インターネットを通じてゲームをプレイすることが当たり前の今、対戦型ゲームの人気はますます伸びてきています。YoutubeではFPSなどのオンライン対戦ゲームが人気コンテンツになるほどの人気ぶりです。また、ここ最近のゲームはほとんどにオンライン対戦モードが導入され、eスポーツとして楽しまれています。
しかし、すべての対戦型ゲームがeスポーツタイトルではないってご存じでしたか?
どれがeスポーツ?
そもそもeスポーツって何を指しているのでしょうか。日本eスポーツ連合JeSU(https://jesu.or.jp/)では
”「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称”
と書かれています。これを見る限りではほとんどの対戦型ゲームが当てはまります。では、いま世に出ている対戦型ゲームは全部eスポーツタイトルなのでしょうか?ここで現在JeSUがプロライセンスを認定しているeスポーツタイトルを例に見てみましょう。
- ウイニングイレブン 2019
- Call of Duty: Black Ops 4
- レインボーシックス シージ
- ストリートファイターV アーケードエディション
- 鉄拳7
- デッド オア アライブ6
- GUILTY GEAR Xrd REV 2
- BLAZBLUE CENTRALFICTION
- BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE
- パズドラ
- 『ぷよぷよ』シリーズ
- モンスターストライク
また、公認条件は以下の通り。
1 競技タイトルの公認条件
以下の 4 項目に基づき、IP ホルダーと JeSU が協議の上、JeSU が判断する。
1.1 ゲーム内容に競技性が含まれること(競技性)。
1.2 ゲームとして 3 か月以上の運営・販売実績があること(稼働実績)。
1.3 今後も e スポーツとして大会を運営する予定があること(大会の継続)。
1.4 e スポーツとしての大会の興行性が認められること(興行性)。
2 シリーズ作品の公認条件
2.1 前作が公認タイトルとして認定されているシリーズの正当な続編である場合
は、稼働実績が 3 か月に満たない場合でも認定を受けることができるものとす
る(継続認定)。
2.2 PC、モバイル、アーケード、家庭用ゲーム機など他機種からの移植もシリーズ
作品とみなすものとする(他機種からの移植)。
これを見る限り、eスポーツタイトルに重要なのは競技性、稼働実績、継続性、興行性だとわかります。しかし、数ある対戦型ゲームの中でもこれらの条件を満たしているのはごく一部で、特に継続性と興行性を満たすゲームタイトルは多くないのが今の現状。結果として対戦型ゲームはeスポーツタイトルとそうでないタイトルに分かれてしまうのでしょう。
暴力的なゲームはNG?
また、世界中で絶大な人気を誇るeスポーツジャンル、FPSやTPSなどのシューティングゲームはeスポーツに適さないのではという声も上がっています。スポーツという名が入っているので、戦争や銃器などの暴力的なものを扱ったゲームは不向きだということです。
ここ最近ではeスポーツをオリンピック競技化しようという動きもありますが、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長が「いわゆる“キラーゲーム”が取り除かれない限り,オリンピックに採用されることはない」と発言しています。それもあってか2018年に開催されたアジア競技大会eスポーツ競技ではウイニングイレブン 2018、クラッシュ・ロワイヤル、StarCraft Ⅱ: Legacy of the Void、ハースストーン、リーグ・オブ・レジェンド、Arena of Valorが選ばれました。
さらに開催間近の「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」では、Football ウイニングイレブン 2020、グランツーリスモSPORT、ぷよぷよeスポーツを採用。「全国高校eスポーツ選手権」ではロケットリーグとリーグ・オブ・レジェンドを採用しています。
上記のタイトルはいずれも暴力的な要素が一切ありません。やはり大きなeスポーツ大会ほど暴力的なゲームが排除される傾向にあるのでしょうか。
今後はどういったタイトルが選ばれるのか
大会に採用されるeスポーツタイトルになるためには競技性、稼働実績、継続性、興行性、そして暴力的表現が少ないことが必要になってきます。そのため、FPSなどの暴力的要素を含むゲームが大きな大会に採用されるのは難しいかもしれません。
しかし今のFPS業界はすごい人気ぶりで、競技性、稼働実績、継続性、興行性のどれをとってもピカイチです。なのでFPSの存在はeスポーツ業界を活性化させるうえでは欠かせません。
そのためにもeスポーツタイトルの条件については、様々な団体や企業の慎重な話し合いがより一層必要になってくるでしょう。