「クロスプレイ」。少し前まではただの夢物語に過ぎませんでしたが、今ではフォートナイトを始めとする複数タイトルがどんな機種でも誰とでも遊べるようになっています。最近ではシリーズ19作目となるコールオブデューティ:モダンウォーフェアもクロスプレイを実装して大きな話題になっていますね。プラットフォームの垣根を越えてみんなが繋がるというのは、新たな時代の幕開けと言っても過言ではありません。
しかし、その反面デメリットも存在します。よく言われているのがハードごとの性能差や入力デバイスによる優劣の問題です。そこで今回はクロスプレイのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます!
メリット
プレイヤー数の増加
今までは各ハードで個別にマッチングしていましたが、クロスプレイでこれらを1つに統合することで総プレイヤー数の増加に期待できます。人が増えたことでマッチングも安定するので、プレイヤーが少なくて全然マッチングしないということもなくなることでしょう。
誰とでも出来るクロスプレイの導入によって違うハードを持っている友達ともゲームが遊べるようになりました。これはゲームによっても違うのですが、CoD:MWではPS4・XB1・PCのプレイヤーなら誰でもマッチングができます。フォートナイトはPCにMac、PS4、XB1、Switch、Android、iOSのプレイヤーなら誰でも一緒にプレイすることが可能です。
これらのことからクロスプレイのメリットをまとめると
- すべてのプレイヤーを統一することで過疎化を防げる
- ゲームハードの選択肢が増える
- 違うハード同士でも一緒にプレイが出来る
となります。同じゲームをプレイしているもの同士が一緒にプレイできるというのはこれからのゲーム業界に浸透していってほしいですね!
デメリット
しかし、今のeスポーツ業界ではクロスプレイがあまり受けいれられていないようです。特に問題視されているのがハードによる性能差と使用デバイスによって生じる優劣なんです。
ではなぜこの2つの問題がeスポーツ業界にとって良くないのでしょうか?この理由を深堀りしていきましょう。
問題その1 ハードごとの性能
ハードの性能差がなんでそこまで重要視されるの?って思う方も多いと思います。では性能差が違うと具体的にどんな影響があるのでしょうか?ズバリ、ゲーム画面の視認性に差が生まれます!ここで以下の画像をご覧ください。
それぞれの動きはどう見えるでしょうか。そう、 上にある文字ほど滑らかに見えると思います。これがフレームレートといいます。
フレームレートとは1秒間に描写する画像枚数の数値のことで、数値が高ければ高いほど滑らかな映像になります。1秒間に画像を30枚描写すれば30FPS、60枚なら60FPSと表記されます。
もっと簡単に説明すると、パラパラ漫画なんかがいい例でしょう。パラパラとめくる枚数が多いほど絵にも動きが出ますよね。フレームレートはそれと同じ原理です。
そしてフレームレートが変われば、見ているゲーム画面も全く異なるものになるのです。先ほどのGIF画像の文字を敵キャラクターだと想像しながら見てみてください。どの文字が一番捉えやすかったでしょうか?もちろん一番上ですよね!
このようにシューティングゲームや格闘ゲームなどの動きがあるゲームではフレームレートが高いほど快適にプレイができちゃいます。そしてゲームハードごとに30FPS、60FPSと差が出来て、有利・不利が必然的に生まれてしまうんです。
ここでハードごとのフレームレート値を見てみましょう。
モバイル 30~60FPS(60FPSは対応機種のみ)
Switch 30FPS
PS4・XB1 60FPS
PC 無制限(現状の最大値は240FPS)
このようにフォートナイトでは最大8倍もの差が生まれてしまっているのです。
一応、フレームレートは60FPSもあればゲームプレイに影響はないと言われています。僕も実際に144FPSまでは体験済みで、60FPSと144FPSの違いは明確に感じられましたが、正直言ってプレイに差が出るまでの違いはないと思います。
ですがプロ選手などの勝敗にこだわりを持つ人は、少しでも優位に立つために144FPSなどの高パフォーマンスにこだわっている方が非常に多いです。
その2 使用デバイス
実は使用するコントローラーやデバイスなどによってもゲームプレイに差が出てしまいます。そしてこの問題に関しては数々のゲームで長年議論の的とされてきました。
格闘ゲームでヒットボックスという操作デバイスが使用禁止になったり、家庭用ゲーム機でのコンバータ使用によるマウス操作が横行したりと数え切れません。
しかし、この中で特にクロスプレイと密接に関わっているゲームジャンルがFPSです。格闘ゲームとは異なり、ハードによってはコントローラーだったりマウス&キーボード、タッチスクリーンなど様々な種類の入力デバイスが存在します。
しかし、FPSは正確な入力操作が必要になるゲームなので、入力デバイスによる優劣がどうしても存在してしまうのです。
また、FPSをやるなら一般的にはキーボード+マウスが最も適しているとされています。では、それぞれの入力デバイスの特徴って何なのでしょうか。今主流の3つの入力デバイスを比較してみました。
マウス+キーボード
〇メリット
- 直感的で素早い操作が可能
- キーが多い
- カスタマイズ性がある
- 種類が豊富
×デメリット
- 操作が難しい
- 初心者向けのアシストがない
コントローラー
〇メリット
- ボタン数が少なく、操作が簡単
- アナログスティックがある
- エイムアシストに対応
×デメリット
- 複雑な操作がやりづらい
- マウスほど機敏にカメラ操作ができない
- コントローラーの種類が少ない
モバイル
〇メリット
- タッチ操作で簡単
- 画面にすべての操作が表示されて見やすい
×デメリット
- 指で画面が埋まってしまう
- 複雑な操作が非常にやりづらい
- 精密なカメラ操作が難しい
操作のしやすさなどの問題点に関しては慣れることである程度は解消できるものもあるのですが、やはりFPSはマウス&キーボードを前提として作られているものが多いため非常に有利なデバイスといえるでしょう。
そのため、Eスポーツ大会などでは入力デバイスによる優劣が生じないようにコントローラーはコントローラーと、マウスはマウスといった風に別々で大会を行っているのが現状です。
またマウス+キーボード操作は今までPCの特権だったのですが、Switchを除く家庭用ゲーム機ではフォートナイトやCoDがクロスプレイに合わせて対応しました。これは恐らく家庭用ゲーム機ユーザー向けの配慮だと思われます。
なので家庭用ゲーム機でもマウス&キーボードが主流になる時代がくるかも...。
今後の動向
フレームレートや入力デバイスなどプレイに差が出てしまうなどの問題から、クロスプレイがeスポーツで普及するのは現時点では非常に難しいでしょう。
やはりスポーツという名が入っている以上、プレイは平等であるべきですよね。しかし、あきらめるのはまだ早い!
皆さんは来年のホリデーシーズンに、PlayStationの新型「PlayStation5」とXboxの新型「Scarlett」が発表されているのはご存じですか?やはり次世代機なので性能が全体的に上がるそうで、フレームレートに関してはなんと両者とも120FPSまで対応するそうです。
PS4やXB1と比べて2倍もフレームレートが向上していますね。
また、つい先日にはGoogleから新しいゲームサービス「Stadia」のサービスが開始されました。これはゲームストリーミングサービスとなっていて、ハードの性能に依存することなく誰もがスマホやテレビでフルHD60FPSのゲームを遊ぶことができるそうです。また、将来的には120fpsや8k解像度、マウス+キーボードにも対応するとのこと!
これらの次世代機やストリーミングサービスが普及していけば、ハードごとの障壁がなくなって誰もが同じ環境でゲームプレイが出来ますね。そうして平等な環境が整ってくれば、eスポーツの普及にも大いに役立つでしょう!!