編集部コラム

語り継がれるのはいつでも"生きた交流"~祝・モンハン20周年~【編集部コラム】

ゲーマーゲーマー編集部の小河原です。

本日の編集部コラムは時事ネタですが、取り扱っていて「そりゃ自分も歳を取るよなぁ……」と思わされました。少し前までは半ば冗談で「もう私もおじさんだ」とか言えていたのですが、今やそんなこと言っても自分も他人も笑えないくらいの年齢です。「ねぇ、おじさん!」「お兄さんだろ~!」という定番(?)のやり取りももはやできません。本当は男の子に対して「よう、ボウズ!」とか言える気さくなお兄さんになりたかったのですが、その夢ももう叶いません。トホホ……(死語)。

『モンハン』20周年!おめでとり~!(『半熟英雄』風に)

2024年3月11日で、『モンスターハンター』(MH、モンハン)は20周年を迎えました。

初代『モンハン』が発売されたのは、PS2が発売して4年が経った2004年のことです。私の記憶では、当時のゲーム雑誌では「PS2になってから、過去のゲームの続編ばかりが出て完全新作(今でいう新規IP)が出なくなった」とよく言われていて、そんな中『モンハン』はかなりの期待を寄せられていたのを覚えています。『モンハン』は20万本程度を販売しましたが、大作が数百万本売れていた当時では"スマッシュヒット"と言われ、「完全新作がこれだけ売れるのは凄い」と業界関係者やゲーマーから評価されているに過ぎないという印象でした。

それが今やカプコンを代表するタイトルとなり、『MHワールド』は世界で1,960万本を販売し、同メーカーの歴代1位の売上本数を誇っています。初代の頃からは考えられない人気ぶりですね。

思い出補正だけではない「不便の魅力」が確かにそこにあった

SNSで『モンハン』が語られる際によく「PSPの『MHP2G』の頃が一番良かった」という意見をよく見かけます。『モンハン』はシリーズを重ねるにつれ洗練され、どんどんユーザーに優しく親切になっています。「ペイントボールが切れた!面倒臭い!」ということも、「クーラードリンク忘れたからやり直しさせて……」ということも今ではなくなりました。

巨大なモンスターとのガチな戦闘アクションや素材の収集と武具の作成が『モンハン』の醍醐味だとすれば、それをストレスなく味わわせてくれる新作の方がゲームとしては間違いなく優れているのですが、やはりそれだけでは語れない魅力が過去の『モンハン』にはあります。

それは、「顔を突き合わせてのコミュニケーション」です。

『MHP2G』の頃、ネットワーク協力プレイをしようとした場合、「アドホックパーティー」というPS3を利用した方法か、非公式な方法を用いるしかありませんでした。しかし、どちらも知識や機材が必要だったため、多くの人はオフラインで協力プレイを楽しんでいました。プレイヤーそれぞれがPSPとソフト、さらには充電器まで持ち寄る必要があるなんて今思えば不便極まりないですが、気の置けない友人とコミュニケーションを取りながらの『モンハン』には、オンラインプレイでは絶対に味わえない楽しさがあったのです。

もちろん今ではオンライン上でボイスチャットやテキストチャット、さらにはWebカメラを利用してコミュニケーションを取ることはできますが、どれだけリアルタイムに声や表情が伝達できたとしても、オフラインで伝わる情報量に勝るものはありません。「クーラードリンクあげるから大丈夫だよ」とか「PSPの電池切れそう!充電器貸して!」とか、今では見られなくなった不便だからこそ、オフラインだからこそのやり取りも含めて、当時の『モンハン』は確かに最高のゲームでした。これは決して"思い出補正"ではなく、すべてを含めて『モンハン』というコンテンツだったのだと思います。

現在ネットワーク技術が発達し、ゲームやeスポーツはオンライン対戦が主流になりました。しかし、今でも大きな大会はオフラインで行われていますし、無料でオンライン視聴できるイベントでもたくさんの人がお金を払って会場で観戦しようとします。これは、多くの人がオフラインならではのライブ感や体験そのものに価値を感じていることの表れなのだと思います。

ライブ感といえば、ゲームセンターでの対戦もまさにそれそのもので、今でもゲームセンターにまつわるよもやま話が語り継がれています。人々の記憶に残り続けるためには、ライブ感、体験ということが結構鍵になってくるのかもしれませんね。

そんなゲームセンターでの格闘ゲームがまた流行ってほしいといつも思っているのですが、料金形態やインカム(売上)の問題もあり中々難しそうで……と、ゲーセン話を始めるとキリがないので今回はここまでです。長文失礼いたしました。

編集部コラムは、他の記事が流れるのを防ぐためTOPページ等に表示されません。
まとめて読みたい場合は下記のページからどうぞ。
https://gamer2.jp/post/category/henshubu/

-編集部コラム