ゲーマーゲーマー編集部の小河原です。
このコラムも今回で10回目となりました。だからといって何もないのですが、X(旧Twitter)でも時々反応をいただけていまして、非常にありがたく思っております。私は編集者ですが、一人のゲーマー、プレイヤーでもありますので、お気軽にリプライやリポストしていただけると嬉しいです。
ゲーセン、減っています。超減っています……
ゲームセンター、滅ッッッ茶苦茶減っていますよね。1989年には約2万2000件あったのが、今では4000件を割っているのだとか。
特に私のような古いゲーマーにとっては、格闘ゲームやシューティングゲーム等の「ビデオゲーム」を扱う店舗が減っていることはとても寂しく感じています。その反面、ターゲットとなるお客さんの層や数、接地面積やプレイ時間と売上等々の事情から、今ではクレーンゲーム中心のお店や専門店も増えてきています。ゲームセンターは慈善事業でも博物館でもないですし、運営に携わる人たちの生活も懸かっているので、この流れは致し方ないものです。
昔は家庭用ゲーム機よりも業務用マシンの方が優れていて、最先端のゲームをプレイするにはゲームセンターに行く必要がありました。しかし、今では家庭用ゲーム機は進化し、ビデオゲームに限っていえば家にいながらゲームセンターと同等の体験ができるようになりました。
では、ゲームセンターでビデオゲームをやることに価値はなくなってしまったのでしょうか。
行こう、ゲーセン。今日行こう
私がゲームセンターの魅力を語る際に、よく引き合いに出すのが「カラオケ」です。歌を抜いた音源に合わせて歌うということであれば、Switchの『カラオケJOYSOUND for Nintendo Switch』でもできますし、何ならYouTubeのカラオケ音源に合わせて歌うだけでもできてしまいます。
しかし、自宅に友達を呼んで家カラオケをするのと、友達とカラオケ屋に行って歌うのでは全然違うと思いませんか?
もちろん自宅ではスピーカーやマイク、エコー、照明などもグレードダウンしてしまいますし、お金を払っている分カラオケ屋の方が優れているのは当たり前です。が、もしこれらの設備もカラオケ屋と同程度のものを用意できたとしても、私は「誰かの家でのカラオケ」と「カラオケ屋で歌うこと」はまったく別物だと感じています。
店選び、時間やコース、機種の選択に始まり、フードメニューを見て何を注文するか考えたり、その後どこに行くかを話し合ったり、ドリンクバーのために部屋から出て帰ってきたら変な曲を歌っていたり……、カラオケ屋でしか味わえない体験がたくさんあります。
家庭用ゲームとゲームセンターも同じで、単にゲームで対戦するだけであれば家庭用の方が優れている場合さえ今ではあります。しかし、誰かのプレイを後ろからベガ立ちで見ながら喋ったり、知らない人が乱入してきたり、その人に声を掛けて友達になったり……、そんなことはゲームセンターでなければ起こり得ません。ネット対戦でも似たようなことは可能ですが、その味わいはまったく異なるものになってしまいます。
そう考えれば、1プレイ100円というプレイ料金は、単なる遊戯以上の価値に対して支払われているものであるといえるのではないでしょうか。ただ、この価値が生まれるには前提条件があり、それこそがゲームセンターのビデオゲームが抱え続けている課題にもなっています。
その前提条件とは「人がいる」ということです。誰かのプレイを見ることも、乱入も、友達になることも、そこに人がいなければ起こりません。しかも、人がいなければ面白くないので、多くの人が「誰かがいるなら行く」という姿勢になってしまうのです。この状況を打破するために、ビデオゲーム主体のゲームセンターでは定期的に大会や対戦会等のイベントを開催したり、その様子を動画サイトで配信したりする等して人を集めるために尽力しています。イベントを開いてくれるゲームセンターさんには本当に感謝しています!
ゲームセンター好きの間にはこんな言葉があります。「いつまでもあると思うな 親とゲーセン」。閉店が決まると「思い出の場所だった」「もっと行っておけば良かった」という話がよく出てくるのですが、今でもある場所を過去のものにせず、営業しているうちに行くことが思い出にしないために必要なことだと思います。さあ皆さん、仕事帰りや休日に、たまにはゲームセンターに足を運んでみませんか?
今日は私もゲームセンターに寄って帰ろうと思いますので、今回はここまでです。長文失礼いたしました。
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