2019年9月、ユーザーエントリーからトーナメント作成、大会進行までワンストップで運営と管理が可能なeスポーツ大会プラットフォームとして国内リリースが発表された【PLAYHERA】(プレイヘラ)。
これはゲーム動画配信プラットフォーム「OPENREC.tv」、国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」を運営する株式会社CyberZがRIZeSTと共同で満を持して開始したサービスです。
わかっているのは「気軽にeスポーツへの参加やユーザー同士のコミュニケーションが可能なアプリケーション」だということ。
実際のところ、このプラットフォーム【PLAYERA】はどういうもの??
どんな使い方ができるのか?
今後の展望は?
‥などなど、PLAYHERA JAPAN株式会社の代表取締役社長であり、株式会社CyberZ 取締役、RAGE総合プロデューサー大友真吾さんにリリースの裏側を聞いてみました!
eスポーツに関わるステークホルダーにとって「必要」で「便利」で「役に立つ」プラットフォーム
ーー9月初旬にリリース発表されて、現在はβ版とのことですね。今春には本リリースということですが、どういった目的で作られたのか、概要を教えていただけますか?
大友:一言でいうと誰でも簡単にeスポーツの大会が開催、運営、進行できるサービスです。
将来的には大会オーガナイザーだけじゃなく、選手やチーム、スポンサー、ゲームメーカー等のeスポーツに関わるステークホルダーにとって「必要」で「便利」で「役に立つ」プラットフォームにしていきたいという想いで立ち上げたのが「PLAYHERA」です。
選手の実績管理ができていなかった
ーープレイヘラはどのくらい前から構想されていたんですか?
大友:きっかけといいますか…実はRAGEも丸4年経ちますけど、大会の戦績というのがうまく管理できていなかったという過程がありまして。
当然開催ごとに誰が優勝したりという実績は管理されていたのですが、規模は増しつつ、本来だったら横断で管理されていることができていなかったんです。
プロ野球や他のスポーツで例えると、「2000年にプロに入って2019年までに年次ごとの成績、通算ホームランが何本あって、日本歴第何位になりました‥」という情報がありますよね。
RAGEは4年間やってたのでそういうデータが溜まっていてもおかしくなかったのに、個別でバラバラに管理していたので集約するのが難しい状況になっていました。
ーー意外とそういう管理できていないものなんですね!
大友:あまり管理できているところは少ないんじゃないでしょうか。おそらく(笑)。
そういう課題があったなかで、RIZeST古澤社長を通して2018年にPLAYHERAを開発している海外企業の担当者とお会いしたんです。
こういうプラットフォームがあって、RAGEや他のeスポーツ大会の主催者も含めて大会エントリーを一元管理できるようになったらすごく役に立つようになるだろうなというのがあったので、ぜひ日本展開を僕らでやらせてほしいですっていう話をしたのが最初のスタートですね。
(開発企業の本社はアイルランド・ダブリン)
大友:入り口はそういう戦績管理の部分。RAGEがやりたかったけど、できてなかった部分でした。
これって僕らはそういう経験をして得た課題ですけど、オーガナイザーやIPホルダーさんはまさに参入し始めたところだと思うので、3,4年先に同じ過ちを犯してほしくないなって(笑)。
選手のデータは戦績を中心に必要になってきますので、それを僕らが日本で大きくリリースして、大会のエントリーツール、運営システムといったらPLAYHERAという状況をこの1年作ることができれば‥と考えています。
ーー私共としても選手の過去実績を探すのに苦心することが多々ありますので、仰る意味がわかる気がします。(笑)
eスポーツのあらゆるステークホルダーをハッピーにする
大友:ただの大会システムじゃなくて、eスポーツのあらゆるステークホルダーをハッピーにするっていうのを開発者代表のNaif(ナイフ)は言っているんです。
誰でも簡単に大会をつくれるという機能はPLAYHERAの一つの側面でしかないというのが彼らの意見で、将来的にはそこをハブにして、例えばチームが良い選手を探す場にPLAYHERAを使ったり、選手は友達とか仲間を探す場に。ゲームメーカーは大会ツールとしてPLAYHERAにしたり、場合によっては自社の新しいゲームを出すときに、そこでβ版のプレイヤーを募集したりとか。
また、スポンサーに対する側面もあります。今あらゆる大会があると思いますが、法人関連の大規模な大会にしかスポンサードってできてなかったりすると思うんです。
そこをもう少しデジタルに、こういう商品のターゲットはこれで、特に20代男性にリーチしたいから、それに適した大会は‥という目線でPLAYHERAの管理システムで調べられるようになり、マーケティングにマッチする大会が選べたりするようになると主催者もスポンサーがつきやすくなります。
それらが実現するのは数年先の話だと思うんですが、シンプルに大会ができるツールとしてのPLAYHERAではなくて、eスポーツのエコシステムとしてのPLAYHERAっていうのを将来目指してるという感じですね。
ーー今は大会機能として一番シンプルな形なんですね。では、今例えばPLAYHERAで自分の仲良い人同士だけでトーナメントやりたいなあ…となった場合はどうすればいいんでしょう?
4人単位からトーナメント作成可能
大友:まだβ版の段階では、大会をしたいという旨を公式HPから問い合わせいただいて、オーガナイザーアカウントを案内する形になります。PLAYHERAでは4人揃えばトーナメントが作れます。
自社でも社員同士でトーナメントを作成して戦ったりしてるんですよ(笑)。
PLAYHERA公式WEBサイト
https://japan.playhera.com/ja/
PLAYHERA公式Twitter
Tweets by PLAYHERA_JP
問い合わせを頂いているのはIPホルダーさんや地方の自治体、ゲームは作ってないけどeスポーツの大会をやっているコミュニティやオーガナイザーさん。また、大会を大きくやるという企業さんから相談を頂いて運営をお任せ頂くというのが今はほとんどですね。
単体で大会運営を行うのが難しい主催者さんも多いんです。特にオンライン大会となると、選手も何百人となり、プラットフォームを使っても意外と人の運営コストもかかったりするんですね。そこをPLAYHERA公式大会という形でオンライン大会を実施させていただくという受託型のニーズが高まっています。
発展中の産業だからこそ
大友:選手やチームだけでなく、ゲーム会社や僕らのようなオーガナイザーも利益を生んでいけないと、やはり興行として、産業として成り立っていけないと思っています。盲目的にただ「eスポーツ」が稼げるという状況ではまだなく、今まさにお金の循環を作っている真っ只中だと思っています。
必然的に、最初はRAGEというeスポーツの大会ブランドを日本一のブランドにして、最終的には他のスポーツやエンタメ興行と同じように興行収益でちゃんと利益を出していく事業にしたいというのが前提にあるんです。
そのなかで当然、興行イベントの周辺環境に携わる方々もちゃんとうまくいかないとRAGEもうまくいかないなというのがここ1年くらいに感じていることだったので、ちゃんとあらゆるステークホルダーが潤う形にしていきたいなと。
それに伴ってPLAYHERAも、将来的にはプラットフォームとしてどんどん機能を進化させていきます。
ーー本日は貴重なお話をありがとうございました!
<「PLAYHERA」の特徴>
・ エントリーから大会進行まで「PLAYHERA」アプリ1つで運営が可能。
・ ユーザーは無料で「PLAYHERA」アプリを利用でき、様々な大会に参加可能。
・「PLAYHERA」のチャット機能にて主催者と選手、選手間のコミュニケーションが可能。
・ 対戦相手と共有するルームNo.やサーバーIDなどが対戦画面のチャットボックス内にて共有可能。
・ PUSH通知によるスムーズでユーザーファーストな大会進行が可能。
・ eスポーツに特化したSNS機能が利用可能。(β版)
高額賞金など表層がフォーカスされる部分が目立つ「eスポーツ」。大会運営を取り巻く環境を俯瞰で見ながら、周辺産業にも利益が回る構造を作っている真っ最中だと大友さんは話します。
CyberZが仕掛けるeスポーツを"観る"、"体感する"、"参加する"ためのサービス基盤は、国内eスポーツ業界をこれからも牽引し続けてくれることでしょう!
「PLAYHERA」について語られた、今後eスポーツコミュニティや企業、選手、コーチ…と、あらゆるステークホルダーが繋がる場としての開発を心待ちにしている人も多いのではないでしょうか。