コラム e-sportsチーム生存戦略

e-sportsチームを収益化するための道筋② ローカルに根ざしたチーム運営

メジャーなチームスポーツはいずれも、地元があります。ホームスタジアムを置く拠点があるので、地元にファンを作りやすい環境ができています。

他チームと地域対抗の構図を作ることで、ファンが熱狂するきっかけにもなっています。

e-sportsでは、拠点を作り活動しているチームはまだまだ少ないです。チームの運営拠点はあっても、選手はそこにいないという状況もよくあります。

e-sportsはチームの練習も遠隔でできるので、拠点に選手を集める必要がありません。

拠点がなくてもチーム運営ができることは、チームを立ち上げる上ではメリットですが、ここに中小規模のチームが収益化しづらい原因があります。

今回は、e-sportsチームを収益化するための道筋の2つ目として、ローカルに根ざしたチーム運営についてお話しします。

ローカルに根ざしたチーム運営とは?

まず、ローカルに根ざしたチームの定義をご紹介します。

  • 特定のエリアに運営拠点があること
  • 所属する選手がそのエリアで生活をしていること
  • 地場の企業に支えられていること

これらの条件を満たせていれば、そのチームはローカルに根ざしたチームだと言えます。

もちろん地元以外の地域のファンもいて良いのですが、地元のファンを中心としたコミュニティ形成をしていることが重要です。

ただ、拠点があるだけではなく、選手もそこで生活し、地元の企業から応援され、地域の住民との関わりを持てているチームが、今後生き残っていけるe-sportsチームだと考えます。

ローカルに根ざしたチーム運営のメリット①ファンの獲得

ローカルに根ざしたチーム運営のメリットの1つ目は、最初のファンを作りやすいことです。

中小規模のチームにとって、ファンを作り、スポンサーを集めることは至上命題ですが、ローカルに根ざすことで最初のファンを集めやすくなります。

なぜなら、特定のエリアに拠点があり、チームメンバーもそこで生活をしていると、「地元が同じ」という強い繋がりを作れるからです。

同じ学校、同じ会社、同じ地元、同じ国、私たちは同類を優遇したくなる性質を持っています。

これは良い面もあれば悪い面もあるのですが、自分と同じ境遇の相手に良い印象を持つ人がほとんどです。

なので、特定のエリアに拠点を置き、そこで活動をすることで、「同じ地元」という応援する理由を、手っ取り早く手に入れることができます。

ローカルに根ざしたチーム運営のメリット②スポンサー企業の獲得

ローカルに根ざしたチーム運営のもう1つのメリットは、その土地で事業を展開している企業との接点を作りやすいことです。

「地元が盛り上がることに貢献したい」という想いを持った企業は多いです。

なので、e-sportsチームをきっかけに地元を知ってくれる人が増えることに、興味を持つ企業は少なくありません。

中小企業や個人商店が多いので、大きな支援はできないかもしれませんが、小さな支援を集めることで、十分にチーム運営はしていけます。

100万円のスポンサー料を1社からいただくのは難しくても、5万円のスポンサー料を20社からいただくのはそこまで難しくないと思います。
金額は小さくても、それをきっかけに企業との繋がりを作れることで、地元の野球チームやサッカーチームを応援するのと同じように、地元のe-sportsチームを応援してもらえる機会を作れるのは、発展途上のチームにとって大きなことです。

ローカルに根ざしたチームになるために最も大事なこと

ローカルに根ざした活動をしていく上で、忘れてはいけないことは、その地域への貢献です。

地元コミュニティの中で、ポジティブな存在として認めてもらうためには、どれだけ地元を愛しているのか、どれだけ積極的に関わろうとしているかが、周りの人たちに伝わらなければいけません、

自分達が好きな地元を、同じように好きでいてくれる相手に悪い気はしないからです。

そのためには、地元の行事にチームとして積極的に関わり、参加するだけではなく活動のサポートを行ったり、より中心にいるようにすることで、存在感を出すことができます。

チームが中心となったイベントを開催したり、地元の子供や高齢者にゲームを教えたり、交流の機会を作るなども重要になります。

地元との繋がりがしっかりとでき、信頼を得られていればその先に、チームが運営するゲーム教室など、地元住民のための事業展開なども考えられます。

このように、まずはチーム運営の核となるファンとスポンサーを、地元で作ることから始めることで、収益化できるe-sportsチームを増やすことができます。

 

筆者プロフィール

 

平岡大輔
GO CRAZY GAME(GCG)プロデューサー
ゲーミングサプリ「ガチサプ」開発&販売責任者
マーケティング脳をつくる会社 株式会社テマヒマ 代表取締役

自身が格闘ゲームに没頭したことを皮切りに、ガチゲーマーのためのパフォーマンスサプリ「ガチサプ」を開発、e-sports業界の発展のためにコミュニティ活性化に努めている。

e-sportsチームの内情を知り、業界の発展のためには「e-sportsチームが事業として黒字化できるビジネスモデル」の構築が必須だと考え、チームの収益化のための活動に取り組むプロジェクト「GO CRAZY GAME(GCG)」を立ち上げた。

100社以上の企業のマーケティング支援、組織改善に取り組んできた経験とノウハウを使って、e-sportsチーム事業の収益化・安定化を実現させるために活動中。

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平岡氏の取材記事はこちら

 

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