独占取材

「LoLは一番楽しい」明るい声が飛び交うeスポーツサークル

8月14日、15日に行われたeスポーツ甲子園『STAGE:0』のリーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)部門で決勝大会に出場した朋優学院高等学校(以下、朋優学院)のチーム”Hyec”。

8月某日、夏休み中の決勝大会直前というタイミングにも関わらず、快く取材を受けてくださり意気込みを語ってくれていました。(忙しい中ありがとうございました!)

本稿では部員の皆さんにとってのeスポーツサークルとは、またどのように勉強と両立しているのか、普段の活動についてうかがってみました!

普段の練習はどんな感じ?

学校での練習風景

週に3日、情報の授業などで使われる教室で、ゲームングPCを使って練習を行っているとのこと。毎回デスクトップPCは設置を行っているんだそうです。

部員同士のチームでログインしてオンライン対戦を行ったり、個別にオンライン上のマッチング等で練習しているとのことでその様子を見せてもらいました。筆者が驚いたのは、プレイを始めた皆さんが想像以上に活気があること!友人同士固まってプレイしているというのとは全く違って、熱心に声を掛け合い画面に集中しているのが伝わってきます。

顧問の岸波先生にお聞きすると、普段からかなり活発に声を掛け合い練習していているとのこと。LoLというゲームの特性があると思いますが、基本はチーム戦。
Hyecではチーム内でのコミュニケーションがしっかりしていて指示系統が活きているからこそ、試合の場で強さが発揮できているのだと納得できます。

部活でゲームをする意義=コミュニケーション力が上がる

試合後の反省会をする際にもざっくばらんに意見が飛び交うそう。聞いているとまるで企業でも行われるディスカッションのようです。気を使わずに思いを伝えられる環境は、チームの強みというコミュニケーション力の高さを感じました。

基本的には岸波先生の方で対戦相手のリサーチを行い大枠での作戦や戦略立てを、試合中の細かな指示出しはLoL歴が一番長い若松さんが中心に担っているそう。

LoLの専門的なアドバイスをプロから受けられるサービスも試してみたりと、チームの力を底上げする方法に日々挑戦されています。

ちなみに「憧れるプレイヤーはいますか?」という質問で、サークルメンバーのほとんどが手を上げたのは『らいじん』さん。LoLのプロシーンでも活躍している人気ストリーマーです。らいじんさんはSTAGE:0の大会でも解説を担当しており、会場でも話題になりました。

進学校で勉強とゲーム練習の両立

和気あいあいとした雰囲気が印象的

東京都品川区に位置する朋優学院は、校名の移り変わりはあれど1946年から70年以上の歴史を持つ私立高校。部活動はスポーツ系・文化系と様々存在し、今年の夏はダンス部が全国大会に出場したそうです(!)。進学校でありつつ、生徒の表現活動を後押しする校風を感じられました。

筆者が気になっていた「自宅での練習」はどうしているのか?という質問については‥

実はサークル設立当初の決まりとして、"自宅では練習をしない"というものがあるのだそうです。ON OFFのけじめをつけてやろうという方針のもとルールとしていたそうなのですが、実際のところこれって結構難しいところ。

元々LoLを自宅でもプレイしている部員がいることもあるでしょうし、「上手くなりたい」「楽しい」と思うと自宅でも練習時間を割いてしまうのは否めないものなのかもしれません。

設備的に自宅では練習がかなわないという部員の方もいるので、配分については顧問の岸波先生や学校側が生徒達を信頼して任せているよう。

その分「成績のところはちゃんとしている」の言葉どおり、テストではある程度の点数をキープし、しっかりやろうと皆意識して取り組んでいるのだそうです。

ご家族からの「ゲームをやるのは構わないけど、勉強はちゃんとしよう」という激励や「朝起きる時間をしっかり守る」といった約束事を守りながら練習をしていると教えてくれたのは稲澤くん(高2)でした。

「望外の結果」だけどやれるところまで

何事にも動じない前向きさが「幼稚園から変わらない」と語るムードメーカーの細川くん(左)

都内の全日制学校では、eスポーツを部活として行っているところはまだまだ少なく珍しい存在。最近は学校側や保護者の方から応援の声を掛けられることもあるそうです。

今回高校生の大会で決勝大会まで進んだことについて、岸波先生は「望外の結果」とのこと。チームの健闘ぶりに対して「ここまでこれたことがすごいので、とにかくやれるだけやってくれれば」と驚きと喜びが入り混じった心中を聞かせてくれました。

STAGE:0決勝大会を終えて

決勝大会の準々決勝では、準優勝した「岡山県共生高等学校」と白熱した試合を見せてくれたHyec。

決勝大会開始前にコメントする若松さん。

残念ながら準々決勝敗退となりましたが、観覧していた応援席側も手に汗握る熱戦でした!

STAGE:0の決勝大会を終えて、改めて感想コメントをもらっています。

若松くん
「悔しいけど、惜しいところまで戦えた。全力を尽くすことができた。」

谷川くん
「高校最後の大会でここまで来れて嬉しい。後輩に頑張ってほしい。」

稲澤くん
「準備してきたことが全て出しきれなかったところがあり悔しい。」

細川くん
「相手のレベルは高かった。次はもっと上手くなって試合に臨みたい。」

坂本くん
「プロレベルの選手の実力を肌で感じた。悔しいが、もっと上手くなって彼らと対等に戦えるようになりたい。」

松本さん
「 チームの皆が全力で戦ってくれた。私も次はこのチームの一員として試合に出て、勝利に貢献できるよう練習していきたい。」

8月の取材時点ではまだ次の大会へのエントリーについて等はこれからということでしたが、まだまだ成長を見せてくれるであろうHyecの更なる挑戦に期待しています!

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