編集部コラム

炎上を防げ!プロゲーマーに必要なのは"専属おばあちゃん"【編集部コラム】

ゲーマーゲーマー編集部の小河原です。

今回は、eスポーツメディアとしてはちょっと扱いにくい「炎上」の話題です。真面目に重く話すと長くなり過ぎるので、あえてライトかつ平易に扱いたいと思います。斜め読みすると誤解を生みやすい内容だと思いますので、読む場合は飛ばさずじっくり読んでいただけるとありがたいです

プロゲーマーの炎上はなぜ起こる?

※炎上とは真逆に位置するプロゲーマーの動画です

プロゲーマーの炎上、時々ニュースで目にしますよね。むしろ普段ゲームやeスポーツに触れていない人からしてみると、炎上系の話題しか目にしないのではないかと思います。

eスポーツの良いニュースも悪いニュースも長年見届けてきましたが、特に悪い方で多いのが「差別発言」の話題。本人には当事者への差別的な意図がなくても、比喩的な意味で言葉を使ってしまい炎上するパターンは数多いです(※「比喩として差別的な言葉を使っている時点で、本人に自覚が無くても潜在的に差別意識があるのでは」等の議論はここでは置いておきます)。

これは、一言で表すなら「プロ意識の欠如」が最たる原因だと思いますが、その土台にはゲーマーの間にある閉じた世界の文化や、プロゲーマーという職業の性質も影響していると考えられます。

2年ほど前に「低身長の男性には人権がない」という発言で炎上し、プロゲーマーという職を失ったプレイヤーがいましたが、この『人権』という言葉にはゲーマー間でしか通じない意味があります(※言葉の意味の詳細は次の記事をご参照ください:eスポーツ用語『人権』とはどんな意味?)。他にも「地雷」「戦犯」「詐欺」など物騒な言葉もスラング(俗語)として使われていたりしますし、ゲームの多くが「敵を倒す」という性質を持っているため、「殺す」「死ね」などの過激な言葉が出やすくなっているという側面もあります。(最近では過激な言葉を是正する動きもプレイヤー間で広まってきているんですよ!)

また、多くのプロゲーマーは個人での活動からスタートし、注目を集めることでチームや団体に所属することが多いです。どこかに所属した時点でその看板を背負うため「プロ」と言えるのですが、その活動内容は個人のときの延長上にあるため意識の切り替えができない人も多いのかと思います。(急に活動内容がガラっと変わってしまっては旧来のファンも戸惑うので難しいところです)

さらに加えると、プロゲーマーはタレントやスポーツ選手などの有名人と比べると、露出の機会が非常に多いです。俳優なら演劇やTVドラマ、アスリートなら試合が本番で、その間だけ衆目を集めることになります。対して、プロゲーマーにとっての本番は試合だけではありません。日常的に数時間の配信をし、多くの人の前でゲームをしています。生配信では問題部分を編集することもできないので、必然的にトラブルも多くなりやすいでしょう。

まとめると「外から見たら悪い文化を、プロになった後も持ち込み、生放送で露呈させてしまう」ということですね(端的に書くと凄くひどい感じがしますね……)。

以上のような理由を以って差別発言を擁護するつもりは毛頭ありませんし、事情を把握しているつもりの私から見ても、残念ながらプロ意識が欠けている炎上予備軍ともいえるプロゲーマーは少なからず見かけます。

最終的には「本人の人格」が問われるのでは

こういった炎上案件を受け、各団体やチームは所属選手へのコンプライアンス研修を徹底しています。しかし、それでは不十分だと個人的には考えます。

というのも、どれくらいの回数や頻度でやればプロゲーマーの意識が改革されるのか分からないからです。1回研修を行っただけで意識が変わり永続的に問題が起きない人もいるかもしれませんが、たった1回では数日のうちに忘れてしまう人もいるかもしれません。また、たとえば月に1回定期的に研修を行ったとして、その意識が1ヶ月間続くでしょうか。では、頻度を高めて月に2回、週に1回、週に2回、毎日と頻度を高めれば大丈夫……?現実的には回数を増やすにも限度があります。

もちろん研修自体には大きな意義があり必要だと思いますが、それ以上に大事なのは結局「本人の人格」だと私は考えています。こんなことを言っては元も子もない気がしますが、それがすべてではないでしょうか。

私は自身の言葉遣いは比較的綺麗な方だと思っていますが、元々はゲームをやっていて「死ね!」とか「敵を殺した!」とか言う方でした。しかし、小学生の頃に祖母から「むやみにそんな言葉を使ってはいけないよ」と言われてからは気を付けるようになり、ゲームプレイ中も含む日常でそのような言葉を使うことはなくなりました。それが30歳を過ぎた現在でも続いています。

私のケースはあくまで一例ですが、「それがいけないこと、悪いこと、恥ずべきこと」だと自覚するには周囲の目が大切です。誤解を恐れずに言うならば、まだeスポーツはゲーマーやファンが見るのみにとどまる、ある意味狭い世界で完結しているものです。しかし、これからeスポーツがより多くの人に親しまれるためには、外の世界の人たちの目を基準にして、いけないこと、悪いこと、恥ずべきことを認識していく必要があります。

つまり私が言いたいのはプロゲーマーには「専属おばあちゃん」を付けて、その言動を見守ってもらった方が良いということです!おばあちゃんが見ているのに「死ね!」とか言えますか?言えませんよね!

……あれ?長々と書いておいて結論がおかしくなってしまったので、今回はここまでです。長文失礼いたしました。

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