コンバーターとは変換装置のことで、本来対応しないコントローラーや操作機器を使用するために用いられるものです。
コンバーターを使えば、家庭用ゲーム機(CS機)でキーボードやマウスを使ったり、PCで本来対応していないゲーム機のコントローラー(パッド)を使ったりすることができるのです。
本記事ではコンバーターを使うことのメリット/デメリット、そして注意点を解説します。特にデメリットに関してはよくご理解いただき、使用することの是非についてお考えいただければと思います。
コンバーターを使うメリット
コンバーターの種類・価格は多種多様ですが、多くのものに共通するメリットは次の4点です。
操作自由度が高いキーボード、マウスを家庭用ゲーム機でも使える
パッドに比べてキーボードはボタンと使える指が多いため、瞬時にアイテムの切り替えや使用ができます。
また『Call of Duty』(コールオブデューティー)、『Fortnite』(フォートナイト)、『PUBG』などのFPS/TPSでは、マウスによるエイムはパッドよりも素早く繊細な操作ができるとされています。
『Apex Legends』のタップストレイフ
大人気のバトロワ系FPS『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ、エイペックスレジェンズ)では、"タップストレイフ"という空中での急激な方向転換もキーボード・マウスならではの動きとして挙げられます。
タップストレイフをするためには前進キーを連打する必要があり、マウスホイールに前進キーを割り当てることで通常では不可能な動作が実現しています。
使い慣れたコントローラーを使える
たとえばPS4のパッドをNintendo Switchで使用するなど、他のゲーム機で使い慣れたコントローラーを使用することができます。
格闘ゲームの世界大会の優勝者が、コンバーターとPS1のパッドを使用していて話題になったこともありますね。
コントローラーを買い直すよりも安く済む場合も
コントローラーはものによっては数万円以上するものもあるため、ゲーム機ごとに買い直すよりもコンバーターを使用した方が安価に済ませられることもあります。
ただし、コンバーターも性能・価格ともに多種多様なので、しっかりと見極めたうえで購入しないと損してしまう場合も。
独自の機能が付いている
"アンチリコイル"(発砲時の反動を自動で制御する機能)や"マクロ機能"(複数の一定の操作をワンボタンで行う機能)など、独自の機能が付いたコンバーターもあります。
ゲームの攻略を簡単にする便利な機能ではありますが、後述のデメリットでもあるので要注意です。
コンバーターを使うデメリット
コンバーターを使用することにはデメリットもあります。
使用する際はむしろデメリットの方をしっかりと把握し、その性質を十分に理解する必要があります。
BANされる可能性がある
多くのFPS/TPSタイトルではコンバーターの使用を禁止しています。今ではコンバーターを使用しているかどうかの見分け方も広まり、バレる例もSNSなどでたくさん報告されています。配信者の中にはそれを理由に引退するというような人もいるようです。
また、特に独自機能(アンチリコイルやマクロ機能)が搭載されているものはハードウェアチートとして扱われることもあり、利用規約などに抵触した場合はアカウント停止(BAN)されてしまう可能性も否めません。
加えて、利用規約に抵触してしまうのはもちろん、チート行為は違法行為として「電子計算機損壊等業務妨害罪」にあたる可能性も指摘されています。
ゲーム性を損なう可能性がある
家庭用ゲームのFPS/TPSの多くには"エイムアシスト"という機能が搭載されています。これは敵の動きに合わせて自動である程度照準が吸い付くように移動するものです。エイムアシストはパッドでのプレイへ向けた機能で、マウス操作との差を埋めるためのものとされています。
そのため、エイムアシストをONにしてマウスでのエイムを行うと単純に有利すぎてしまうため公平性を欠き、ゲーム性自体を損なってしまうと考えられています。
また、PCでキーボード・マウスを使用する場合でもコンバーターの独自機能を使用したり、コンバーターを経由することでパッドであるとPCに誤認させてエイムアシストの恩恵を得たりするという例もあるようです。コンバーターの使用は特に家庭用ゲーム機での印象が強いですが、PCでも同じように問題視される話題なのです。
タップストレイフは削除されるかも
メリットの項目で紹介した『Apex Legends』の"タップストレイフ"は通常は公式でもいくつかの理由から削除する方針であると発表されています。
強力なテクニックではありますが、練習している間に削除や弱体化される可能性は高く、頼り切りだと後々後悔することになるかも……。
操作入力に遅延がある
高性能なものも増えてきましたが、コンバーターを通すことでボタンを押してから実際にゲームに反映されるまでに遅延が出てしまうものも少なくありません。
瞬時の操作や判断が勝敗を分けるeスポーツ競技や対戦ゲームでは、わずかな遅れが命とりになることもあるので、コンバーターを使用することで逆に不利になることもあります。
コンバーターの使用に注意すべきこと
・公平性やゲーム性を損なわないものを選んで、正しい設定で使用する
・一人用のゲームやオンライン要素のないゲームで使用する
以上のようなことを守りさえすれば、コンバーターは便利な道具として使うことができます。
とはいえ、FPS/TPS界隈では操作機器や設定によって有利/不利が顕著に出るため、コンバーターの使用に関して敏感になっている人も多く見受けられます。中には「コンバーター=悪」という見方をしている人もいるので、使用を公言する場合にも注意が必要です。
コンバータ―は、本来は英語の『converter』の意味の通り「変換器」であり、便利なものです。コンバーターの使用すべてを悪と決めつけるのも間違いですが「自分さえ良ければいい」という軽い気持ちでの使用は、他のプレイヤーに迷惑を掛けてしまう可能性が大いにあります。検討している方は今一度その是非を考えて使用するかどうかをご判断してください!
かりそめのランク・強さに意味は無い!
ランクマッチ代行、コンバーター、チート、スマーフ、ブースティング……様々な違反行為、公平性を損なう行為は度々SNSなどでも話題になり、良くない行為という認識も広まっているかと思います。しかし、SNSなどで自慢したいがためか、それらの違反行為に手を染めるプレイヤーも少なくありません。
そもそもゲームの強さって何でしょうか?
ランクやポイントは強さの指標の一つではありますが、プレイがその内容に伴っていなければ、それは何の意味もありません。むしろランクだけ立派で中身が無いなんてカッコ悪くないでしょうか。不正行為でランクやポイントを手に入れても、実力も経験も体験も何も得ることはできません。
そして、不正行為でランクを上げる行為が横行し誰でも高ランクになることができてしまえば、そもそもランクの価値自体が無くなってしまうのです。不正行為をしてまで手に入れたランクは結局無価値なものとして扱われてしまいます。さらに不正行為が横行しプレイヤー人口が減少すれば、プレイすること自体が難しくなってしまう、サービスそのものが終了してしまうことも考えられます。(チートを使用するプレイヤーが多すぎて衰退していったゲームも実際にあります)
ゲームの楽しさや価値を奪う行為は決して許されるものではありません。ゲームで自慢をしたいほどゲームが好きであればこそ、不正行為には手を染めず、ゲームを愛し向き合って本当の実力を手に入れましょう!