『シングルエリミネーション』『ダブルエリミネーション』とは、『STAGE:0』などのeスポーツの大会で使われる専門用語です。
この記事さえ読めばしっかりとその意味や仕組みを理解できると思いますので、気になる方はこの機会にしっかり覚えちゃいましょう!(下につづく)
シングルエリミネーション、ダブルエリミネーション
『シングルエリミネーション』『ダブルエリミネーション』とは、いわゆるトーナメント方式の大会のルールで、「トーナメントの全出場者が、何回までなら負けても優勝することができるか」を表す用語。
例を挙げると、
シングルエリミネーション = 1度でも負けたらトーナメントから脱落
ダブルエリミネーション = 2度負けたらトーナメントから脱落
という形です。大体のトーナメントが、この2つのいずれかに該当するかと思います。
"敗者復活”という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、コレがあるトーナメントはダブルエリミネーション制ということになりますね。
シングルエリミネーションはトーナメントで誰と当たるかという"くじ運"の要素がどうしても強くなってしまいがちです。運要素を少しでも緩和して、プレイヤーに平等に機会を与えようとするのがダブルエリミネーションという方式です。
2つのトーナメントから構成される『ダブルエリミネーション』
ダブルエリミネーションの大会は、ウィナーズ、ルーザーズの2つのトーナメントと、2つのトーナメントの勝者が戦い優勝を決めるグランドファイナルの3つの要素により構成されます。
ウィナーズ、ルーザーズ 2つのトーナメント
ダブルエリミネーションのトーナメントでは、参加者は「ウィナーズ(Winner's)」と呼ばれるトーナメントから開始されます。
ウィナーズで1度負けてしまうと、次は「ルーザーズ(Looser's)」と呼ばれるトーナメントへ移行します。移行の際は「負けたのがウィナーズの何回戦だったか」によってルーザーズのトーナメント表のどの位置に組み込まれるかが決定します。これがいわゆる「敗者復活戦」ですね。
たとえば、ウィナーズの1回戦で負ければルーザーズの1回戦に、ウィナーズの2回戦で負ければルーザーズの2回戦に組み込まれます。ルーザーズ2回戦に組み込まれたプレイヤーはルーザーズでの1回戦が免除され、ルーザーズの1回戦で勝ったプレイヤーと戦うこととなります。複雑に見えるかもしれませんが、多くの大会ではトーナメント表を見れば負けた際にどの位置に組み込まれるか分かるようになっているので、大会に参加する際は事前によく確認しておきましょう!
最終的な決勝戦 グランドファイナル
ウィナーズのトーナメントの決勝戦は「ウィナーズファイナル」、ルーザーズのトーナメントの決勝戦は「ルーザーズファイナル」とそれぞれ呼ばれます。そして、両トーナメントの最終的な勝者同士が戦い大会全体での優勝者を決めるのが「グランドファイナル」という最終的な決勝戦です。
グランドファイナルではウィナーズでの勝者、ルーザーズでの勝者で必要な勝利数が異なります。ウィナーズ勝者は1勝、ルーザーズ勝者は2勝すれば優勝となります。
1度戦った相手とルーザーズやグランドファイナルで再び相まみえることがあるのも、ダブルエリミネーションの特徴です。
エリミネーションの由来
英語で表記すると『elimination』。除去、除外などの意味があります。
つまり、「○回負けると、トーナメントから除外されるよ」ということですね。eスポーツ界ではおなじみの言い回しですが、ビリヤードのトーナメントでもよく聞く言葉です。
FPS『Rainbow Six Siege』の練習モードの1つに『エリミネーション』がありますが、これは敵をすべて除外する(倒す)モードという意味ですね。
ダブルエリミネーションを理解するには「ライフ」の考え方がオススメ
ダブルエリミネーションは一見複雑に見えますが、仕組みを簡単に理解するために「ライフ」という考え方が使われることがあります。
・プレイヤーは2つのライフ(命)を持っていて、負けるとライフが1減ってしまいルーザーズへ移行する
・ライフが1のプレイヤーは負けるとライフが0となり脱落する
・グランドファイナルではライフが2のプレイヤー(ウィナーズ勝者)と、ライフ1のプレイヤー(ルーザーズ勝者)が勝負するため、必要な勝利数が異なる(ルーザーズ勝者は1回負けるとライフ0となり脱落、ウィナーズ勝者は1回負けてもライフが1残るためもう1戦チャンスがある)
トリプルエリミネーションはない?
シングル、ダブルがあるならトリプルエリミネーションもありそうなものですが、ほぼ実例はありません(過去にカードゲームの大会で1度だけ採用されたことがあるようです)。
これは試合数が多くなり大会自体が長引いてしまう、特に決勝戦あたりから複雑になりすぎてしまう等の理由が考えられます。また、上位3名以上で競い合い優勝を決める場合は、上位者のみで総当たり戦(リーグ戦)にするなどの方が分かりやすく採用されやすい傾向にあるようです。