『ずらし押し』『辻式』とはeスポーツの人気タイトル(種目)の一つ『ストリートファイターV』などの2D格闘ゲームで使われる専門用語です。
どちらも、ボタン入力に関するテクニックです!(下につづく)
ずらし押しとは
『ずらし押し』とは、2つ以上のボタンを数フレームずらして押すテクニックです。英語では「plink」といいます。『ずらし押し』は、最速で技を繰り出したい場合に使われます。
最速で技を出したいがあまり、硬直が終わる前にボタンを押してしまうと、正しく技を繰り出せない場合がよくあります。そこで『ずらし押し』を活用して、技を入力すると、複数回ボタンを入力している分、最速で技を繰り出せる確率が上がるのです。
辻式とは
『辻式』とは、2つ以上のボタンを1フレームだけ間隔を空けて『ずらし押し』するテクニックです。『辻式』と『ずらし押し」は混同されることも多く、『辻式』も『ずらし押し』同様に、英語で「plink」といいます。
多くの2D格闘ゲームでは、技の優先順位が設定されています。例えば『ストリートファイターV』では、「小パンチ」よりも「中パンチ」の方の優先順位が高いので、「小パンチ」と「中パンチ」を同時押しすると、「中パンチ」が発生します。
『辻式』は、技の優先順位を利用し『ずらし押し』をすることで、繰り出したい技を最速で発生させるテクニックです。同時押しは1フレームだけ間隔を空けて入力しても、「同時に押している」と認識されます。例えば、「中パンチ」を入力した1フレーム後に「小パンチ」を入力したとします。ゲームはこれを、【1フレ目に「中パンチ」を入力し、2フレ目に「中パンチ」と「小パンチ」を同時に押した】と認識します。
この例では、2フレーム目は【「中パンチ」と「小パンチ」を同時に押した】ことになりますが、技の優先順位の関係で「中パンチ」が繰り出されます。このように、1フレーム間隔の空いた『ずらし押し』と技の優先順位を利用し、繰り出したい技を最速で発生させるテクニックが『辻式』なのです!
また『辻式』は、「豪鬼」の「瞬獄殺」などの入力が特殊な技に利用されます。難解な入力が要求される場合でも、『辻式』を使えば安定させやすい場合があります!
辻式が特に重要視されていたのは『ストリートファイター4』時代
『ストリートファイター4』シリーズはコンボの目押しが非常に難しく、中には入力猶予が特定の1フレームのみというコンボも存在しました。
たった1フレームと思われるかもしれませんが、少しでもコンボの精度を上げるために辻式の入力方法を使うのが一般的だったのです。
しかし次回作の『ストリートファイター5』からは先行入力が効いて入力猶予が大幅に緩和されたため、辻式が使われることは少なくなりました。