためには、多くのe-spotrsチームが事業 ...

平岡氏の取材記事はこちら

 

ガチサプ×FUKUSHIMA IBUSHIGIN 翔選手対談~謎多きチームに根掘り葉掘り聞いちゃいました~

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Creativesさんにチームと『スプラトゥーン』界隈の事情を聞いてみた!【平岡さん×プロチーム対談連載第1弾】

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