『人権』とは、eスポーツを含むゲーム全般で使われるスラング(俗語)です。
『パズドラ』『モンスト』のようなスマホゲームから、『League of Legends(LoL)』『Apex Legends』『ストリートファイターV』などの対戦ゲーム、さらには『遊戯王』『シャドウバース』などのカードゲーム(TCG、DTCG)など様々なタイトルにおいて使われることがある言葉です。
スラングとしては本来とは異なる意味を持つため、しっかりとニュアンスをつかんでおきましょう。
人権
まず『人権』という言葉の本来の意味をご理解ください。
「人権」とは「すべての人々が生命と自由を確保し,それぞれの幸福を追求する権利」あるいは「人間が人間らしく生きる権利で,生まれながらに持つ権利」であり,だれにとっても身近で大切なもの,日常の思いやりの心によって守られるものだと私たちは考えています。子どもたちに対しては,「命を大切にすること」,「みんなと仲良くすること」と話しています。
誰もが持っているものであり、また非常に大切なものであることを踏まえた上で、eスポーツやゲームの間で使われている異なる意味を理解するようにお願いします。
ゲームにおける『人権』の意味
ゲームにおいては「強力すぎるキャラクターやアイテム」あるいは「実戦的で勝負できるレベルにあるキャラクターやアイテム」またはそれらを持っていることを指します。
また、それらを「人権キャラ」「人権アイテム」「人権武器」などのように表現をします。「勝負の土俵に立つに値する(立てる)」という日本語がもっとも近いでしょうか。
アップデートによりキャラクターが追加されたり、性能が変更されたりすることがあるオンライン対応ゲーム全般において主に使用される言葉です。
スマホゲームで使われる『人権』
たとえば、スマホゲームの中には新キャラクターやアイテムが登場した際に、今までのゲームバランスを崩すほどの能力を持つことがあります。これを「人権キャラ」と称し、またガチャから引くことを「人権を獲得した」と表現したりすることがあります。
『パズドラ』においては、かつて当時のゲームバランスでは考えられないほど強力な"曲芸師"というキャラクターが実装されたことがあります。当時は攻撃力の倍率が3~4倍程度が主流だった中、曲芸師は8倍という数値を誇り、曲芸師を持っているかどうかでゲーム攻略の難易度に大きな差ができてしまいました。
このようなガチャが存在するゲームにおける強力すぎるキャラクターやアイテムを『人権』と表現します。
対戦ゲームで使われる『人権』
「実戦に堪えうる性能を持つ」ことを「人権がある」と表現することがあります。逆に、最も流行しているキャラクターや行動に対して何も対抗手段を持っていなければ「実戦での使用が難しい」⇒「人権がない」と評されることもあります。
たとえば、カードゲームの『マジック・ザ:ギャザリング』において4点ダメージを与える能力を持つ「火炎舌のカヴー」が流行っていたときは、そのダメージに耐えられる手段の有無によって、今で言う「人権がある/ない」が判断されていました。(※もっとも当時は人権というスラングはまだなく、そのような言い方をされることはありませんでしたが分かりやすい例として挙げています)
「使える」という意味は共通していますが、スマホゲームとは若干ニュアンスが異なりますね。
使用には要注意!
いずれにせよ本来の言葉の意味とは大きく異なるので、使用する際には注意が必要です。また、明確に意味の定義がされている言葉ではない俗語(スラング)であるため、人によって意味の解釈が異なることもしばしば。ときには誤解を与え炎上してしまう可能性もあります。
重く強い言葉であるため上手く使えば会話や文章を面白くすることができますが、日常的に使いすぎて本来の意味やその大切さを忘れてしまわないように気を付けましょう。