コラム

『スト6』の世界大会「カプコンカップ10」で台湾のダークホースが賞金1億5000万円を獲得

2024年2月に行われた『ストリートファイター6』(スト6)の世界大会、カプコンカップ10(Capcom Cup X)。

日本人選手3名が出場し編集部も応援していましたが、結果はまったく注目されていなかった台湾の選手が優勝……。普通だったら盛り下がってもおかしくないのですが、これがもう滅茶苦茶興奮しちゃいました!

今回はその興奮や衝撃を伝えるべく、大会や選手のことをお伝えしちゃいますよ~!

優勝賞金1億5000万円!カプコンカップ10とは

カプコンカップは、格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズの公式世界大会です。2023年から2024年にかけて行われた10回目となるカプコンカップ10は、最新作の『スト6』が発売されて初めての開催となりました。

その優勝賞金はなんと同大会史上最高額の100万ドル!

日本円にして約1億5000万円と、数あるeスポーツの大会の中でもトップクラスの賞金額です。

ダークホース、UMA選手が優勝した衝撃

UMA選手の優勝は、誰もが予想だにしていなかったものでした。

端的に言いますと、UMA選手が注目されていなかったのには、次の3つのような理由が挙げられます。

・プロゲーマーではなかった(アマチュアだった)
・過去の大会で目立つことがなかった
・使用キャラクターがトップ層ではなかった

もう少しUMA選手について掘り下げてみましょう。

UMA選手は、前作『ストリートファイター5』(スト5)から”いぶき”を使って競技シーンに参入をしたプレイヤーです。『スト5』時代は"Kagami"という名前を使用していましたが、『スト6』から現在の”UMA327”という名前に変更し"ジュリ"を使っています。

『スト6』の大会でも特別目立った成績を収めることはなく、スポンサードを受けるプロゲーマーではなくアマチュアとして活動をしていたため、日本での知名度はほとんどありませんでした。カプコンカップ出場権に関連する主要な大会を例に挙げるとEVO2023 29位、オフラインプレミア シンガポール 49位、オフラインプレミア フランス 49位と、上位に食い込むことはほとんどなかったのです。

しかし、台湾国内の大会では優勝、準優勝することも多く、十分な実力を秘めていたのも事実です。特に注目されるきっかけとなったのは、ワールドウォリアー東アジア大会。HotDog29選手(香港)、OilKing選手(台湾)、ZjZ選手(台湾)、Chris Wong選手(香港)など、長年に渡りトッププレイヤーとして活躍する強豪を倒して優勝し、カプコンカップ本戦への出場を決めました。

とはいえ、UMA選手の優勝を予想する人は数少なく、『スト6』ゲーム内で行われた優勝者予想では得票率はわずか0.7%。台湾国内のコミュニティからの期待も低かったという情報も散見されます。また、UMA選手が使用するジュリというキャラクターは「強いもののトップ層には及ばない」という評価がされることが多かったため、誰も彼の優勝を予想することはできなかったのです

カプコンカップ10の決勝トーナメントでは、KUSANAGI選手(メキシコ)、LESHAR選手(韓国)、Chris Wong選手という強豪を倒し、運ではなく実力での優勝であることを見事に証明しました。

UMA選手が行った"最大級の推し活"

まさにダークホースともいえるUMA選手の優勝は、日本でも好意的に受け取られています。

親日国である台湾の選手であり、UMA選手自身も日本語が堪能、さらには日本のVtuber 大神ミオさんのファンということで、温かく受け容れられたようです。

カプコンカップ10には大神ミオさんのパーカーを着て出場して優勝時にはバッチリ映り、まさに"最大級の推し活"をしたとも言われています。この様子は大神ミオさん本人にも届き、UMA選手とX(旧Twitter)でやり取りが行われるなど、推しから認知されるというファンとしても最高の喜びを得られたのではないでしょうか。

アマチュアがeスポーツで大金を掴む、ということが現実に起こった

アマチュアが優勝して1億5000万円を手入れる」という、まさに夢のような出来事がカプコンカップ10で現実になりました。

もちろん、これはポッと出のプレイヤーがたまたま優勝した訳ではなく、長年の努力と研鑽により勝ち得たものであることは間違いありません。しかし、この事実に夢を見出してしまう人も多いのではないでしょうか。

eスポーツは性別、年齢、体格など関係なく誰でも平等に楽しむことができる競技です。また、初期の導入コストさえ必要なものの、他の趣味やスポーツと比べると安価に長く楽しむことができます。今ではインターネットの普及により、地域による差もほとんどなくなってきて、まさに誰でも楽しめるものとなっています。

次回カプコンカップ11の開催と、さらに賞金額も今回と同じ1億5000万円であることが発表されました。「優勝を目指して」は流石に気が乗らないかもしれませんが、1億5千万円という大金を動かすほど人々を熱中させる『スト6』、eスポーツの世界に、あなたも一歩踏み出してみませんか?

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